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秋も夜露死苦ぅ!! 2

 「ところで森園よ」
 考えながら、といった雰囲気でリュウジが口を開いた。
 「何? リュウジ」
 「こないだから思ってたんだが」
 ん? と森園主将は首を傾げた。
 「暗黒戦での威嚇作戦といい、それを成功させる手腕といい、また今日は3年生主体の本命校に食らいついていくあたり──お前は優れた策士だと俺は思う」
 「ふっふっふ、光栄だね。褒めていただいて。でも珍しいね、総隊長殿はどうした風の吹き回し?」
 訊ねるように、森園主将はオレを見た。

 「リュウジは無駄にお世辞言える漢じゃないさ」
 「当然。世辞など言うもんか」
 「それはどうも」
 森園主将は優雅に頭を下げた。
 「それで、相談なんだがな」
 リュウジは腕組みを解かずに森園主将を見据えている。

 「森園、お前、鬼浜爆走愚連隊の参謀になる気はねえか?」
 「ええっ?」
 「何だって?」
 森園主将とオレは同時に声をあげた。それへリュウジは冷静に応える。
 「お前の作戦力がウチの機動力に加われば、俺たちは真の天下無敵を唱えられるようになると思うんだが」

 確かに言える──オレはそう思った。
 今の俺たちが行き当たりばったりとは言わないが、天下をとるには時には奇策も必要なのだろう。

 けれども森園主将は即座に答えたのだ。
 「いや、ムリだなそれは。悪いけど」
 「そうか──そうだよな。スポーツマンだもんな、森園は。喧嘩なんて似合わねえよな」
 仕方なさそうにリュウジが言う。断られると予想はしていたんだろう。

 「うん。それもあるけどね。それだけじゃない」
 「だけじゃない──ほかの理由とは?」
 「聞きたい? なら言うけどさ」
 上目遣いでリュウジの様子を窺いながら森園主将は言ったのだ。

 「不良ってモテないだろ? 女の子に」
 「──っ!!!」
 ……嗚呼、これを聞いたときのリュウジの放心した顔ときたら。
 それは触れてはいけないリュウジの秘かな悩みだと、オレは知っていたけれど。

 「とにかく秋の大会のときも頼むよ、リュウジ」
 「……オウ」
 「ふふふ、元気出せよ。そのうちいい娘が見つかるって」
 「…………オウ」
 労いに来て慰められている我らが総隊長。背中に寂しい感じが漂っている。
 ヤバいな。リュウジはこの手の話には海より深く沈むのだ。

 「元気出せよな、リュウジ。不良でも大丈夫だって。相棒さんは結構もてるらしいし」
 「え? オレ? いや、そんなでも……」
 急に振られてオレは慌てた。マズい、それは禁句っぽい。
 「ふん。知らねえもん。ハヤトなんてさ」
 「うわ、そんなことないってば、リュウジ」
 「いいよ、もう」
 下唇をつきだしたいじけ顔のリュウジ。まるでガキだな。

 「まあ、とにかくまたよろしくな」
 とにかく握手を交わして、森園主将がリュウジの肩を叩いて言った。それを聞くなりリュウジの表情が変わる。
 「森園! そんなんじゃ気合いが足りねえぞ! 夜露死苦ぅ!! だろ?」
 「ふふふ、わかった。じゃあ夜露死苦ぅ!!」
 「夜露死苦ぅ!!」
 野球部員のすべても森園主将に倣って応えた。
 ようやくリュウジの機嫌がすこし上向いたみたいだった。

 「じゃあ、また」
 そう言って立ち去り際、リュウジに森園主将が言った。
 「ああ。生憎俺は不良にはなれないが、お前にはいい相棒がいる。大事にしろよ」
 「そうだな。ハヤトは俺の大事な右腕だ」
 「だろう? 右腕は一本で充分さ」
 オレに笑いかける森園主将──なんだかくすぐったい気分だった。

 外に出たら、絶好調の晴天が続いていた。
 「さてと。重責を解かれたし、今夜はカッ飛ばすか? ハヤト」
 「OK! 行っとこうか」
 いきいきとした面持ちで言うリュウジにオレは応える。
 陽射しを浴びて、思いっきり伸びをした。

 「あ、ダイゴさん! 兄貴とハヤトさん出てきましたよ~」
 「押忍、お疲れっす」
 「おう、待たせたな。さあ今日はこれからカッ飛ばすぜ!!」
 まるでやんちゃ坊主の顔でリュウジが言った。

 そんなリュウジを見て、オレは考えていた。
 リュウジが右腕と言ってくれることへの幸福感と重みとを。
 喧嘩は苦手だが、理論で勝ち方がわからないわけじゃない。
 実戦要員ではないけれど、森園主将を見習って、オレも作戦の立て方くらいは勉強しておこうかと。

 いつまでもリュウジの右腕でいたい──本気でそう思えた。

 野球部の秋の大会が始まるころには、オレも森園主将に負けないくらいの策士になってやるぜ。
 そんな思いに拳を固めて、オレはリュウジたちの後を追って駆けだした。
 

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コメント

そうそう

ハヤトって唯一モテる存在なんですよね!
なんかぁ、実は彼女とかいそう。
でも彼女と会うより、リュウジとの時間を
優先しちゃうの。で、彼女にいつも怒られてんの!
きゃはッ!高校生っていいなッ!

・・・・ヤバイ・・・かなり妄想入ってきた・・・現実逃避??

華丸さんの別宅発見!(今さら)
え?主婦?華丸さんって主婦なんですかぁー?

どうでしょう?

ハヤト、彼女いるのかなあ……?
でも、なんでリュウジはもてないんでしょうね(^^;)

鬼浜って原作がないからいろいろ想像とか妄想とか(笑)できる点がステキです!!!

別宅においでいただけたようで、うれしいです(^^)
華丸は主婦ですが、まったくそんな香りを発しておりません!!!
仕事が忙しい(残業上等!!)のをいいことに、まったく家では働きませんのよ。だはは。
妄想も忙しいから、もう大変でございます。

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