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祭という名の激突に向けて 3


 「そんなわけなんで、気合い入れてくんで夜露死苦ぅ!!!」
 「お~~~!!!」
 全校生徒が集まった体育館は、野郎どもの雄叫びで古びた床が揺れていた。
 
 ここは6時間目の全校集会の場。
 夏の野球部の県大会に続いて、体育祭の応援隊長を実行委員から任命されたリュウジは、すでにお馴染みといった体で全校生徒に受け容れられていた。
 就任挨拶をしたリュウジの横に並んだオレたちも、なんだかこう、ちょっとは場慣れした雰囲気あったかな?

 「そうした次第で、鬼工一致団結して暗黒水産を打倒したいと思うのだ。全校生徒諸君もそうだろう?」
 リュウジの挨拶の後をついで、体育祭実行委員長に就任した、野球部の森園主将が演台につく。
 「お~~~!!!」
 ふたたび全校生徒の拍手と怒号がわき起こった。
 なんだかんだ言って、みんなお祭り騒ぎが好きらしい。
 去年よりはやる気に見える生徒たちの雰囲気は、森園主将を満足そうにさせていた。

 森園主将による趣旨説明とリュウジの挨拶が終わったあと、全校生徒は一旦それぞれの教室に戻って出場種目を決めたり、当日の役割を決めたりで大騒ぎだった。
 全校生徒を割り振るのでなかなか収拾がつかないのでは、と思ったけれど、本気で挑む陸上種目の類の出場者はあらかじめ運動部の推薦やら立候補やらで本人に打診が行っていたらしく、わりとすんなり選手が決まったようだった。

 ほかの一般の生徒たちは、棒倒しやら騎馬戦やら、くす玉わりやらの団体種目に振り分けられる。
 3年生は例年、競技には自由参加となっている。けど今年はいつもとは趣向が違うからか、たくさんの先輩たちが進んで参加の意志を見せているという情報。
 それと、わずかばかりの女子生徒は、両校ともダンスを披露するのだとか。

 そんなわけで、翌日からは午後は通常の授業は休止になって、てんやわんやの体育祭準備期間が始まったんだ。

 いつ、どこで、誰が練習するかなんてことを決めるのは実行委員の役目。そのへんは森園主将ら野球部=実行委員たちが段取りをしている。
 リレーや長距離走といった陸上競技に出場する生徒たちは少しでもいい記録を、と走り込むのに余念がない。
 
 対するリュウジ以下のオレたちが仕切るのは、応援旗とか看板とか、そんなのを作る役目のほう。
 それから、棒倒しとかの、喧嘩要素のある団体競技の戦略なんかも頼まれてるみたいだ。
 そういえばオレたちは騎馬戦に出場することになっている。

 「なあ、ハヤト」
 「ん?」
 活気に満ちた校内を一緒に歩きながら、オレはここ一両日、なんだかうきうきしているリュウジを振り返る。
 「なんかさ、俺こういうの好きなのかも知んねえ」
 「あはは、やっぱり? だってリュウジ、お祭り好きだもんな。御神輿担ぐ気分と似てるんじゃない?」
 「ああ、そうだな!!! 言われてみればそれと似てるのかもな」
 うんうん、と頷くリュウジの笑みはすがすがしい。
 
 「あ、いたいた!! 兄貴ぃ~~~」
 「お? どうした、ノブオ?」
 「看板作成班が、下書きできたのを見てほしいらしいんっス」
 「俺にか?」
 「はいっ!! 兄貴のOKが出ないと先に進めないって」
 「オウ、そうか。今いくぜ!!! ほら、ハヤト!! ぼーっとしてねえで行くぞ」
 「あ、はいはい、了解!!」
 べつにぼーっとしてたつもりなんかないんだけど、気合いに満ちたリュウジには敵わないなあ、オレ。
 
 「押忍、リュウジ」
 「オウ、ダイゴ!! どうだ、そっちは?」
 ノブオに連れられて看板作成中の体育館へ行く途中、道場のほうで棒倒しチームに、守りの極意を伝授していたダイゴに声をかけられた。
 「ああ。とにかく守ることが重要ゆえ。ウェイトのある連中を中心に集めてみたのだ」
 「そうか。守りを固めるのは地味なことかも知れねえけど、重要なポイントだからな。しっかりやってくれな!!!」
 「お~う!!!」

 実は学年を問わず、ということは、中には先輩も混じっているんだけど、リュウジは案外そういうのに無頓着というか、おおらかというか。
 けど、嫌味にはならないんだろう。先輩たちもリュウジの顔を見ると、笑顔で手を振ったり、背中をどやしつけたりしている。

 なんか、こういう活気に満ちた学校っていいね。
 ムードメーカーは確実にリュウジだ。そんなリュウジの隣にいるのって、緊張するけどわりといいもんだな。
 「オラ、ハヤト!!! 遅れずに歩けや!!!」
 「あ、いけね、はいはい」
 ふっと想いにとらわれてたら──あらら、叱られちゃったよ、オレ。

 小走りにリュウジの後を追いながら、オレはちいさく笑ってた。
 リーダーシップを発揮する漢と一緒に行動するようになって、オレは結構変わったかな。
 あ、けどリュウジは相変わらずとぼけてるって言うかな。


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