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歌と和弦の日々 9-2


 「リュウジ。ここはいいから。これはオレとコウちゃんとタカシの問題だから」
 すでに熱くなっているリュウジの前で、両手を広げて玉城が言った。
 「ちゃんと冷静に話せるだろ? コウちゃん」
 「ふん。どうだかな。貴様のところの総隊長が邪魔をしないのならば考えるが」
 「──何だと、コウヘイ……」
 奥歯を噛み締めるような表情で、リュウジは低い声を絞り出す。
 
 「本当は、俺はもう昔のことなどどうでも構わん。おそらくタカシもそうだろう。玉城のピアノにタカシらの音楽が合うとも思わねえし」
 「だったら何でそんな、昔のことを持ち出してつっかかってくるんだ?」
 「お前は黙ってろ、ハヤト」
 つい黙っていられなくて口を出したけど──リュウジに止められた。
 「コウヘイは面白くねえだけだ。自分らの仲間だった玉城が、よりによってウチの特攻隊長と組むことが。逆恨みもいいとこだぜ」
 「余計な口を挟む気か、リュウジ。それが何を意味するか、わからん貴様ではあるまい?」
 「おう。充分承知だぜ。本番も終わったことだしな。いつハヤトに手を出されるかと肝を冷やしてたからな、俺は」
 言い放って、リュウジは熱意を込めてコウヘイを睨んだ。きつく拳を握っている。
 そうだったのか──オレ、コウヘイに狙われていたんだな。
 リュウジがそう言ったので、今さらながらに思い至った。
 それでリュウジは練習期間から今日まで、やけにオレにつきっきりだったのか。

 「ふん。それは上等じゃねえか、リュウジよ。俺等の本番はここからだな?」
 「当然!!! 移動しようぜ、コウヘイ。少なくとも俺らの舞台はここじゃねえ」
 「ちょ──リュウジ……」
 オレは慌ててリュウジの激した背中に声をぶつける。
 「黙ってろって言ってるだろうが!!! 俺はコウへイにハヤトを舐められてずっと納得できなかったんだぜ?」
 リュウジの怒りの原因はそこか──仲間思いな総隊長がにらみ付けているのは、後輩思いの敵の総帥。
 「でも今日はやめとこう、リュウジ。オレは何ともないから」
 「ハヤトの言うとおりだ。今日の主役はリュウジでもコウヘイでもなかろう?」
 「うるせえ!!! これがやらずにいられると思うのか?」
 オレやダイゴの言葉は、リュウジに一喝されて空気に凍り付く。

 「そもそも悔しくねえのかよ、ハヤト!!! お前、コウヘイに馬鹿にされてんだぜ?」
 「別にオレは悔しくなんかない」
 リュウジの激情を見て、オレはつとめて冷静に答えた。
 「だって、オレはタカシにはギターでは敵わないと思うから。足許にも及ばないからね」
 「ハヤト!!!」
 「舐められるのも当たり前だよ。玉城のピアノにはもったいないから。オレの腕前」
 「ふん。弁えてるじゃねえか? 特攻隊長」
 「ああ。それくらいはね」
 背後からかかるコウヘイの声に、オレは振り向かないで言い返す。
 「だからそれが納得いかねえってんだ!!! 自分から屈してどうする気なんだ? 俺はちっともタカシに負けてるなんて思わなかったぜ?」
 「あっはっは。リュウジ。貴様の耳はどうなっていやがるんだ?」
 「何──だと?」
 珍しいことに、コウへイは声をあげて笑った。それが確実に、リュウジの逆鱗に触れたらしかった。

 「覚悟しやがれ、コウヘイ!!!」
 言いざま、リュウジは身構えた。
 嗚呼──場所を移すことすらしないまま、ここで事を起こす気なのか!!!
 「馬鹿、リュウジやめろ!!!」
 オレは慌ててリュウジの背後に回って羽交い締めにしようと試みる。
 だって、こんなとこで喧嘩なんかしたら、玉城たちが次からここで演奏できなくなっちゃうんじゃないか?
 リュウジの力強い腕は、いとも簡単にオレの戒めなんか解いてしまいそうになる。
 「リュウジ、頼むから──」
 オレが泣きそうになりながらリュウジに言ったのと時を同じくして。



テーマ : パチスロ - ジャンル : ギャンブル

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コメント

もうーーッ!

コウヘイのバカ!リュウジのバカッ!
ったく、子供なんだからぁぁ!
そんなところでケンカ始めちゃダメだよぉぉ!
せっかく成功したライブが・・・

華丸さんからも言ってやってッ!

あちゃ~

こんばんわ、華丸様。
あ~も~
こんな所で何を始めるつもりなんだか2人とも。
熱くなると周りが見えなくなって困っちゃいますなぁ。
ハヤトの、タカシのと言いながら実は自分の為に怒ってますね?総長2人…
反省するよう良く言って聞かせてくださいね、華丸様(笑

>ピノコさま

>ったく、子供なんだからぁぁ!
>そんなところでケンカ始めちゃダメだよぉぉ!
ですな^^
ほんっとに若いってのは、想像を絶する、とか言って
みる。だはは。

でも、アホな子ほどかわいかったりするww
オヤゴコロ。なんちて。

>単savaさま

>ハヤトの、タカシのと言いながら実は自分の為に怒ってますね?総長2人…
だはははは。気付いちゃいましたね^^
うん。原因はなんでもいいみたいです。
ただねえ。この子たちがおとなしくなると、鬼浜町が
平和になりすぎるんですわ。
たまには、ほら。勝負してもらわないとww


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