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栄光をつかめ 4


 今年の体育祭も、もはや終盤に突入していた。
 大方の予想通り勝負は拮抗していた。午前の部は暗黒が僅差で勝って折り返した。午後の部はかなり盛り返して一度は逆転するも、再び点差をひっくり返されたりしながらシーソーゲームの展開だ。
 
 さて、たった今行われた100mx4リレーの結果で──戦況は好転した。
 「よっしゃ、同点だ!!! ここで並んだぜ!!!」
 スコアボードが書き変わるのを待って、リュウジが応援席の隅々にまで響く声を張った。
 「おおお~~~!!!」
 「やった~~~!!!」
 今や盛り上がりは最高潮。
 そんな中で本日の最終種目である騎馬戦が始まろうとしている。

 リュウジ以下オレたち4人が唯一出場するのがこの騎馬戦だ。
 1騎4人で構成される騎馬が各校20騎ずつの出場となる。
 ルールは相手のはちまきを取ったらOK、という生やさしいものではなくて、とにかく騎馬が崩れて騎手が地面についた時点でその騎馬の敗退が決まる。
 制限時間は15分。時間経過後に残っている騎馬の数が多い方の勝利──ということは、同時に体育祭自体の勝敗がかかっていることになるってわけ。

 入場門に集まった鬼工の各騎馬に、リュウジは声を放つ。
 「いいか、お前ら!!! 俺らに勝負がかかってんだからな、気合い入れてくぜ!!!」
 「おう、モチロン!!!」
 「やってやるぜぇぇぇ」
 野郎どもの怒号が逞しく返ってくるのは圧巻だった。

 騎手のノブオを乗せたオレたちの騎馬。中央はダイゴ、左右がリュウジとオレだ。
 「ノブオ、とにかく落ち着いて行け。相手をよく見ろな」
 「はい──兄貴」
 「大丈夫だよな? 打たれ強いノブオの本領発揮だぜ!!!」
 「ええ、任せてくださいっス!!!」
 ひとまわり逞しくなったような気がするノブオが、ダイゴの背中でそう応えた。

 そして、いざ勝負の時を迎えることとなる。
 予想通り暗黒一家も1騎を構成して、オレたちの正面でこちらを見据えて開始の号令を待っていた。

 「リュウジ、どうするのだ? まず暗黒一家を襲撃か?」
 「いや、ダイゴ。少し様子を見ようぜ。俺らは何としてでも最後まで残らないとまずいからな。ウチの全騎に指示も出さないといけねえし」
 「そうか。そういう役目もあるんだもんな」
 「だろ? ハヤト。そうじゃなくちゃ俺らが出る意味ねえよ」
 「ああ。そうだな。ノブオ、大丈夫?」
 「はい、余裕っス、ハヤトさん!!! オレ持ちこたえますって」
 「よっしゃ!!! いい覚悟だぜ、ノブオ」
 なんて秘かに作戦を立てているうちに──ついに開始の号砲が鳴らされた!!

 「よし、ダイゴ。まずは着実に点を稼ぐ。一番密集してるとこへ特攻だ!!」
 「押忍、リュウジ」
 「ノブオ、振り落とされたりするなよ」
 「合点! ハヤトさん」
 まずは声を掛け合って、オレたちは敵陣へと特攻をしかける。

 手始めにと、暗黒側の数騎がいるところを勢いで駆け抜けることにした。
 馬たるオレたち3人が息を合わせて走る。ダイゴの肩の上ではノブオが敵の騎手に向かって平手を繰り出した。
 「うおりゃ~!!!」
 「わ──うおっ……」
 ノブオの気迫に押された恰好の暗黒の1騎をまずは倒す。
 敵騎が密集していたので、つられて隣の1騎を道連れにする事を得た。

 「おっ、何するんだよ、おまえら!!! それ、仇討ち~!!」
 なんて叫びながら勢いをつけて向かってくる騎馬をひらりと交わすと、また1騎を倒すことに成功した。
 「なんだ、自爆かよ。張り合いねえなあ」
 リュウジは頬を上気させながら言う──きっとこういうのってリュウジの本能をかき立てるんだろう。あ、きっとオレも今、同じような顔色してるんだろうけど。

 「ハヤト、あっちがどうなってるか見えるか?」
 「あっち──ああ、ウチが苦戦してるかも」
 「よし、ダイゴ!! 方向転換だ。あの辺、ウチが密集してるあたりを加勢にいくぜ!!!」
 「押忍。ノブオ、いいな?」
 「了解っス!!!」
 
 そうして、オレたちは着実に敵の騎手を地面に倒していったんだ。
 「オウ、そこ!!! 後ろ来てるぜ、集中!!!」
 「おう、サンキュー、リュウジ。危なかった」
 「おおい、そっちチャンスだ! 行ける!!」
 「了解です、ハヤトさん。うおりゃ~!!!」
 なんて、リュウジとオレは声の限りに、見える範囲で周囲に言葉をかけながらの闘いだ。
 オレたちの騎馬の先導は専ら正面につくダイゴの裁量に任せて、リュウジはチームの勝利を冷静に考えている。そして、オレもそれに倣った。

 「ダイゴ、そろそろしかけるか?」
 時限まであとどれくらいだろう──体感ではそろそろ終了の合図がきてもいい頃ではと思った矢先に、リュウジの覚悟のこもった声がダイゴを呼んだ。
 「押忍──。だいぶ数が減ったので、見通しがよい。そうだな、今が勝負時かもしれん」
 「うん、ダイゴ。行こうか!!」
 ようやく──オレたちの待ち望んでいた勝負がついに訪れることになる。

 ダイゴの先導は、確実に着実に、暗黒一家の目の前にわが騎を導いた。
 もはや各校数騎ずつしか残っていないグラウンドは妙に殺伐としていて、対峙する2騎は互いに凄まじい気迫をぶつけ合っている。
 「ほう? よく残っていたなあ、リュウジよ?」
 「当然だろうが!!! 俺らが早々に倒されると思ったか?」
 「ふん。そうなったら楽だと思っていただけだ」
 
 真っ正面から向かい合ったコウヘイら暗黒一家の騎馬も、オレたちと同じように一番体格のいいゴンタが馬の正面だ。騎手はタカシ──先日自分が起こした騒動を思い出してか、すこし怯えた目の色でオレたちの顔を順に見ていた。
 「タカシよ。落ち着け。お前が鬼工の若いの如きに負けるとは思えんぞ、俺には」
 「総帥──」
 タカシの顔色なんて見えるはずのないコウヘイがこう口にする。
 さすがといったところか、手下の気持ちくらいは把握しているんだな。

 でも、それだったらウチのリュウジだって遜色ない。落ち着き払って顔の見えない位置のノブオに言った。
 「ノブオ。今のお前の気合いだったら何でもできるな?」
 「はい──兄貴、やれます」
 こちらも落ち着いたノブオの声が上から降ってくる。リュウジの声がノブオの気持ちを安定させたみたいだ。
 「よし、ダイゴ。行け──!!!」
 「押忍」
 受け答えの次の瞬間、オレたちの騎馬はコウヘイらの騎馬に向かっていった!!!


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コメント

なんて過激な!

ノブオいきなり平手ッ(笑)
私も高校生のとき背が小さいという理由だけで
騎馬の上にのりましたよ。ええ、もちろんすぐに落とされましてね・・・
今もそのときの傷がうっすらと膝に残ってるんですヨ。
苦い思い出・・・・・

>>ピノコさま

ええっ、女子でも騎馬戦?
すごいアツい高校だなあ(^^:)
じゃあ傷跡を見るたびに高校生時代を思い出すんだ~。
青春だなあ :*:・( ̄∀ ̄)・:*:

あ、わたしの膝に残っている傷跡は、小学生時代
の二人三脚の勲章ww
若すぎて思い出にもならないで~す!!!

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