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風にのって鈴の音が 1-1



 やたらと風の強い日だ。
 それはよくある、いつも通りの放課後だった。
 教室でリュウジとオレが帰り支度をしてたらノブオが現れて。相次いでダイゴも来て。
 「兄貴、今日兄貴んとこ寄らせてもらっていいっスか?」
 「べつに構わねえけど、どうかしたか? ノブオ」
 「ええ。こないだの漫画の続き、貸してほしいんっスよ」
 「ああ、あれな。けっこう面白いだろ?」
 「最高っス~!!!」
 なんて、自称師弟同士はこんな会話をしてる。

 「ダイゴは? 今日は赤ジャージの稽古はないの?」
 「押忍、ハヤト。今日は職員会議だそうだ」
 「ってか赤ジャージ先生、今度は剣道対決なんっスよね? まだ柔道も稽古するんっスか?」
 「続行とのことだ。せっかくならば修めたいと言っておられた。これからの人生のために、と」
 「それってストイックだよね」
 「ハヤト、漢たるものそうあるべきだと思わねえか? あれで赤ジャージもなんだかんだ言って漢だったってことじゃねえか」
 「リュウジ。あれで、なんだかんだ、とはどういった意味合いだ?」
 突然オレたち4人の背後で呼びかける声がした。いつもよりも、あえて作ったような低い響きを伴って。

 「お? なんで赤ジャージがいるんだよ!!!」 
 オレたちは赤ジャージの拳骨が、リュウジのリーゼントをへこませてるのを見た。そして赤ジャージの勝ち誇った顔を。
 「自分の職場にいて何が悪いと言うのだ? 俺は忘れ物を取りに戻っただけだがな」
 「って、うわ、痛ぇってば……」
 「教師を甘く見た罰だ」
 リュウジの耳を思いっきり赤ジャージが引っ張ってる。
 「や、やめてください赤ジャージ先生……兄貴が、兄貴がぁぁぁ!!!」
 「わはははは。この程度で堪える輩ではなかろうが、お前の兄貴は」
 勝ち誇ったような顔を見せて、赤ジャージは教卓の脇に立てかけていた竹刀――忘れ物ってのはこれだったみたいだ――を取り上げてから教室を出て行った。
 
 「大丈夫っスか、兄貴ぃ~」
 「ったくなあ。あいつ、本当に手加減ねえよな、ノブオ。いつか思い知らせてやるぜ!!!」
 耳を押さえてリュウジが言った。
 「何を思い知らせてくれるんだ? リュウジよ」
 「お、まだいやがったのか!!! 姑息な真似するなあ、赤ジャージ」
 「リュウジ。口は災いの元ゆえ」
 「ダイゴが正解だ、リュウジ。ダイゴに教えてもらえ」
 「あはは。今日は先生のかわりにリュウジが稽古つけてもらうんだ。ダイゴに」
 「ハヤト!!! お前なあ」
 ――――!!! って、今度はオレがリュウジに拳骨いただいたよ。
 そうか。これが『口は災いの元』ってやつだ。
 ……オレは知ってたけどさ。その格言。

 さて、そんなよくある放課後の教室から4人で出て、今日はみんなで駅の方角へ向かった。
 いつもは校門を出て右と左に別れるんだけど、ノブオはリュウジの家に用があると言い、ダイゴも駅の向こうの本屋へ行くからと一緒に歩き出したんだ。
 「本屋か。俺もダイゴに付き合うかな。なんか新しいの仕入れるか」
 「んじゃオレも行くっス!! 兄貴って読書家っスよね。オレも見習わないとな」
 「あはは。ノブオ。リュウジが読書家って。漫画とか雑誌ばっかりじゃん。なあ、ダイゴ?」
 「ハヤト。だからそのようなことを言うとまた……」
 笑いながら振り返ると、ダイゴは心配そうな目でオレを見る。
 「あ、いけね。悪かったよリュウジ。そんな睨まなくてもいいじゃん……うわ、ごめんって!!!」
 「謝るくらいならしょうもないこと言うなや!!!」
 まあ、あながちハズレでもないから、なんて言いながら、リュウジはオレにふざけて向けた拳を引っ込めた。
 「じゃあオレも、たまにはリュウジを見習って読書でもしようかな」
 オレが言ったら、リュウジは満足そうに頷いたんだ。
 やれやれ。リュウジって単純だよな。って、これは心の中で呟いたよ。学習したからね。


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