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矜持対決新春編 6-2


 オレたちには珍しく、そんなちょっとした昼間のツーリングを楽しんだあと。
 いつもの河川敷まで戻ってきたころにはすっかり夜になっていた。
 
 「さすがに混んだな、夕方の道路は。すり抜けも容易じゃなかったぜ」
 「それは仕方ないだろう。国道だしな」
 「でもオレ、走り足りない感じだな。せっかくならラストは思いっきり飛ばして締めたかったよ」
 「うはは。ハヤトさんらしいっスね~」
 「うん。そうかも。オレ、ちょっと休んだらもう一度走ろうかな。遅い時間に」
 別に誰を誘うでもなく、オレは思ったままを口にした。
 「おう、そうかハヤト!! そしたら俺もつきあうかな」
 「あ、兄貴がそうするならオレもっス!!!」
 「皆、そうするのか。ならば俺とて遅れをとるわけにはいかんな。今日は調子もよいし」
 なんだかんだみんな一緒だ。オレはちょっとうれしかった。

 「そしたら夜にもう一度集合にするか? それともうちでラーメンでも食うか?」
 「その選択肢があるんだ。そしたらオレは迷わずリュウジんとこだな」
 「俺もハヤトに賛成だ」
 「やった~!! 兄貴、オレはワンタン麺でお願いしま~っス!!」
 「よっしゃ!! じゃあそうしようぜ。ひとまず移動だな。夜の河川敷は冷えるって誰かさんが文句言い出す前にな」
 「……って、オレを見て言うことないじゃんか、リュウジ」
 「あ。ハヤトさんってば別の文句言ってますぜ、兄貴」
 「けれどハヤト、震えているのではないか?」
 「――確かに寒いけどさ」
 「ほらな。俺の思った通りだぜ!!! 特攻隊長が凍えないうちに動こう。あ~、それに赤ジャージのことも心配だからな。早いとこ帰って、マキ姉に電話しねえとまずいぜ」
 ああ、そうか。
 ちょっと楽しかったんでオレは不覚にもその心配事はすっ飛んでいたな……。
 微妙に反省しながら、オレはリュウジに頷いて愛車に戻った。

 外灯もろくにない河川敷。土手から下ってくる坂の近辺には多少はあるけれど、降りきってしまうとかなり暗い。夜は遠くの鉄橋を通り過ぎる電車の室内灯と、土手の上を通り過ぎる車のヘッドライトが主な照明器具だったりする。
 そのとき、そんなオレたちの目の前を明るくした光源があることに気づいた。
 そしてそれは、オレたちが出立の準備を整えると同時に、土手から続く坂を下りてきた。
 そう――明るさと一緒に、オレたちのマシンと変わらない爆音を連れて。
 
 「ほう。こんなところにいようとはな」
 オレたちは土手へ上がるところだった。けど、土手から下ってきた奴らが行く手を阻む。
 「こんなとこにいたらいけねえのか? コウヘイ!!」
 「ふん。いけねえとは言わねえがな。リュウジよ」
 ちょうど坂に差しかかるところで行き合うこととなったオレたちと暗黒一家。
 ぽつんとある外灯の青白い光を浴びて、リュウジとコウヘイは壮絶な睨み合いを仕掛けあっているのが見える。
 「こんなところで油を売っていてよいのかと俺は言っている」
 「別に油売ってるつもりなんかねえぜ!!! お前、何が言いたいんだ?」
 「貴様等の教師はもういいのか? まだおかしなままなんじゃねえのか?」
 ――ああ、そのことか。もしかしたらコウヘイは、赤ジャージのことを心配しているんだろうか。

 なんていうオレの思いは、次のコウヘイのひとことで打ち砕かれることになる。
 「我が暗黒の佐藤先生に楯突くからあのような結果になるのだ、貴様等のところの教師は。だいたいが情けねえということ。あれしき受け損ねるなぞ愚の骨頂ではないか?」
 「なん――だと? お前、赤ジャージを馬鹿にする気かよ!!!」
 なにやら笑いすら浮かべながらコウヘイは言い放つ。
 それを聞いてリュウジが黙っているはずがなかった。
 ――いや、リュウジだけじゃなくて。オレだってつい体を乗り出していた。
 両方の手のひらは、我知らず拳を作っている。



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