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カッ飛ばせ!! 8

 「何だ何だ、だらしねえなあ、リュウジ」
 あっけない幕切れに、コウヘイは満足していない様子がありありと見て取れる。

 「コウヘイよ、気は……済んだか?」
 リュウジの切れた唇から血がにじんでいる。
 「ふん、情けねえ。天下の鬼浜の総隊長がこの程度だとはな」
 「……」
 リュウジは何も答えない。

 「もう少し骨のある奴と戦いたいもんだ。なあ、お前等?」
 「フンガー!!!」
 「こんななら、タカシでも勝てたんじゃねえか?」
 「え、そうっスか?」
 「仕返しさせてやりゃよかったな。その腫れた頬のよ」
 「……」
 立ち上がろうともせず、リュウジは暗黒一家のやりとりを無言で聞いていた。
 ただ、握った拳に力が入りまくっていたのをオレは見た。
 
 「兄貴……っ」
 オレは興奮して何か言いたそうなノブオの肩を押さえこむ。そして言った。
 「さあ、暗黒一家よ。決着はついたぜ。今日はオレたちの完敗だ。リーダー同士のタイマン勝負、それが仁義だろ?」
 「フン、吠えてやがる」
 言ったハンゾウを睨み、オレは呼吸を整える。

 「まあいいだろう。今日のところはこれで勘弁してやる。鰯みてえな隊長以下のザコをヤったって面白くも何ともねえからな。おい、行くぜお前等」
 倒れたリュウジに向かって唾棄しつつ、コウヘイは低く言葉を吐く。
 そして、手下を促して河川敷を後にした──

 「あ、兄貴~~~!!!」
 「リュウジ!!」
 「大丈夫か?」
 コウヘイ達が遠ざかると、オレたちはリュウジのもとへと駆け寄った。
 「どうしちゃったんスか? あんな、一方的に……」
 「おう、ノブ……いてっ」
 鳩尾を押さえながらリュウジは苦しそうに笑っている。
 「お前たち、よくやったぜ。ありがとな」
 「え?」
 「余計なことしないでくれたから助かったぜ──つっ!!!」
 「痛むか? リュウジ」
 「いや、平気だ、ダイゴ。慣れてる」
 ようやく身を起こして、リュウジは砂利にあぐらをかいた。

 「リュウジ、わざと反撃しなかったんだろ?」
 「まあ、そんなとこだ、ハヤト」
 「ええっ、どうしてです?」
 純粋に不思議がるノブオに、リュウジは無理に作った笑顔を見せた。

 「ノブオ。リュウジはな、喧嘩したんじゃないんだ。ただコウヘイに一方的に襲われただけ」
 「だから、どうして、ハヤトさん!!!」
 「だって、今日は勝っただろ? 鬼工野球部」
 「ノブオよ、うちの野球部には次の試合があるってことだ」
 ダイゴが落ち着いた声でそう言うと──ようやくノブオはわかったようだ。
 「あ──そうか」
 「誰が見たって、あれは喧嘩じゃないだろ。喧嘩だったら両成敗で野球部も処分されるかもしれんが、やられるだけなら仮に人に見られても問題ないってこと」

 「まあ、でも、タイマン宣言聞かれてたらヤバいけどな」
 痛む箇所をさすりながら、リュウジが言った。ようやくすこし声に生気がもどっていた。
 「あんな汚ねえことも平気でしでかす、けっこうとんでもねえ奴らだが、ノブオも勝ってほしいだろ? 野球部に」
 「兄貴~~~!」
 感激したらしいノブオは、リュウジにすがりついて泣きじゃくっていた。
 「おい、だから痛えってば、ちょ、離せや、ノブオ!!!」
 「ううっ、ずびばぜん……」

 結局そういう漢なのだ──リュウジという奴は。
 ノブオじゃないけど実はオレもちょっと目頭が熱くなった。
 日が暮れていて助かったぜ。

 大丈夫だから、と断るリュウジを無理矢理ダイゴに背負わせて、オレたちは歩き出した。
 「さあ、次の試合の応援も気合い入れてくぜ!!!」
 「はは、リュウジ、タフだね」
 「当然!!!」
 ダイゴの背中で息巻くリュウジ。
 「でもって次はタイマンも負けねえぜ!!!」
 「それ、誰かに聞かれるとまずいのでは?」
 「あ、いけね」
 「ダイゴ、鋭い!」
 「もう、兄貴~」
 しばし4人で笑ってみた。負けはしたけど、誰もが天下無敵な気分だった。

 「なあダイゴ。このまま家まで送ってもらえるか?」
 「もちろん」
 「じゃあ今日は店でラーメン食ってけな」
 「うわ~い、やったあ!!!」
 「ごっつあんです」
 夜の蝉がどこかで鳴いている。
 そしてオレたちは、校歌なんか唄いながら町へと向かっていったのだ。
 

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コメント

漢!!!!

そんなヤンキー言葉がダイスキですw

ハヤトもダイゴも素敵!もちろんリュウジも☆
イッコ下のノブオにはまだふか~いところは理解できないかもしれませんねwww

負けてもx2リュウジを応援し続けます!!

そうきましたかー

手を出さなかったリュウジはエライ!漢だわ~!
だって、鬼浜の野球部員が悪いんですもんねぇ。
スポーツマンシップにのっとってないわ!

でもそんな野球部の彼らにさえ
何も言わないリュウジって・・ホント素敵!惚れるッ!
今度鬼浜町でぶつかったら
私から告白しちゃおッ!

数日ぶりに鬼浜打ちましたが
やっぱりウチのハヤトは弱かった・・・もうダメ・・・
しっかりしてよぅ。

Tohkoさま

愛あるコメントを、どうもありがとうございます♪

>負けてもx2リュウジを応援し続けます!!
お~、もう同志です!!!
でも、そんなふうに思うと、わたしみたいにお小遣いのすべてをリュウジに貢いじゃうので気を付けましょう。だはは。

むしろ、ノブオのほうがやるときはやるような気が……(汗) 若さにまかせてwww

ピノコさま

リュウジを褒めてくださってどうもありがとうございます♪

>今度鬼浜町でぶつかったら
>私から告白しちゃおッ!
わはは、それはいい考えですね!!! そしたらいつも「愛羅武優」ですもんねえ。
つーか、わたしもぶつかりたいですwww

ちなみにリュウジは情に厚いので、野球部も自分の部下同様愛しているみたいです。

あ、ハヤトは「次は頑張る」って言ってます。

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