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矜持対決新春編 8-1


 「そこまで言うなら今日は特別だぜ!!! 俺だってこのままじゃ寝覚め悪いしな。赤ジャージのためにも」
 ことの発端は記憶の混乱した赤ジャージを揶揄したコウヘイの言にリュウジが、それからダイゴが強く不快を示したこと。
 そこから続くダイゴとゴンタの喧嘩勝負はダイゴの勝ちでその場を締めたはずだったのに、コウヘイがリュウジに再戦を望んで、それをリュウジが結果的に受けたことになる。

 「結局、貴様も自分で闘うのが漢だと思うだろう?」
 にやり、と片方だけ唇の端をつり上げた横顔をコウヘイは見せる。半ばうれしそうでもあるかのように。
 「そしたら遠慮なく行くぜ!!」
 コウヘイを目で捉えつつそう声を響かせたリュウジは、すでにとっていた戦闘ポーズから素早く握った拳を容赦なくコウヘイに向けた。
 最初の一手、右の拳は避けられてしまったが、続けざまに繰り出した左がコウヘイに追い縋る。
 リュウジの攻撃はコウヘイの腹に突き刺さった。
 「ウ……」
 短く詰まった息を漏らしてリュウジを睨むコウヘイの目。凄まじいまでの強さを滲ませている。

 「効いたようだな」
 「――黙れ。私語は慎むがいい」
 言いも果てずにコウヘイは、握りしめていた木刀を構えなおす。
 冷えた外気を斬るようにして、振り下ろされたそれはまっすぐリュウジへと向かって軌跡を描いた。
 ちょうど続く攻撃を仕掛けようと一歩を前に出していたリュウジを木刀が襲う。乾いた音が辺りに響いた。
 「ぐ――っ」
 オレの位置からはよく見えなかったが、おそらく右肩から肘にかけて当たったんだろう――リュウジはそこを押さえて低く呻いた。
 
 「どうだ? 拳が握れねえだろう?」
 「うるせえ!!! 私語は慎めって言ったのはお前だろうが!!!」
 怒鳴りながら何度か手のひらを握って開いての動作をリュウジは見せる。痺れているのかもしれない。
 「――そんなもん、握れなくたって何とでもなるぜ」
 リュウジは声を張らずに低く言う。それが余計に凄味があった。そして。

 「オラ――ぁぁぁっ!!!」
 いっとき前の声音とは打って変わって、今度はよく通る声を響かせる。
 それとともにリュウジは、思い切り勢いをつけた平手打ちをコウヘイにかました。
 ばちん――とコウヘイの頬が鳴る。
 その威力というよりはリュウジのいつにない出方に、コウヘイは一瞬戸惑ったのかもしなかった。
 「貴様。馬鹿にするのも大概にしやがれ」
 「うるせえ!!! 黙って受けやがれってんだ」

 すでに闘いの発端が何だったかなんてどうでもよくなっているんだと思う。
 初めは互いの出方を窺うようにしながらだったリーダー同士の意地の対決は、そこから激しさを増した。
 コウヘイの木刀を交わしながら、おそらく右手の感覚が戻っただろうリュウジの拳が炸裂する。下から突き上げるような顎への一撃は鮮やかに決まった。
 さりとてコウヘイも受ける一方であるわけもなく、巧みに守りの薄いところを突いてくる。さすがに脛は庇いきれなかったようでリュウジが苦しんでいる。
 
 そこだけ空気の色が違うような闘いの場。
 と――リュウジが珍しい攻撃に出た。
 コウヘイの、木刀を握った手の甲に渾身の平手打ちを見舞ったんだ。
 「ウ……アっ」
 多分それは予期せぬ攻撃。短く叫んだコウヘイは手持ちの木刀を取り落とした。
 そしてそれは、何の因果かリュウジの足下近くまで転がっていったんだ。



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