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ハヤトという名の単車乗り 1-2


 「え? ハヤトも見てた?」
 「違う。見てたわけじゃないけど。ほら、昨日の自習のときに赤ジャージがリュウジを呼びに来たじゃん?」
 「ああ、あったね。リュウジいなくて、かわりにハヤトが連れて行かれたんだったっけ」
 「そう。それがさ――」
 そしてオレは千晶ちゃんに話して聞かせたんだ。昨日の出来事を。

 「それじゃあ暗黒の大将、そのときに女の子に自分はリュウジだって名乗ったってこと?」
 「どうもそうらしいね」
 「ふうん」
 千晶ちゃんがどんな反応を示すかな、って思って見ていたら、千晶ちゃんはおかしそうにくすくす笑っていた。
 「え……おかしい話だった?」
 「うん。なんかちょっとね。大将が照れてるのって、カワイイじゃん。あんなにいかついのにさ」
 「ああ、まあ……」
 とか曖昧に返事をしてみる。
 ――やっぱり女の子の感覚って俺たちとはちょっと違うな。体は男でもさすがに千晶ちゃんは乙女だってことだろう。きっと。
 
 「実際ね、大将の照れた顔って何度か見たことあるんだけど」
 「……? あ、そうか」
 「うん」
 コウヘイは千晶ちゃんに想いを寄せているらしい。そういえばクリスマスのときにも一悶着あったからなと思い出す。
 「あんまり個人的なことは話せないけど、カワイイよ。言ったら怒るだろうけど」
 「う~ん。どうも想像つかないな、オレ」
 「あはは。まあいいじゃないの。リュウジと似たようなもんだよ」
 「リュウジと?」
 「うん。あれでリュウジもカワイイとこあるし。あんたたち男連中に囲まれてるから普段はわかんないだろうけどね」
 「……まったくもってわかんない。オレ」
 千晶ちゃんの目は、普段オレたちが見るリュウジやとは別のリュウジを見ているらしい。コウヘイについても、また。
 
 「それにしても、何だって争いの原因になるんだね、あんたたちって」
 不思議顔のオレを見たあとに、ふと千晶ちゃんは言う。
 「そうだね。それについては否定しないけど」
 「よっぽど因縁があるんだろうね」
 「ああ、うん。ダイゴがそんなこと言ってたかもしれない」
 「ちょっと違った出会いだったら無二の親友なんかになれてたりしてね。リュウジと暗黒の大将」
 「えええっ!! それは……想像できないな」
 「そう? ハヤトと暗黒の特攻隊長だって、そうかもよ?」
 「……どうなんだろ」
 なんとなくうらやましい、なんて千晶ちゃんは呟いた。
 そんなもんなのかな。まったくもってわかんないや。女の子の考えることって。
 ――オレもまだまだだ。

 「おお~い、千晶く~ん!!!」
 と、土手の上から元気な声が呼ぶ。呼ばれた千晶ちゃんは振り向いて手を振り返す。
 「やほ~!!! 早くおいで」
 土手を駆け下りてくる小柄な姿に駆け寄っていく千晶ちゃん。
 千尋ちゃんの目から見ても、リュウジってかわいく見えるのかな、なんてどうでもいいことを想いながら、見た目はじゃれあうなかよしの女の子同士のふたりを、オレはその場に立ったまま見ていた。


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