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鬼工七不思議 3-1

 暗い中でもオレが違和感をおぼえた原因ってのは、今からまさにオレたちが目指そうとしていた方角から人の気配がしてきていたからだ。
 「うん? 誰かいるみたいだな」
 「あれ、ホントっスね」
 立ち止まったリュウジとノブオが顔を見合わせている。
 「誰だろうな、こんな時間に。ハヤト、目的はあの辺りなのだろう?」
 オレはダイゴに頷き返す。
 
 「まあいいか。とにかく行ってみようぜ!!!」
 「え。だ、大丈夫っスか? 兄貴」
 「何が大丈夫なんだ? ノブオ」
 「ええっと……あの、まさか、とは思うっスけど……ね?」
 ノブオがおっかなびっくりダイゴを見上げた。するとダイゴは笑い飛ばしてノブオの肩をぽんと叩く。
 「ははは。あれは確かに人の気配のようだ。ノブオが心配しているようなものではないはず」
 「あ、ノブオってば幽霊かなんかと思ったんだ」
 「だって……念には念を入れておかないと。兄貴が怖がるっスもん、ハヤトさん」
 「――ノブオ!! 誰が怖がるっていうんだ!!! 俺はどうってことねえぜ? 第一、ちょっとばかりは覚悟してるしな。こういう奇妙なことに立ち向かうと決意した時点で」
 「あはは。それは頼もしいよ、リュウジ。たしかに何が出てくるかわかんないもんな」
 「……そういう脅かしは好きじゃねえなぁ、ハヤト」
 やっぱり多少は思うところがあるらしいリュウジは、ダイゴに先頭を任せることにしたようだ。
 オレたち4人はいつもと歩く順番をちょっと入れ替えて、そして件の桜の木を目指していった。

 校庭を横切って、体育館までたどり着いた。ここから数えて何本目かがオレの記憶にある、去年花の遅かった桜だったんだ。
 人の気配はまだしている。ちいさな話し声もするみたいだ。
 オレたちは一歩ずつ近づいていって――リュウジが先客に声をかけた。
 「何してんだ? こんなとこで」
 ノブオが持っている懐中電灯が照らし出したのはふたつの人影だった。おそらくオレたちが近づいているのは灯りからわかっていたらしいふたり連れは、1本の桜の木の根本に敷いてあったレジャーシートから立ち上がってオレたちの前に立って、かわるがわる声を出した。
 「なんだ、総隊長たちだったのか」
 「何してるって……そっちこそどうしたんだ? ダイゴ」
 
 相次いで口を開いたのは、園芸部の部員だったらしい。ふたりともダイゴの級友だそうだ。
 「押忍」
 説明を求められたダイゴは、リュウジを見た。リュウジが腕組みをして頷くのを確認してから話すことにしたようだ。
 「実はちょっとした言い伝えを耳にしてな。このあたりに1本だけ開花の遅い桜の木があるとか。それを不思議に思って、調べるというほどではないが、ひとまず見に来ただけなのだ」
 「……え」
 「ダイゴ、それはどこで?」

 ここで語り手はリュウジに変わる。偶然発見した『鬼工七不思議』について、どこまで話したもんかとダイゴは言いよどんだみたいだけど、それを継いで話し出したリュウジはとりたてて隠す必要もなし、と思っているらしい。
 「それがな、図書室で見つけた本に落書きがしてあってな。それで知ったんだぜ。そういやこの辺にそんな木があったな、なんてハヤトが思い出してくれたんで、偵察に来ただけだ」
 「そう……か。ほかにもあったのか」
 「みたいだな」
 園芸部ふたりは顔を見交わしている。

 「園芸部は? ここで何を?」
 オレが訊くと、ふたりのうちの長髪氏が答えてくれた。
 「花見の場所取りと言ったら信じてくれるか?」
 「え……それにはまだちょっと早いんじゃないの? 第一、競う相手もいないだろうし」
 「ってハヤト。冗談だろ? 真に受けるなや!!!」
 ――そんなことわかってるけどさ。オレの乗りツッコミよりリュウジのほうがいつも早いんだ。
 オレはツッコミには向いていないんだ。どうせ。


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