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我が名にかけて 3-2

 「そんないきさつがあったんじゃ仕方ないよね、リュウジ」
 オレはノブオの頬に貼られた絆創膏を指でつつきながらリュウジに言った。
 「ああっ!!! 痛いっスよ、ハヤトさん。もう」
 小声で抗議するノブオは、そうしながらもリュウジの出方をおそるおそる窺っている。
 
 「まあ――そうだな。漢には退くべきところとぶっこむしかねえところってのがあるしな」
 リュウジがそうオレに答えると、ノブオは大きく吐息した。
 不機嫌そうなリュウジだったけれども、それはすでにひとりで喧嘩をしかけたノブオに対するものではなかったんだし。
 「その通りだな。ノブオにとっては絶対に退けるところではなかったろうな。リュウジの名が騙られることがどれだけ面白くなかったかと思えば、な」
 そう加勢してやりながら、ダイゴはリュウジに向かって頷いた。
 「兄貴――ダイゴさん」
 ノブオは従順な犬みたいな目でリュウジを見てる。その視線は次にダイゴを捉えて、オレにたどり着き、もう一度リュウジに戻った。
 「ノブオ」
 「は、はいっ、兄貴」
 「お前、無論勝ったんだろ?」
 「当たり前っス!!! 手こずったのはお恥ずかしい限りですけど、オレの執念のが上でしたからね。奴が倒れ込むまでオレ、攻撃し続けましたです」
 「そうか」
 リュウジは誇らしそうに腕を組んだ。
 「そしたら今日の遅刻と喧嘩は不問だぜ!!! ノブオ」
 「兄貴!!! ありがとうございます」
 ノブオは瞳を潤ませている。よっぽど安心したのかな。

 「不問ってか、逆だよな。お前、俺のために闘ってくれたんだろ?」
 「いえ、そんな……畏れ多くて」
 「わはははは!!! いいじゃねえかよ。俺はうれしいぜ」
 言ってリュウジはノブオの肩に手を置いた。
 「俺はノブオみてえな後輩に恵まれてよかったぜ。なあ、ダイゴ?」
 「押忍。よくやったと思う。流石にリュウジに仕込まれただけはある」
 「だろう? 俺の教育がいいんだよな」
 「よかったな、ノブオ。リュウジ喜んでるよ」
 ノブオは照れたような笑いを見せる。
 「ありがとな、ノブオ!!!」
 「あ、兄貴ぃ~~~!!! 身に余るお言葉……」
 そしてノブオはちょこっと泣いてた。よっぽど感激したんだろうな。
 
 泣きやんだノブオは、もちろん被害に遭った中学生に本当のリュウジがどういう漢かとくとくと説明して帰ってきたんだと話した。 
 中学生はちゃんと理解していたようで安心した、とも。
 泥まみれで血を流して、そんな状況でもそれを怠らなかったのは見事だと思った。
 うん。ノブオもだんだんいい漢に近づいているのかも。

 「そろそろ店が開く時間ではないか? リュウジ」
 壁の時計を見てダイゴが言った。
 「そうだな。ぼちぼちだ。もういっぺん外へ出られるか? ノブオ」
 「ええ、もちろんっスよ、兄貴――って、ハヤトさん!!! そこは痛いんっスよ~」
 「あはは。つい、ね」
 「やめといてやれってのに、ハヤトは」
 なんてリュウジに小突かれた。
 
 「夜は走りに行くとして、それまでもうちょっと時間つぶそうぜ!!! ノブオ、俺がクレーンゲームの秘技を伝授してやるぜ」
 「うわ、ありがとうございま~っス、兄貴」
 そしてオレたちはふたたび町に戻った。外灯が点るまであとすこしの時間だった。



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