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カッ飛ばせ!! 6

 打者・赤石の運んだ白球は、暗黒一家のタカシへ2度目の試練を与えていた。

 「おお、また狙い澄ましたかのように飛ぶもんだな」
 「ってリュウジ、感心してる場合じゃないような──」
 「そうっスよ、兄貴~~~、またヤツらこっち来ますよぅ」
 ノブオが泣きそうになっている。

 「ふん、来たらその時ってもんだぜ。それにさっきコウヘイとは漢同士の約束をしたじゃねえか、なあハヤト?」
 「はい?」
 「決着は試合が終わってからだ、って」
 さすが正義一貫がモットーだけある発言だ。リュウジはこういうところ純粋なのだ。

 「確かに、まだ敵陣に動きはないようだな」
 「そうだろう? ダイゴ。オラ、お前ら、ここが最後の踏ん張り所じゃねえか!!! 気合い入れ直してけや!!!」
 「押忍!」

 オレやノブオの心配をよそに、リュウジの言ったとおり試合終了まで暗黒一家が騒ぎを起こすことはなかった。
 ただ、気付いたときには敵陣応援席から暗黒一家の姿は忽然と消えていた。
 「病院でも行ったのか──?」
 そんなオレの独り言は、やにわに起こった歓声にかき消された!!!

 タカシにファウルボールを命中させた赤石は、今度こそ打球を三遊間へ運んだのだ。

 「おおおおお、~~~!」
 「やったぜ、赤石!!」
 「これはいけるぜっ!」
 「いいぞいいぞ~~~!!!」
 もはや鬼浜応援席は怒号のるつぼと化していた。

 「よっしゃあ!!! 燃えてきたぜ、なあハヤト!」
 日やけと興奮でますます頬を上気させて、リュウジは拳を突き上げた。
 「ああ。勝負どころには強いな、ウチは」
 「当然!」
 
 1アウト1、3塁──3回に得点したときとそっくりのシチュエーション。一本出ればヒーローという絶好の機会を逃すような男では森園主将はなかった。 
 颯爽と打席に入る森園主将の姿は、どこか艶やかですらあった。
 
 初球。森園主将は軽々とバットをかまえ、迷わずに風のようにスイングし──

 「うおおおおおおお!!!」
 「モリゾノ! モリゾノ!」
 「鬼工、天下無敵!!!」

 演出の天才だ、森園という男は。
 追い風にのせるといった恰好で白球をバットから放つ。
 そしてそれがサヨナラホームラン。

 「やったあ!!!」
 割れんばかりの歓声の中、誰よりもうれしそうな顔のリュウジがオレに飛びついてきた。
 「ああ、最高だぜ!」
 オレは応えて、リュウジと肩を組んだ。
 「あにぎ~~~、よがったっス~~~」
 ノブオは涙声だし。
 「南無……」
 ダイゴは懐から数珠を取り出して何かに拝礼しているし。
 ああ、なんという充足感──こういうのって純粋に感動するね。

 試合終了のグラウンドでは、両校選手たちが握手を交わしている。
 何かにつけて因縁の鬼浜工業と暗黒水産だが、野球部員たちの表情はすがすがしい。
 応援席では、誰も彼もがリュウジに握手をせがみに来る。
 どの顔もうれしそうで、オレもうれしくて。
 だから、忘れていたのだ。

 ──「続きは試合が終わってからだ!!!」
 ──「ふん、お楽しみはお預けか」
 この決着をつけるのはこれからだということを。
 

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コメント

試合終了ですね・・・

サヨナラHRおめでとう!
さて、試合終了ですね・・・
このあとどうなるのか・・・
ドキドキですよぉ!!

勝ちました!!!

Tohkoさま
応援ありがとうございました!!!
いや~、勝ちましたねえ、鬼工野球部。
でもリュウジ団長、かなりいかつい感じですよねww




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