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これまでのおはなし

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再☆疾走まであとすこし




ども。華丸でございます。


いや~、しかし。
まったく勝てないんですけど。鬼浜爆走紅蓮隊。


いまのところ全敗ですわ。
っていうか、もう諦めた。
わたしにはアレは無理かもしれん。

まあね。
4号機の鬼浜もあんまり勝てなかったからね。
相性悪いんだろうとはうすうす感づいていたんですけど。
それでも好きならそれでよし!!!
――とか思ってたあのころのわたしは、たしかに今よりもうちょっと若かったわ。だはは。


とまあ、それは置いといて。

しばらく前に、再☆疾走準備中 とか言いましたけど。
ようやくどうにかなりそうになってきた。
あしたあたりから新作をうpしようかな、と。

実はだいぶ前に書いたやつの続きを、途中まで書いてたんですけど。
それうpするより先に、ちょっと思い直してぜんぜん別のを書こうと思い立ったのです。
なんだかんだ、仕事があったりとかするもんで、うまく時間がとれないんですけど。
どうにか目星がついてきたんで、ここらで再始動できそうになってきました。


まあね、どうなるかわかんないですけど。
久々に書く気力が戻ってきたんです。いぇい☆



そもそもこれ書くにあたって、最初に思ってたのってのは――

「鬼浜大好きだけどぜんぜん勝てないし。
 でもなんか気持ちの上では盛り上がってるし。
 打てば負けるか打つのは自重したいとこどだけど……
 でも何かしら生活に鬼浜な部分を盛り込みたいわけで!!!」

ここが出だしなわけです。
もちろん4号機時代だけど。

それとまったく一緒です。今現在。
打ちたいけど打つと死亡確定orz
でも、なにかしら鬼浜とつながっていたいなあ、なんていう。


所詮は鬼浜ヲタなだけ。
開き直ると鬼浜ヲタなだけ。
それでいいか、と。
打てないながらも、それでいいか、と!!!



という、非常に残念な鬼浜ヲタが今後も生きていきますよ。


……嗚呼、ほんとは打って勝ちたいZE☆





再始動の件で業務連絡です。



1)季節は夏からはじまります

前に書いたところから止まってたので。
その続きからはじめるので、季節無視で、何事もなかったように再開予定です。



2)○鬼浜爆走愚連隊  ×鬼浜爆走紅蓮隊

後者が今現在の正式名称なのは重々承知。
だけど、前者で始めたので。
というか、姓名判断とか見たことあるんですが、前者は最大の吉数でもあるので。
まあ、出だしが愚連隊だからね。
個人的にはそのままいこうかな、という具合。




どこまで行けるかわかりませんけど、できるだけがんばります。
というわけで、どうぞ夜露死苦おねがいいたします。



あ。
ちなみに、何かしらの手段でここに辿り着かれた方がいらしたらご連絡です。
ここは攻略とかには何の関係もありません。
パチスロ「鬼浜爆走紅蓮隊」を打つ上でお役にたてることはないです。
というか自分が勝ててないしヽ(゜▽、゜)ノ


ここにあるのは鬼浜町の面々への愛だけです。
ただそれだけで生きている筆者の妄想だけの場所です。
愛と言っても、「鬼浜町住人どもが愛し合う」お話ということも一切ありませんので至って健全です。
老若男女どなたであっても、鬼浜ってワードにぴんと来る方がお立ち寄りいただいて楽しめる場所を目指しておりまする。



とりとめなく書きましたけれども、ひとまずご挨拶という形で。
それでは次回、近日本編うpしますのでその節はどうぞよしなに。



否――夜露死苦ぅ!!! でございます。







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ジグソーパズルの1ピース 1-1



 窓の外から声がする。
 いつもの時間、いつもの声。オレの朝にはお決まりの――というかこの界隈のご近所さんたちにも耳になじんでいるはずの例の声だ。
「ハ~ヤ~ト~くん!!! おはよう!!!」
「うん……ああ、おはよ」
 何度も叫ばせておくのも何なので、オレはいたしかたなく布団から身を起こして、窓を開けて返事をして。
「オウ、相変わらず寝ぼけてるな。今日なんか朝から気温高いのに、よく寝てられるよな、ハヤトは」
「血圧低いからね、オレ」
「いいから。ほら、時間ねえぞ? 早く顔洗って着替えてこいや!!!」
「……了解」
 乱れた髪に手をやって、目をこすりながらそう応えて。そしてオレは洗面所へと向かう。
 まったくいつもどおりの朝だ。
 歯を磨いて、顔を洗って、髪も簡単にセットして。部屋に戻って学ランに袖を通して。

 なんとか準備完了。店先で開店の用意をしはじめた親父に一声かけて出発だ。
「そしたら行ってくる、親父」
「おや、低血圧の不憫な息子よ。今日もそんな格好ということは、通知票が思わしくなかったのだな。よしよし、頑張ってこい」
「……え?」
「ああっ!!! 親父さん、いいからいいから!!! ハヤト気づいてねぇんだから」
「は? リュウジ、何? オレが気づいてないって」
「気にすんなやハヤト!!! さっさと行こうぜ。今日も天気いいしな!!!」
 リュウジに背中を押されて、じゃあ行ってくる、と道に出た。
 そこで出くわしたのが、見覚えのある顔ばかりの近所の小学生軍団だった。水泳バッグをかごに突っ込んだ自転車で彼らが通り過ぎるのを見て、やっと何かに気づいたオレ。
「あれ――何かおかしくない? 小学校、今日休み……?」 
「わはははは!!! 深く考えるなハヤト」
「って、そうだよ、もう夏休みじゃん!! いつもの時間に迎えに来るもんだから、条件反射しちゃったよオレ」
「わはは、ほれ、走るぞ。遅刻しちまうと後が面倒だからな!!!」
 逃がすものか、とオレの手首をがっちり掴んだリュウジがしてやったりの笑い声をたてながら走り出す。
「……わかったよ。もう逃げないから。痛いってば」

 観念したオレは、額に汗が噴いてくるのを感じながらこう訊いた。
「で、どの教科の補習? リュウジ」
「うん? 数学と英語だけどそれがどうした?」
「オレ、どっちも成績そんな悪くなかった――って、痛っ」
 走る速度をゆるめないまま、リュウジはむっとしたような口調になって……そしてオレの手首を掴んだ指に力を入れた。
「そもそもハヤトがな、試験のときに解答用紙につっぷして昼寝なんかするから悪いんじゃねえか。自分が解き終わったからって、あの体勢は正直無情だと思ったぜ、俺は。隣人への優しさってのに欠けるんだよな、ハヤトは」
「あのさ、そんな自信満々にオレに説教することなのか? それは」
「ああ、もう、黙って急ごうぜ、ハヤト!!!」
「……おす、了解」
 逆らっても仕方ないな。やれやれ。オレはリュウジに甘いよな、多分。

 夏休み補習の教室に到着したころにはオレの寝ぼけ眼もそれなりに開いてきていた。教室にいた、いつもの面子よりは少数の仲間たちにリュウジは挨拶して回る。
「オウ、玉城!!! おはよう」
「おっす、リュウジ。っていうか、あれ? ハヤトも補習だっけ?」
「いや……何ていうんだろ。まあ、見学?」
「わはははは!!! 玉城、こいつな、寝ぼけてるから悪いんだぜ!!!」
 とか何とか言いながら、低血圧自慢のオレのことをリュウジはあれこれ説明してるし。
 級友のひとりである玉城は、大層おもしろそうにリュウジとオレを見てた。


ジグソーパズルの1ピース 1-2



「なるほど。それでリュウジの付き添いなんだ、ハヤトは。ご苦労さん」
「いや、オレはもう帰るけどね。リュウジに騙されただけだしさ」
「何だと? ハヤト、せっかく来たんじゃねえか。付き合えって」
「あはは、リュウジはハヤトがいないとつまらないんだよ、きっと。ほんと仲いいね」
「何? それはちょっとおかしいだろ、玉城!!! だってどうせ寝てる位だったら学校来たほうがハヤトのためになるんじゃねえかと思ったんだぜ、俺は」
 力なく顔を見合わせる玉城とオレ。うん、リュウジがおかしいって。
「で、玉城は練習の途中なんだ?」
 玉城は野球部員だ。練習用ユニフォームを着てる。
「そう。今朝も7時から練習だったんだよね。補習終わったら戻るけど。まあ、暑いし、ひとやすみがてら補習も悪くないかなー、と。あ、これ森園には内緒ね。とくにリュウジ」
 うしし、と笑う玉城である。ちなみに森園ってのはリュウジの旧友の野球部主将。
「俺は玉城を裏切ったりしねえって!!! 何つったって補習仲間だし。なあ、ハヤト?」
「え――いや、オレは……いや、何でもない。うん、そうだね、玉城。安心していいよ」
 とりあえず今日のところは、そういうことにしとこう。朝ぼけっとしてたオレが悪い。

「よし、席につけお前達。出席をとる」
 そのとき教室の前の扉ががらりと開いて、赤ジャージが入ってきた。
「オウ、赤ジャージ。夏休みだってのにご苦労だな」
「リュウジ。お前の頑張りが足りないから俺の仕事が増えるということを理解しろ」
 なんて言いながら、出席簿の角でリュウジのリーゼントを攻撃する赤ジャージ。
「あ~あ。リュウジ、わかってるだろうに。そんなこと言ったらそうなるよ」
「おや? ハヤト、お前も補習だったのか?」
 赤ジャージがオレの顔を見て訊くのに、答えたのはリュウジだった。
「わはははは!!! 赤ジャージ、こいつおかしいんだぜ!!! 今朝俺が迎えに行ったら何の疑いもなく学ラン着て出てたんだぜ!!! 惰性って怖いよな」
「っていうかリュウジこそ惰性だったんじゃないの? オレのとこに来る必要ないって忘れてただけじゃない?」
「何だと? そんなこと――ねえよな、玉城?」
「ええ、僕に訊く? 知らないってば。ちょ、睨まないで欲しいんだけど」
 ……そうか。きっとそうだったんだ。図星だったに違いない。

 午前中2時間の補習を終えて、野球部の練習に戻ると言った玉城になんとなくついて来たリュウジとオレ。
「補習終了、ただいま帰還」
「おかえり玉城。おや、リュウジと相棒さんも一緒か」
「オウ。遊びに来たぜ、森園」
「今は小休止なのだが、それが明けたら変則の紅白戦をすることにしている。どうかな、リュウジ。参加してみないか?」
「紅白戦か。おもしろそうだが、俺もハヤトも野球部相手じゃ初心者だぜ?」
「うん。オレ、中学の体育の授業でしか経験したことのない本気の初心者だ」
「大丈夫だ。今日の紅白戦は、いつもと違う守備位置でやってみよう、ということになっていてね。ほんのお遊びの延長くらいに思ってもらえばいい。それに、君たちが参加してくれたところで頭数は16だし、そこまで本気のものにはならない」
「なるほど。それなら何とかなるか? いや、でもジャージかなんか、着替えたいよな。そしたら俺、一度家帰ってジャージ取ってくるわ。森園、時間あるか?」
「ああ。集合したら配置を決めるくじ引きをするし。ああ、リュウジはどこか希望のポジションは? どこかあれば優先しよう」
「当然ピッチャー希望だぜ!!! 俺、小学生んとき投手だったしな」
 なんて言いながら、リュウジはすでに校門に向けてダッシュを開始していた。
 リュウジの後ろ姿を見送って、玉城がおもしろそうに言う。
「乗り気だね、お宅んとこの隊長」
「だね。っていうかオレ、全然自信ないんだけど」
「まあまあ。楽しければいいんじゃない?」
 じゃあOKか――と玉城に返そうとしたときだった。
 校門のほうから怒号が聞こえてくる。リュウジの声……?
「オイ、何の用だ? 勝手に入ってくるんじゃねえ、ここをどこだと思ってやがる!!!」


ジグソーパズルの1ピース 2-1



 一体どうしたんだろう、とリュウジの声のほうへオレは走った。
 気配からしてそんなことかな、とは思ったけれど、想像どおりの光景がオレの目に映る。
 校門前で腕組みをしたリュウジ、その対面にはコウヘイが仁王立ちで対峙している。
「ふん。貴様なぞには用はねえ。そこをどきやがれ」
「何だと!!! ふざけたこと言うんじゃねえぞ、コウヘイ!!! お前が鬼工に乗りこんで来ようってのに俺が『はいそうですか』と通すと思ってるのか!!!」
「――リュウジ?」
「ハヤト。ちょっと用事ができちまったようだ。悪いんだが代わり俺んちまで行って、ジャージ2着取ってこいや。たんすに入ってるから。わかるよな?」
 コウヘイに強い視線を投げたまま、リュウジはオレにそう言った。
「おい、貴様。本当に理解力がねえなあ。何がちょっと用事だ? 俺は貴様を構っているほど暇じゃねえと言っている」
「何だと!!! 理解力とか、人を馬鹿にするのはいい加減にしやがれっての!!!」
 リュウジは語気を荒げて言いつのる。対するコウヘイがまったく殺気を放っていないのは、本当にリュウジに用事じゃないってことか?

「ああ、なんか騒いでると思ったらコウちゃんか。リュウジ、どうかした?」
 そこへ玉城が姿を現した。
「玉城、いいから野球部は引っ込んでろや。これは俺と奴の問題だからな。下手な騒ぎで迷惑被りたくねぇだろ?」
「貴様こそ引っ込んでいろ、リュウジ。むしろこれは俺と玉城の問題だ」
 にやり、とコウヘイは笑った。白目がやけに禍々しい。
「おい、コウヘイ!!! 適当なこと抜かすなや!!!」
 と、いよいよ気色ばむリュウジであったが――
「ああ、あのことか。コウちゃん、来られそう? って、ああ、リュウジ。コウちゃんの言ってるのは本当だよ。僕に用事で来てるんで、心配しないでいいから。ほら、早く行ってきなよ。ジャージ取ってくるんだろ?」
「そうなのか? なら……いいんだけどな」
「うん。本当みたいだね、リュウジ。ほら、行こう。オレも一緒に行くから」
「オ――オウ」
 なんだか釈然としない視線を未だにコウヘイに向けているリュウジだったけど、それから玉城が何の疑いもなくコウヘイを引っ張って葉の生い茂る桜の木の下に移動していったのを潮に、ようやく目的を果たすための移動を開始したんだ。

 結局その後は何事もなかったように、オレたちは野球部の練習に飛び入り参加した。
 そう、本当に何事もなかったみたいで、野球部の変則紅白戦が始まったころにはリュウジもオレもさっきの一幕なんてすぐに忘れてしまっていた。
 リュウジは紅組の投手。オレは白組のレフトに入った。
 リュウジは自信満々の投げっぷりだったけど、どうやらくじ引きで捕手になった玉城のリードにさんざん逆らっていたみたい。ときどき『俺は真っ向勝負するぜ、一球外すなんてできるかっての!!!』なんて叫んでた。声に出したら、サインとか意味ないんじゃないか?
 対するオレは、守備はまあ、ときどき落球したりしたけど、打つほうはそれなりだったかも。バットに球が当たったときの音って、こんなにいいもんなんだな、なんて思った。

 結果は3-3の引き分けだったけど、当初の予定どおりの5回で試合終了となった。
 時間は12時をすこし回ったところで、昼休みに入ることになったらしい。
 飛び入りのオレたちも、野球部の面々と一緒に学食へ行くことにした。
 リュウジと玉城とオレでひとつのテーブルに陣取った。
「それにしてもな、ハヤトに打たれるとは思わなかったぜ、ちきしょう」
 カレー大盛りとやきそばパンとマカロニ入りのトマトスープといちご牛乳を、どれも旨そうに食べながらリュウジがぶつぶつ言ってる。
「あはは、偶然だって、リュウジ。そんなに落ち込まなくてもいいじゃん」
「別に落ち込んでなんかいねぇけどよ、なあ、玉城?」
「でもさ、僕のリードをもうちょっと理解してくれたらよかったかもね、リュウジはさ」
「そうか? そういうもんか?」
「うん。多分。試合終わったあとにさ、ウチのバッテリーもリュウジと僕を見て『思わぬところでいい勉強ができた』って言ってたしね」
「そうか。押してくだけじゃ駄目なのか。ほんのちょっと勉強になったぜ……」
 何か考えてるような面持ちで、リュウジはいちご牛乳のストローをすすってた。


ジグソーパズルの1ピース 2-2



「それとさ、ハヤトって、動体視力けっこういいんじゃない? リュウジの球それなりに速かったけど、打てたでしょ?」
「え、オレ? 考えたことなかったな。動体視力か」
「そりゃ玉城、当たり前じゃねえか!!! ハヤトは俺らの誰よりも速いんだぜ、単車。それで鍛えられるに違いねえってば」
「あ、なるほど。それならそうかも。国道走りながら、店の看板に書かれた営業時間とか、歩道にいる猫の模様くらいだったら何気なしには見分けられるな」
 何でも応用できるんだな、なんて思った。
「あ、そうか。動体視力っていったらアレも関係あるのか」
「うん? 何だ、アレってのは? ハヤト」
「パチス……いや、何でもないです」
「ああっ!!! お前、今パチスロとか言いやがったな!!! いい加減にしとけってのに!!!」
 隣から威勢のいい拳骨が飛んできた。おいしくないデザートだな。

 食器が空になるころ、参加感謝ということで、森園主将がプリンを持ってきてくれた。
 今度はおいしいデザートをいただいている最中、リュウジが思い出したらしい。
「で、玉城。さっきのあれは何だったんだ?」
「さっきの? ああ、コウちゃん?」
 眉間にしわを寄せてリュウジが頷いた。
「あのあと俺ら、一旦出ちまったからわかんねえけど、何もなかったんだよな?」
「うはは、心配性だね、リュウジ。用件を普通に話をしてすぐ帰ったよ、コウちゃんは」
「本当に玉城に用事で来たんだ、コウヘイ」
「うん。そう。何もそんな物騒なことだけ考えて生きてるわけじゃないってば、さすがのコウちゃんだってね。わかった? リュウジ」
「まあ、わかったといえばわかったけどな。で、何の用事だったんだ?」
「リュウジ、そんな個人的なこと訊いちゃまずいんじゃないの?」
「別にまずいことなんてないって」
 特徴のあるどこかコミカルな童顔をほころばせて、玉城は言う。 
「こんど中学のときの同窓会があってさ。それの出欠確認の話だっただけ」
 コウヘイを『コウちゃん』と幼名で呼ぶ玉城は、そうだったんだ。
「ああ、そうか。玉城はコウヘイと中学一緒だったんだっけ」
「そうそう、ハヤト。今回、僕が同窓会の連絡係やってて。で、コウちゃんの都合が微妙だったみたいで、やっと来られることになったから、って言いに来てくれただけ。ついでに案内のプリント渡したとこで帰っていったよ」
「なんだ、そんなことだったのか。なら用件を先に言えってんだよ、コウヘイの奴」
「とか言って。リュウジがいきなり凄んだんだろ?」
「しょうがねえだろ? 誰だっていきなり自分の学校で奴に出くわしたらそう思うって」
 まったく単純だね、と玉城は笑ってた。オレは……微妙に笑えなかったりして。
 
「それにしても私服着てたよな、コウヘイ」
 サーバーから3人分、お茶をついできて配ってくれながらリュウジが言った。
「ああ、確かに暑いのに皮のジャケット着てたね。それがどうかした?」
「いや。奴は俺らみたいに補習とか、ねえのかな、と思って」
 それを聞いて、玉城はびっくりした顔でリュウジを見て、そして笑った。
「まさか。コウちゃん、補習とかないと思うよ。出席日数が足りてればの話だけど。知らない? コウちゃんってああ見えて勉強できるんだよね」
「何だと――?」
「へえ、意外」
 今度はリュウジとオレがびっくり顔をする番だった。笑いは起こらなかったけど。
「中学のときの同級生はみんな、コウちゃんは私立のいいとこに行くんだろうと思ってたんだよ。頭いいし、家もお金持ちだしね。多分どこか名のある学校に推薦入学が早々と決まったとか、決まりかけたとかって噂はあったと思うな」
 昔の記憶をなぞるように玉城は言った。
「急に暗黒水産に行くって言いだしたのはいつ頃だっけな。とにかく『俺が一番であることを思い知らせるべき相手を見過ごすわけにはいかない』なんて言ってたよ。志望校を変えるのとどういう関係があるんだか、言ってる意味が解らなかったから今まで忘れてた」
 リュウジとオレは顔を見合わせて、額のあたりに疑問符を浮かべてた。


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