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矜持対決新春編 3-2

 そしてそれから、夕方近くまで試合前日の特訓は続いたんだ。
 赤ジャージとダイゴが幾度となく投げたり、投げられたりを繰り返す。
 そんな光景をリュウジとノブオ、それからオレは壁際に並んで座って見ていた。
 「でも、あれっスよ、ハヤトさん。赤ジャージ先生ね、前よりかずいぶん柔らかいっスよ。受け身とるときなんか」
 「ふうん。かなり練習してたもんね」
 「ハヤトもちっとは訓練つけたらどうだ? お前、体わりと堅いだろ?」
 「え、そうかな?」
 「わはははは。ハヤトさん、兄貴に特訓してもらうといいっスよ~。きっと喧嘩強くなるっス」
 「いや、オレ……今のままの自分が気に入ってるからいいや」
 「ほらな。そう来ると思ったぜ!!!」
 なんて小さく笑い交わしているところで、ダイゴが呼ぶ。
 「リュウジ、悪い。すこし手伝って欲しい」
 「オウ!!! 何でも言ってくれ」
 そしてリュウジは畳の中央へ行った。

 「先生はまず目で見て感じ取ってほしい」
 そう言ってから、ダイゴはリュウジと組む姿勢を作った。
 そして、赤ジャージとリュウジとふたりに教えるようにこう語る。
 「おそらく佐藤先生は背中を狙ってくるだろう──こういうふうに」
 と、ダイゴはリュウジの背中に手を回す。体格差と経験の差から、簡単に投げられそうだ。
 「そうきたらむしろ、こう応戦したほうが効果的かも知れん。リュウジ、俺の襟を持って引き付けてみてくれ」
 「ええと──こうか?」
 「そうだ。なるべくぎりぎりに引き付けて好機を狙う。ここぞという場面を体感したら仕掛けどころだ」
 組んでいるリュウジも、見ている赤ジャージも真剣な表情だ。
 ダイゴとリュウジの力が拮抗している。そうか。体格差があってもリュウジは闘いには慣れているから、それなりに勘はあるみたいだ。
 
 おそらくダイゴは教えるための力の込め方だったんだろう。
 しばらく組み合った末、リュウジが軽く腰を落としたかと思うと──
 「せいやーーーっ!!」
 気合いの咆吼もろとも、ダイゴの巨躯を投げた。
 さすがにダイゴは素早く受け身をとった。鮮やかな身のこなしだ。
 「どうだ? 先生、こんな感じだが」
 「わかった。襟だな。やってみよう」
 かくして今度は赤ジャージとダイゴが組むこととなる。

 「うわ、俺が柔道でダイゴを投げることなんてあるとは思わなかったぜ!!!」
 オレたちのそばへ戻って来ながら、すこしリュウジが感激しているのがおかしい。
 「すげえな。俺も鍛えてもらうかな」
 「あ、じゃあオレも!!! それからハヤトさんも、ね?」
 「え──いや……。でも、ちょっと気が変わったかも。オレがダイゴを投げたらかっこいいかな?」
 ……ええと、なんでふたりとも無言なんだ?

 その日の特訓は、赤ジャージのかなりの緊張感が生む好感触があったとダイゴが言っていた。
 決戦は明日、ここ鬼工の道場にて──
 駐輪場までみんなで並んで歩く間、張りつめた空気を想像して、オレもやにわに緊張してきた。
 「なんか、オレ、今日眠れないかもな……」
 思わず呟いたんだけど。
 「何か言ったか、ハヤト? 俺の聞き間違いか? まるで寝言みてえな台詞言ってたような気がするけど」
 「いや、寝言じゃないって!!! むしろ今夜は眠れないかもって言ったんだけど……」
 ……ええと、なんで3人とも無言なんだろ──。
 
 

テーマ : パチスロ - ジャンル : ギャンブル

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