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矜持対決新春編 8-2


 最初、リュウジはコウヘイの落とした木刀を蹴飛ばそうとしたように見えた。
 けれども不意に動きを止める。
 かと思うと、逆にそれを拾い上げた。

 「俺は武器は好きじゃねえから心得がねえけど、これは俺にも使えると思うか? コウヘイ」
 言って、リュウジは木刀の先を持ち主に向けた。
 「――知ったことか」
 絞り出すような低い声で答えると、コウヘイは唾棄する。
 
 リュウジは拾った武器を構えた。
 一歩を踏み出して――
 「せいやぁぁぁっ!!!」
 かけ声もろともコウヘイに殺到する。
 けれどもそれは空を切ったのみだった。逆の勢いを受けて、リュウジはすこしよろめいた。
 「貴様、無様な笑えねえ冗談は大概にし――」
 「リュウジ!!」
 そのとき、コウヘイが機嫌悪そうにリュウジを罵倒する言葉を吐くのに被さるように、土手の上から声がかかった。
 場を埋めていた一同は、リュウジとコウヘイも含めて声のほうに目をやった。
 
 土手の上の外灯にぼんやりと浮かんでいる姿。はっきりとしないけれど――声は聞き覚えのあるもので。
 そして声の主は、瞬時に土手を駆け下りてリュウジたちの戦闘の最中へ入っていった。
 「リュウジ、お前、そのような」
 「あ、赤ジャージ……か?」
 木刀を手にしたままのリュウジは、きまり悪そうに担任教師を見ていた。
 
 喧嘩などするなと諫められることを一同は予見していた。
 特にコウヘイは邪魔をするなと言わんばかりの目の色を赤ジャージに向けている。
 ところが、だ。
 「佐藤の教え子は、まあそれなりとして、お前のはそもそも構えがなっておらんのだ」
 そう言うなり、赤ジャージはリュウジの手に力なく握られているコウヘイの木刀をとったんだ。
 「握るときには左手小指に力を入れ、ほかは添える程度。右手はやんわりとと授業で教えただろう? いつもサボってばかりいるから様にならんのだ」
 「――え?」
 まったくの突然の成り行きに、オレたちは面食らっていた。
 そんなことにはお構いなしに赤ジャージは続ける。
 「ほら、こうする。お前の右手に力を入れすぎるから巧くさばけないのだ。加えて言うなら足も開きすぎている」
 「あ、赤ジャージ……お前」
 授業のときに見たことあるのと同じフォームで、赤ジャージはコウヘイの木刀を振り下ろした。
 そう――竹刀を扱うのと同じさばきでもって。

 「どうだ。俺は格好いいだろう? 俺から剣道を取ったら何も残らんとお前が言っていたように」
 さも自慢そうに赤ジャージは胸を張る。
 すでに闘いのことなんてそっちのけになっている状態のオレたちは、顔を見合わせた。
 「先生、思い出してたんだ。剣道のこと……」
 オレの言葉に疑問符を赤ジャージは投げかけた。
 「うん? 何だ? ハヤト」
 「ええと、先生、記憶は戻ってたんだな、って」
 「それはどういう……あっ!!!」


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