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矜持対決新春編 6-1

 
 そのまま数日が流れて、ついに冬休みが終わる日になっている。
 赤ジャージの様子は、マキ姉さんを経由してリュウジからオレたちに時折伝えられている。
 今日もリュウジの招集で河川敷に集合したオレたち。集まるたびの挨拶代わりがこれだ。
 「リュウジ。あれから何かわかったのか?」
 「オウ、ダイゴ。今日はな、CTとかいうやつで調べたらしいんだが、そっちでも特に異常はなかったそうだぜ」
 「へえ。昨日の脳波測定もなんともなかったんっスよね?」
 「うん。そうだったよね、ノブオ」
 「ああ。だもんで、特におかしいところは見つからねえってことのようだ」
 「でも――相変わらず?」
 「みたいだな。マキ姉が見たところによると、自分の家にあった竹刀にも見覚えがねえって言うんだそうだ」
 「それは重症のようだな」
 「試しに外で振らせてみたらしいんだが、到底段持ちの素振りには見えなかったと」
 
 「一体どうしちゃったんっスかねえ。赤ジャージ先生」
 「さあね。病院でもわかんないんじゃね……」
 オレとノブオは肩をすくめ合う。
 「ほんの何か、きっかけがあれば記憶の引き出しの鍵が外れることもあるからって医者が言ってたらしい。マキ姉が言うにはな」
 「きっかけ、か。折良く明日から学校が始まるしな。休暇中よりはきっかけも多かろう」
 「そうっスね、ダイゴさん」
 「そしたら明日からまた俺らも忙しくなるってことだな!!! よし。じゃあ正月休みの締めくくりってことで行くか!!!」
 「おう!!!」
 リュウジの号令に唱和して、そしてオレたちはそれぞれ単車に跨った。
 今日は休日最後ってことで、ちょっと遠くまで走ってみる予定になっている。
 聞き慣れた4つのエンジン音が絡み合うのを感じるのが、やっぱり今年もオレの一番気持ちのいい瞬間になりそうだな、なんて思う。

 まだ日のあるうちの国道を走る。
 明日からはまた学校だから、平日のこんな贅沢な時間に大手を振って走れるのは今シーズンではひとまず今日が最後になる。
 海沿いの国道を東へ向かう。だいぶ先に見える半島までのツーリングだった。
 途中の、昼間でもうすら寒いような気がする、おばけが出るっていうトンネルを通ったとき。ダイゴを振り返ったらいやな顔をしてた。
 ダイゴには何か感じるものがあるのかも。よかったなあ、オレは。そういうの鈍感で。
 
 半島の突端はマグロで有名な漁港だ。さかな料理屋なんかが軒を連ねている。
 オレたちは、そのへんの適当なおみやげ屋に単車をとめて一休みすることにした。
 店内に入るなり、あったかさと食べ物のいい匂いがふわりとオレたちを包む。
 「お、なんかうまそうな匂いするな」
 「あれっスね、兄貴」
 「なに? ノブオ」
 「ほら。レジのとこっス。湯気が出てる」
 「何か蒸しているようだな」
 せいろの近くまで寄っていったら、お店の人が説明してくれた。
 匂いのもとは、ここらの名物だそうだ。肉まんに似たようなやつだけど、肉じゃなくてマグロが入ってるんだって。
 
 「へえ。そんなのあるんだな。珍しいぜ。食ってみるか!!!」
 なんてリュウジが言うのにみんなして乗って。
 ほかほかに蒸してあるマグロ入りまんじゅうは、ジューシーでおいしかった。
 夜に走る国道も確かにオレは好きだけど、こういうことが楽しくもある、昼間に走るのも悪くない。
 まあ――ほんとはオレたちの単車は目立つから、あんまり昼間向けじゃないけどね。


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