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鬼工七不思議 1-2

 オレが何の気なしに手に取った『西洋哲学史』は、リュウジの名前で貸出記録に残ることになった。裏表紙をめくったところにある記録からすると、最後に貸し出されたのは12年前の日付だった。
 ということは、例の落書きは最低でも12年以上前に書かれたのではないかと推察される。

 放課後を待って、オレたちはダイゴの家、鬼浜寺に集合した。
 例の落書き『鬼工七不思議』について、おもしろそうだから4人で話し合おうってことになったんだ。
 図書室ではさすがに談話はまずいだろう、ということになって、選んだのがここ。図書室と同じぐらい静かで、かといって話声に遠慮することもなく、さらに広い部屋があったから。
 
 畳敷きの部屋におちついて、そこでリュウジは鞄から本を取り出して広げた。
 4人で額を近づけて見入っている。
 「ほう。ずいぶん古い筆跡だな」
 「うん、ダイゴ。オレも最初見てそう思った」
 「学校の七不思議っていったら、オカルトなやつが多いっスよね~、普通」
 「え? そうなのか? ノブオ」
 「そうっスよ、兄貴。ほら、声のするトイレとか、開かずの間とか、階段の段数がいつもと違う、とか」
 「う――俺の苦手分野だぜ」
 リュウジは顔をしかめている。
 「とはいえ、これはその手とは違うようだ、リュウジ」
 「そうだね。幽霊話とか、そんなんじゃないみたいだ」
 「でしょ? だからオレ、珍しいなって思ったんっスよね」
 
 オレたちのたどった筆跡が教えてくれたのは、こんなことがらだった。

 ――鬼工七不思議――
 1)邂逅:入学の日に初対面同士が校門前でぶつかることがあると両者のえにしは生涯続くことになる
 2)桜:校庭に植樹された桜の中で毎年1本だけ開花の遅れる木がある その木に咲いた最初の一輪を見た者は向こう1年幸運に恵まれるという
 3)水辺:プールにはちいさきものが棲むという 冬でも頻繁に水を入れ替える慣例はそこから
 4)恋愛:告白は雨の木曜日、早朝、音楽室が吉と言い伝わる
 5)教師:卒業生が着任する確率高し その場合教師の高校生時代の因縁が再燃しがち 現在の我が校の柔道部が好例
 6)道:北校舎階段に地下あり 既に封鎖される 因縁ある場所へ続くという
 7)…………
 
 残念ながら、七不思議とはいったものの7番目の記述部分が読めなくなっている。インクが水に滲んだ形跡があった。
 「なるほど。言い伝えの類が多いようだな」
 頷きながらダイゴが言った。
 「そうらしいね。でもオレは、どれも聞いたことないな」
 「オレもっスね……。あ、だけど雨の木曜日ってな~んか聞いたことあるような……」
 「なあ、俺、ちょっと興味あるぜ」
 そう言ったのはリュウジだった。それも瞳を輝かせて。
 
 「これ、いっこずつ検証してみねえ? 当たってみたら誰か知ってる奴、いるかも知れねえし。知ってたからって役立つことばっかりじゃねえだろうけど、楽しそうじゃねえか?」
 「あ、賛成っス、兄貴!!!」
 「うん。たまにはこういうのも楽しいかもね。平和で」
 「ふむ。何か惹かれるものがあるのだな、リュウジには」
 「何か、って言葉にゃできねえけどな。ダイゴ。ってか、7番目が気になるぜ。何が書いてあったんだろな?」
 かくして少年のまなざしのリュウジに引っぱられて、オレたちはしばらく七不思議へと立ち向かうことになったんだ。


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