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風にのって鈴の音が 1-2


 夕方の駅前の喧噪。
 電車の乗降客、人待ち顔で時計を気にする人。
 買い物袋を重そうに提げている若奥様ふうの人、団体でぶらぶら歩いてる制服姿の中学生。
 店先から聞こえてくる有線放送の音、電車の入ってくる音、すこし離れた踏切の警笛。
 いつもと変わらない日常がここにもあった。なんかこういうのって落ち着くよな。

 折から吹いている強い風に髪をなびかせなから、そんな駅前を通過して逆側へ出たオレたち。
 「なんか腹減らねえ?」
 「あ、そうっスね。なんか食いたいっスね」
 「押忍。俺もそう思っていた」
 「んじゃ寄ってくか。ハンバーガーでいいか?」
 「は~い!!! 兄貴」
 なんていう展開も、まったくもっていつもと一緒。

 そして――オレは見つけてしまう。
 こんな何の変哲もない平凡な日常のなかにいつもと違う、異質なことがらを。

 どちらかと言うと駅裏にあたるこちら側には、タクシーの待つロータリーがある。
 その外れに、ぽつんと出ている露店があるのに気がついたんだ。
 「あれ、なんか店が出てるな」
 「うん? どうかしたか? ハヤト」
 「ああ。ほら。あそこに店が出てる。珍しいよね」
 オレが見つけたその露店は、大きな敷物の上に商売品を並べているような店。
 遠くから見て、カラフルで賑々しい感じの雰囲気で――はっきり言ってあまり興味があるわけでもないのに、どうしたことかオレの目はそこに釘付けになってしまっている。

 「何かおもしろいもんでもあるかな?」
 オレを突き動かすものが何なのか、なんてぜんぜんわからなかった。
 ただ、とにかくそこを覗いてみたいっていう衝動に駆られて、オレは自然とそっちに足が向くのを止められなかった。
 「ああ、おい、ハヤト!!! どうしたんだよ。見てくのか?」
 「うん。ちょっとだけ。あ、みんな腹減ってるんだったら先に行ってていいよ。オレもあとで行くから」
 言うだけ言って、オレはとにかく露店に近づいていった。
 3人がどうするかなんてどうでもよかった。ただもう、いてもたってもいられなかったんだ。

 「――いらっしゃい」
 「あ。ども」
 色とりどりの商品に囲まれて、店番をしている男の人がオレを認めてそう言った。
 商品に負けないような派手な格好をした、丸いサングラスをかけてドレッドヘアのまったくもって年齢不詳、黙っていれば国籍さえも定かじゃない感じの人だ。
 「ちょっと見せてもらってもいいですか?」
 「どうぞ。ごゆっくり」
 店番の人は、言ったきりオレにはあまり構わずに手にしていた細工物のアクセサリーにラジオペンチを当てている。
 もしかしたらこれらの品々のいくつかは、この人が作ったものなのかもしれないな。

 並んでいたものたちは毛糸の帽子とかマフラー、それから外国風の衣類とか。それからやっぱり外国風の打楽器やら笛、またいろんな動物のぬいぐるみとか、銀の指輪とかピアスとかのアクセサリーなどなど。
 雑多な、少なくともオレの日々生活とはちっとも関係なさそうなものたちに、どういうわけかオレは目を奪われている。
 こういうものに興味があったことなんて今までなかったのに――我ながらちょっと不思議で。
 それらを眺めたり、手に取ったりしてたときだった。
 ――誰かの声に呼ばれたんだ。



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