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歌と和弦の日々 4-2


 当たり前のようにオレたちの前に立ちはだかるコウヘイら暗黒一家。
 コウヘイに名指しで問われたオレは応える。
 「別に油売ってるつもりなんかないけど? どういう意味だ?」
 「ふん。まあ別に構わねえがな。貴様がどこで何をしていようと」
 コウヘイはなんだか意味不明な言葉をオレへと投げた。
 よく見れば暗黒一家の本日の構成は、コウヘイとハンゾウ、それにゴンタの3人きりだった。何か違うと思ったら今日はタカシがいないんだ。
 
 強い視線を絡め合うオレとコウヘイの間にリュウジが割って入る。
 「手前には関係ねえだろ、コウヘイ。ウチのハヤトは自分の思うとおりに行動する男だぜ。それだけの自信と度胸がある証だ。それに何の文句があるんだ?」
 「別に何も」
 「だったら何で俺たちの行く手の邪魔ばっかりするんだ?」
 リュウジは腹の底から声を響かせる。両手はぎっちり拳を握っていた。

 「オラ、答えろや、コウヘイ!!! 何でもねえなら呼び止めねえだろ?」
 「何でもねえと言っている。それとも、貴様のほうから昨日の続きを望むのか?」
 にやりとコウヘイは笑いを顔に浮かべた。
 リュウジはいつもと逆の、右の頬に貼った絆創膏を無意識のように撫でている。
 昨日の続きとコウヘイは言った。
 リュウジは詳しいことは言わなかったけれど、やっぱり昨夜はコウヘイと揉めたようだ。
 オレの知らないところでリュウジがコウヘイと闘って、しかも手傷を負うなんて今までなかった。そのこと自体に、オレは腹が立つわけで。

 「リュウジ。オレが行く」
 リュウジの肩を叩いてオレが一歩前へ出た。
 「ああ? 貴様が出るのか、特攻隊長。ならばハンゾウ、行くか?」
 「……それも悪くない」
 オレの顔を薄く笑いながら見ているふたり──暗黒の総帥と特攻隊長。
 奴らを強く見返しながら、オレはマシンに戻りかけた。

 けど──
 「オイ、ハヤト。お前が行ってどうするつもりだ? 理由もなく闘うなんて俺は許さねえからな!!!」
 リュウジの怒号がオレの耳をつんざいた。オレも強い語気でリュウジに言い返す。
 「理由? あるさ。昨夜リュウジはひとりでいるときに暗黒一家にヤられたんだろ? そんな卑怯なことってないじゃないか!!! オレは怒ってる」
 「ハヤト!!! お前、冷静になれや」
 「冷静? オレ、ちゃんと冷静だ。だから真っ当に怒ってるんだ」
 「いくらハヤトでも勝手な真似は許さねえぞ!!!」
 リュウジがいきなり握った拳を開いて──平手でオレの頬をしたたかに打った。

 「────っ……」
 一瞬目の前が暗くなる感じ。そんな中で聞くリュウジの声。
 「お前、そんな場合じゃねえだろ? 今もし怪我でもしたらどうすんだ!!! どうかしてるぜ。ハヤトが喧嘩っ早くてどうすんだよ。らしくもねえ」
 「あ──」
 やっと頭が冷えた。そうだね、リュウジの言うとおりだ。
 オレは今そんな場合じゃない。確かに。反省しきりに目を開いてリュウジを見た。
 
 「ふん。内輪揉めなぞ見たところで面白くもねえ。さっさと……」
 コウヘイが苛つくのを途中で遮って、リュウジが決然と言い放つ。
 「いや、ハヤトは出ねえ。今日は誰も出ねえからな、コウヘイ!!! 昨日はあれで気が済んだんだろ? だったらもう放っておけや。ほかにに用もねえようだし」
 リュウジはいかにも機嫌悪そうに単車に戻ってシートに跨った。
 目でオレたちを促して──そしてオレたちはリュウジに従わないわけにはいかなくて。

 オレたちはそれからふたたび走り出した。海からの風は強かったけれど、オレはリュウジの平手を喰らった頬に熱さを感じていて。だからちっとも寒くなかったんだ。
 

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