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トラブルメーカー女史 1

 とりたててすることもない時、オレはふらりとパチンコ屋に行ったりする。
 まだパチンコやっていい年齢に到達していないのは重々承知なんだけど、そこはまあ内緒ということで。
 
 初めてホールに入ったのは、2年前かな。当時はまだ中学生だった。
 ひとまわり歳の離れたいとこの姉さん──名前を亜由という──に連れていってもらったのがデビューだった。
 それ以来、ときどき遊びにいったりしている。

 ひとりで行くときは、もっぱらパチンコ羽根モノでのんびり遊ぶ。
 だが、亜由姉さんと一緒のときは──資金協力を仰いでのパチスロ勝負ができたりするのでとても楽しいのだ。

 今日は暇だし、たまには息抜きしようかなと思っていた矢先、タイミングよく亜由姉さんから電話がきた。
 「あ、もしもし、ハヤト? 今なにしてる?」
 「べつに何も」
 「あら、そう。ね、今日ちょっと付き合わない?」
 「うん、いいよ。オレ暇だし」
 「それじゃ昼にそっちに行くね。駅で待ちあわせでいい?」
 「OK。じゃそのころに」
 軽く約束をしたところで電話を切った。──と思ったら、またコール音が鳴る。

 「もしもし?」
 「ハヤト、言い忘れたんだけど、バイクで来てくれる?」
 「単車で? いいけど」
 「んじゃ、よろしくね」
 亜由姉さんにしては珍しいこと言うな、と思う。
 いったいどこの店に行く気なんだろうな。
 とにかく、女性を乗せるんだし──と、オレはふたつヘルメットを用意した。

 約束の時間、約束の場所にオレは単車で駆けつけた。
 「オス、ハヤト」
 「おう」
 すでに待っていた亜由姉さんは、軽く手を挙げてこっちに駆けてくる。真夏なのに長袖シャツにブーツカットジーンズのいでたちだ。大きめのリュックを背負っている。

 「で、どこの店に行けばいい?」
 オレはメットを手渡しながら訊く──今日はオレもちゃんとメット着用だ。
 「店? 何の?」
 「何の、って──打ちに行くんじゃないの?」
 「ああ、そっちのことか。悪い、それちょっと後回し」
 「え?」
 亜由姉さんは髪の毛を気にしながらメットをかぶる。

 「ね、このへんどっかバイク停めておいて平気なとこ、ない?」
 「駐輪場のこと?」
 「ううん、そうじゃない。バイク停めて、それをあたしがデッサンできるとこ。外でもいいから、なるべく人がいないところがいいんだけど。集中したいから」
 「はい?」
 「なんか妙な仕事受けちゃってさ。あんたのみたいなバイク描け、って」
 「なるほど、そういうことか」
 亜由姉さんは絵を描くのを生業としているのだ。本の挿し絵なんかを描く仕事。
 そういうことなら、と、オレは亜由姉さんをリアに乗せて学校まで走った。

 「そうかそうか。夏休みだもんね。さすがに静かだわ、不良学校も」
 リアの亜由姉さんを校門の前で降ろして、オレは単車を押して中へ入れる。
 「まあね。今日あたり、いるのは運動部くらいだし」
 なるべく日陰で風通しのいいところを選んで──青葉の茂る桜の木陰に決めた──単車を停めた。女性は日やけを気にするから。
 「ここでいい?」
 「うん、上等。ありがと」
 にこりと笑って、亜由姉さんはリュックからスケッチブックを取り出して、さっそく作業にとりかかった。
 
 「描くんだったらウチに来ればよかったのに」
 「そうもできないよ。だってお客さん来るでしょ? 店先で絵なんか描けないってば。ストリート画家じゃあるまいし」
 「それもそうか。でもさ、オレ今日は打ちに行きたかったな」
 画用紙の上に軽いタッチで鉛筆を滑らせている亜由姉さんに向かって呟いた。
 「はいはい、あとでね」
 「オレさ、あれ打ってみたいんだよね。『押忍! 番長』ってやつ」
 「あ~、もう、黙ってなさいってば」
 「わかったよ、もう。相変わらず亜由姉さんはそういうキャラだな」
 「──どういう意味?」
 タレ目を必死につり上げて、亜由姉さんはオレを睨んだ。
 
 仕方ないので、オレはおとなしく亜由姉さんの横の芝生に寝っ転がって、作業が終わるのを待つことにした。
 これが終わったら、きっと亜由姉さんにパチスロおごってもらおう、と勝手に思い決めて満足した。

 陽射しは強いものの、梢をわたる風はさわやかなもんだ。
 桜の木の下って、なんだか甘い匂いがするんだな、なんて考えながら、俺は暇つぶしに四つ葉のクローバーなんかを探してみることにした。

テーマ : パチスロ - ジャンル : ギャンブル

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コメント

(PД`q。)

ハヤトに女の陰か・・・
おっとw取り乱してしまいました(笑)
年上の女性にもてそうですよねぇ~♪
おっ!ってことは私もOKですかぁ??www

華丸さまのこちらのblogを勝手に紹介しちゃいましたm(_ _"m)
問題アリだったら削除しますね><

オトナの女性

>Tohkoさま
どうもどうも、お世話していただいてほんとうに恐縮です!!
ご期待に添えるといいのですが……どきどき。

>年上の女性にもてそうですよねぇ~♪
そうかもしれないですね~。
でも、亜由姉さんはいとこですから。

>おっ!ってことは私もOKですかぁ??www
だはははは、どうぞどうぞ(笑)

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