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歌と和弦の日々 1-1


 秋も深まったこの時期、この時間。
 見上げれば夜空に貼り付いているのは冬の星座の並びだった。って、オレも有名なオリオン座くらいしかわかんないんだけど。

 ここは夜の鬼浜駅前だ。オレたちはいま、歌声に聴き入っているところ。
 男声にしては高音域の、むしろハスキーな女声に近い歌声が夜の空気を彩っていた。どことなく甘えるような、それでいてしっかり芯のある耳にやさしい声。
 それに絡み合うように奏でられるギターの音色。ときに主役を歌に譲り、息の合間を縫って和音を主張している。
 歌声の主は、性別は男子、心は乙女で知られる鬼工のアイドル・千晶ちゃん。それにギターを添えているのは、同級で野球部の玉城だ。
 放課後、夜に駅前で歌うから暇だったら来てね、って千晶ちゃんに誘われた。だからオレたちは4人して駆けつけたんだ。

 千晶ちゃんの歌を聴くのは初めて──いや、遊びで歌っているのは聴いたことあるけど──のオレたちは、正直言って驚いていた。
 とんでもなくいい声だったもんだから。
 夜はもうかなり冷えるんだけど、千晶ちゃんの歌声はのびやかであたたかにアスファルトに響いていた。

 自作とおぼしき曲を8曲ほど歌った千晶ちゃんは、いつしか取り巻いていたオレたちを除いて10人くらいの聴衆たちに向かってお辞儀した。共演の玉城もそれに倣う。
 これがステージのはねた合図なんだと理解して、オレたちはようやく千晶ちゃんに声をかけたんだ。

 「来てくれてありがと。みんな」
 「いや。こっちこそお招きありがとうな、千晶ちゃん」
 どちらからともなく、リュウジと千晶ちゃんは握手していた。
 「千晶センパイ、すっごくステキでしたよ~。ねえ、ダイゴさん?」
 「押忍。寒いなかで歌うのは大変だろうに。いい声だった」
 「あは、ありがとね。ノブオくん。ダイゴ」
 さらりと前髪を掻き上げて、千晶ちゃんは微笑んだ。
 
 「あ、玉城。おつかれさま」
 「うん、ハヤト。寒いとね、手がかじかむよ」
 そう言って玉城は両手を擦りあわせている。小柄で人なつこい独特な表情をもつ玉城はもともと演劇部出身で、いまは何故か野球部の一塁手。ギターを弾けるっていうのはオレたちも今日まで知らなかったんだ。
 「曲とか、玉城がつくったの?」
 「え~と、半々かな。千晶ちゃんが作ったのと僕のと。詞はぜんぶ千晶ちゃんだけどね」
 「へえ。特技があるってかっこいいな」
 「そうかい? ハヤト」
 なんて話していたら、千晶ちゃんが話に加わった。
 「あのね、玉城くんはもともとピアノが本業なんだよ。ハヤト」
 「あ、そうか。聞いたことあったな」
 ちらりと玉城を見たら笑ってこくりと頷いた。
 幼少時代に通ったピアノ教室で、コウヘイとタカシが一緒だったって前に聞いたのを思い出したんだ。
 
 「ほんとはピアノ弾きたいんだけどね。でもギターはこういうのには必須だから。僕がピアノで、別のギターが仲間に加わったら最強だねって千晶ちゃんとも。ね?」
 「そうね。ギターと鍵盤と歌って構成にしたいかな。今度ライブハウスでやることになってるから、その時にはそうしたいの。ね、リュウジ。だれか知り合いでギター弾ける人っていないの?」
 千晶ちゃんがそう言ってリュウジに視線を投げかけた。
 「うん? ギターなあ。少なくとも俺には無理だぜ」
 「あはははは。期待してないって、リュウジには」
 「……そうかよ!!」
 わはははは、なんて一同で笑ってみる。
 そうだった。リュウジ、音楽センスは今ひとつなんだ。リズム感は悪くないんだけど、悲しいメロディの歌を長調に変えてしまう漢として名を馳せているわけで。



テーマ : パチスロ - ジャンル : ギャンブル

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コメント

ふふふ・・・

私知ってるよ。ギター好きなヤツ。
もしかしてアイツなんじゃないのぉ・・・・?
ふふふ・・。

あー違うかなぁ??

>>ピノコさま

ふふふふふっ。

だ~れだろなww

ほらね~。1話2分割だと、こんなことになるわけよ~。
ええと、明日をお楽しみに (*^ー^)ノ

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