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カッ飛ばせ!! 3

 「ゴラァ!! 鬼浜よ、いい度胸してんじゃねえか? 落とし前つけてもらおうか?」
 ドスの利いた声とともに現れたのは暗黒一家総帥・コウヘイ以下の馴染みの面々だった。
 隣りにハンゾウを従え、背後にはゴンタと──そしてゴンタの腕に抱えられて泡を吹いているタカシの姿。

 「あン? 何だとぅ?」
 唐突に凄まれて、リュウジは思わず眉を吊り上げて闘争ポーズをとる。
 「落とし前、って言ってるんだゴラァ!!!」

 やたらと怒り爆発の暗黒一家の面々は、明らかに試合の優劣への感情とは違う何かを剥き出しにして鬼浜側にやって来たようだ。

 「あわわわわ、あの、そんな落とし前って、健全な試合の最中に……」
 「ザコは黙ってろ」
 思わず、といった具合で言ったノブオがコウヘイに睨まれた。慌ててダイゴの後ろに逃げ込むように匿われる。

 「おい、いきなり来てザコはないだろ?」
 こう言ったオレには、コウヘイは一瞥をくれただけ。物騒にゴキゴキと指の関節を鳴らしている。

 「説明してもらおうじゃねえか」
 オレを制してリュウジがコウヘイの前に進み出る。ビッと胸を張り、威風堂々とした学ラン姿が見る者を圧倒する──もちろんコウヘイには通じるわけはないが。

 「ウチの可愛いタカシが痛い思いをさせられたって言っているんだ」
 応えたのはオレの個人的宿敵のハンゾウだった。

 どうやら森園主将の鋭い打球はタカシを急襲した、ということか。
 被害者のタカシは、未だゴンタの腕の中で朦朧としている様子だ。
 「オレのギター……」
 うわごとのように何やら呟いている。

 「ふん──事故じゃねえか。落とし前だと? 呆れるぜ」
 「いいから外へ出ろっつってんだろうがァ!!!」
 双方のリーダーが睨み合う。怒号があたりを揺るがす。
 「おう、望むところよ!!!」
 「って、おい、リュウ──」
 おいおい、それはヤバいだろ、とオレは慌てかけた。

 「と、言いたいところだがな。今はそれはできねえぜ」
 「ふん、怖じけたか?」
 「そんなんじゃねえ。こんなとこで騒ぎを起こせるわけねえ、って言ってンだよ、解らねえのかよ、ダボがあ!!!」
 腹の底から吐き出すリュウジの凄まじい怒号。

 見やると、グラウンドの野球部員たちもこちらの様子に気付いたようだ。
 そしてリュウジは息を吸い、大声で言い募った。
 「俺は今日は応援隊長を任されてンだよ。俺の部下達を放っといて外へなんか出られるわけねえだろ!!!」
 ──掛け値なしの漢気を迸らせるリュウジの姿が炎天下に凛々しい。
 
 「そうだそうだ~!!!」
 「リュウジさん、カッコイイ!!!」
 「暗黒、帰れっ!!!」
 リュウジの雄叫びに勇気づけられ、鬼浜の生徒たちは口々に加勢しはじめる。
 それを聞いてリュウジは腕組みを解かずにコウヘイを睨みながら、大きく頷いている。

 「はいはい、そういうわけでお引き取り願います」
 オレは皆の意見を代弁するためにリュウジの横へ進み出た。リュウジがオレの肩に手をおく。
 「チッ、虫けらどもが」
 まったく納得した様子はないまま、コウヘイは捨てぜりふを残して、仲間を促し立ち去った。ゴンタが低く唸っている。
 
 「コウヘイ!!!」
 肩をいからせた後ろ姿をリュウジが呼ぶ。コウヘイは振り向かずに足を止めた。
 「続きは試合が終わってからだ!!!」
 「ふん、お楽しみはお預けか」
 
 嗚呼、嵐はまだまだ続く予感だぜ。
 

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