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矜持対決新春編 2-2


 「へえ、それはそれは」
 コウヘイの意外な言葉に思わず口をついて出た。そしたらコウヘイに睨まれた。
 「特攻隊長よ。貴様、冗談も通じねえのか?」
 「冗談──なのか。重ね重ね意外だね。まさかコウヘイが冗談なんて言うとは思ってなかった」
 「いい根性してんじゃねえか、ゴラァァァ!!!」
 正月気分の鬼浜町にも、やっぱりコウヘイの怒号が止むことはなかったようだ。
 「せっかくだから挨拶代わりに勝負してやろうか?」
 コウヘイの左を守るハンゾウがオレを見る。
 「ハヤト、ちょっと下がってろや」
 ついその気になって、OK──と言おうとしたところをリュウジに制された。

 「コウヘイ、挨拶ってのはそういうことなのか? だったらごめん被るぜ。俺たちはこう見えても忙しいんだ。またにしてくれ」
 「ふん。残念ながら俺等も暇なわけではない」
 言ってコウヘイは、革の上着の懐に手を入れた。
 そして何かを掴み出す。
 「俺等はこれを預かってきたのだ、鬼浜工業の者どもよ」
 コウヘイはリュウジに、懐から取り出したものを手渡した。
 それは折り畳んだ白い紙──表に筆で何かが書いてある。まさか年賀状ってこともないだろう。
 手にしたリュウジは、書き付けてある文字を読んだ。
 「果たし状──か」
 「言っておくが俺から貴様へ、ではねえぞ、リュウジよ。それは我が暗黒水産の佐藤先生から託されたものだ」
 「佐藤先生が──!!!」
 聞いたオレたちは素早く視線を交わしあった。
 「貴様が渡すべき相手は言うまでもねえよなあ、リュウジ?」
 リュウジは何も言わない。リュウジの背中を見ているだけのオレはこう予想する。
 おそらくリュウジは、強い目線でコウヘイを睨んでいるのだろう。コウヘイの面白がる様子でそれとわかる。

 「さて、俺等の用事は済んだな。お望みとあらば、心おきなく挨拶の一つや二つ貴様にしてやらんでもねえ。前哨戦とでもいくか?」
 「──オイ、ノブオ」
 振り向かないままリュウジが呼んだ。
 「は、はい、兄貴!!」
 「厨房行って塩持ってこいや!!」
 「了解っス!!!」
 ノブオが厨房に駆け込んだと見るや、コウヘイがにやりと笑ってこう言った。
 「塩などどうするというのだ?」
 「昔っからありがたくねえもんには塩を撒いて清めるってもんだぜ。なあ、ダイゴ?」
 「押忍」
 「ふん。貴様に呪われでもしたら敵わねえなあ、鬼浜寺の」
 格段に面白くなさそうな顔になったコウヘイが、ハンゾウを促した。
 「ハンゾウ、引き上げだ。つまらん土産はたくさんだからな」
 「了解、総帥。続きはまた今度だ」
 ハンゾウの最後の言葉は、オレへ向けられたものだった。
 オレは腕組みして、大きく頷いてコウヘイとハンゾウの背中を見送った。

 「あ、遅かったっスか、兄貴? ──これ」
 「オウ、ご苦労、ノブオ!! ダイゴ、頼んでもいいか?」
 「お安いご用」
 ノブオが厨房から持ってきた塩の盛られた小皿は、ダイゴの手に渡る。
 ダイゴはそれをつまんで玄関に向けて撒いた。
 念仏か何かを唱えながら──。


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