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矜持対決新春編 7-2 


 力の釣り合った同士の対決は、そう易々と決着するものではない。
 とは言え、今日のダイゴの気合いは壮絶な何かを秘めていた。
 赤ジャージにずっと稽古をつけていたダイゴ。その胸の内にコウヘイの言がどう突き刺さったのかはオレにだって想像できる。
 リュウジだって、オレやノブオだって面白いわけはない。けれどダイゴはおそらくもっともっと、口には出さないけれど納得いかないに違いない。

 「フン――ガァァァ!!!」
 そのとき、思い切り振りかぶったゴンタの拳がダイゴへまっすぐ向けられた。
 あ――まずい!!! オレは思わず声を出しそうになったけれども、当のダイゴはとても落ち着いて身を翻すことでやり過ごした。
 「うお……ッ」
 相手に衝撃をもたらすと信じて疑わなかった拳が宙を切る感覚に、ゴンタは体のバランスを崩した――よろりと膝を地面につきかける。

 ウェイトのあるゴンタはその分俊敏さに長けているわけではないのは予想通り。
 この隙をダイゴが狙わないはずがない。
 ゴンタが立ち上がるところを狙いすましたように、ダイゴが逆に腰を落とす。
 と、半身をゴンタの内懐に滑り込ませて同時にゴンタの着ていた革ジャケットの襟に手をかけた。
 「せーーーい!!!」
 腹の底からの声もろとも、ダイゴはゴンタの巨体を肩越しに投げた。
 ゴンタの巨躯が夜の冷えた地面にどうと倒れる。
 それは道場で見せるダイゴの勇姿さながらの鮮やかさだった。

 決着はついた。
 ゴンタは地面に背中をついたまま起きあがらなかった。
 「よっしゃ!! ダイゴよくやった!!」
 「押忍」
 リュウジは握った拳をぶつけ合う仕草をして、ダイゴの勝利を讃えた。
 ダイゴは白い息を弾ませて、額の汗をぬぐっている。

 「さあ、これでいいな? コウヘイ」
 リュウジは一歩コウヘイに近づいて、倒れたままのゴンタの体を見下ろすようにしてこう言った。
 「……ふん」
 「今日は俺らの勝ちだ。文句ねえな?」
 コウヘイは何も答えない。かわりに地面に唾を吐く。
 「赤ジャージを馬鹿にしたことを俺は許すわけにはいかねえぜ。腹の虫は治まらねえが、いいかコウヘイ。今度赤ジャージがお前らに姿を見せるときには必ず謝らせてやっからな!!! 覚えてやがれ」
 そう捨て台詞を残して、リュウジは自分の単車に戻ろうとした。

 だけど――
 「貴様――腹の虫が治まらねえってのはこっちの台詞だろうが!!!」
 突如としてコウヘイがリュウジの背中に向けて怒号を放った。
 「何だと?」
 「俺はなあ、貴様と一戦交えるのを楽しみにしていたのだ」
 不遜に笑うコウヘイを、水銀灯が照らしていた。
 「その必要があるのか? 今うちのダイゴがそっちの親衛隊長をのしたじゃねえか!! それで終了ってのが俺らの流儀だろう?」
 「流儀もへったくれもねえのが俺等ではねえか? 闘いたいときに闘う、以上だ」
 言いながら、コウヘイは手持ちの木刀を唸らせた。
 「かかってこいや、ゴラァァァ!!」
 嗚呼――いったいどうしたことだろう。
 いつにないコウヘイの粘り腰がリュウジの顔色を変えさせた。


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