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不器用な特攻隊長 2-1


 餃子やらチンゲンサイの炒め物やらを端からつつきながらの打ち上げの宴。オレたちは気安く会話を交わし合う。
 「そういえばみんな、何か楽器できたりしない? リュウジはおいといて。ノブオくんとかどう?」
 骨付きの鶏の唐揚げを片手に、千晶ちゃんがこう訊いた。ノブオが答えるより先にリュウジがひとこと入れてる。
 「オイ、俺は論外なのかよ!!!」
 「まあまあ。訊くだけムダってことでしょ?」
 「ちきしょう、玉城め……」
 あはは。うん、笑いも上質のスパイスだ。

 「オレはですね、千晶センパイ。自分で言うのも何ですけどね。口笛うまいっス」
 「ってノブオ。それは楽器じゃねえだろ?」
 「そうっスかね、兄貴。でも笛だし……。犬くらいは呼べますぜ。あと動物園に行ったときも結構便利っス」
 「ノブオ。ハヤトじゃねえんだから無理にとぼけなくてもいいんだぜ?」
 「え? オレかよ……」
 心外だなあ。みんな笑ってるのがさ。
 
 「じゃあダイゴは?」
 今度は玉城がダイゴに話を振る。
 「いや……楽器と言えるかわからんが、必要に駆られて木魚を叩くくらいか」
 「も、木魚って……ダイゴさん。うはは」
 「オイ!!! ダイゴまでそんなこと言うのか?」
 「そんなこととは? リュウジ」
 「だ~か~ら~、そういうのはハヤトに任せておけってのに」
 「それは済まん。俺は真剣に答えたつもりだったのだ」
 「なんだ。みんな一緒じゃん。やっぱりいいよな、仲間って」
 そう言ったら、意味不明にリュウジがオレの額をぺしっと叩いた。
 なんだよ、結局リュウジはオレに突っ込みを入れたいだけじゃん。

 「で? 昨日は千晶ちゃんはどこ行ってたんだ?」
 一段落したあと、つと思い出したようにリュウジは千晶ちゃんにこう尋ねた。
 昨日ライブを終えた直後、千晶ちゃんは名刺を持った大人の女の人についてどこかへ行ったんだった。
 「ああ。うん。ちょっとね。悪くない話をもらって」
 ふわりと髪を掻き上げながら、千晶ちゃんは先を続けた。
 「さっき電話で玉城くんには話したんだけどね。きのうの人、芸能関係っていうの? そういう人だったの」
 「芸能──?」
 「うん」
 すこし照れたように千晶ちゃんはリュウジに頷いた。

 「うちのプロダクションに所属している子でギターできる女の子がいるから一緒にやってみませんか、って。そういうお誘い」
 「えええ!!! ってことは千晶ちゃん……」
 「千晶センパイ、それって──!!!」
 「何というか、大きい話のようだな」
 聞かされたオレたちは、揃っておろどいて口をぽかんと開けている。

 「そうか。でも千晶ちゃんっていろいろレッスンとか通ってるんだったよね? 将来はそっちの道へ行きたいってこと?」
 「うん、ハヤト。まあね、少しは考えてたんだ」
 「それじゃあ本当にいい話なんだ」
 オレはなんとなく──肩の荷がおりたような気がしてた。
 「でもよう、千晶ちゃん。その女の人って怪しい感じじゃなかったか? 気を付けたほうがいいんじゃねえの?」
 「あ、それは平気だと思うよ、リュウジ。名刺に書いてあったのは聞いたことのある社名だったし」
 「だったらなおさらスゴイっスね、千晶センパイ……」
 「どうなんだろうね。まだよくわかんないけど」
 千晶ちゃんはいきいきとした顔をしていた。
 まるでリュウジが勝負に勝ったときに見せるような、そんな表情。

 「で、さっきその人と、そこに所属してるギターの弾ける女の子に会ってきたとこ」
 「それで、その子はどうだった?」
 玉城が真剣な表情で千晶ちゃんに訊く。
 「うん。話も合うし、うちらのユニット形態にも興味ありそうだった。本人の見た目は色白でちっこくて、かわいい感じの娘だったな」
 「へ~。弾けそう? 普通に」
 「あ、ビデオ見せてもらった。テクはぜんぜんOK」
 「それはよかった」
 千晶ちゃんと玉城は、本当に熱意のこもった表情で話し合ってる。オレたちが入り混むスキなんか皆無な感じで。
 「とにかく一度、音あわせしてみようって相談して帰ってきたんだ。今度の日曜、玉城くん空いてる?」
 「ええと……うん。午後ならいける。昼まで野球部練習だからね」
 「了解。じゃあ午後で連絡しとくね。ハヤトは? 日曜、どう?」
 「え──オレ?」


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