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鬼工七不思議 6-1


 放課後。オレたちは道場にいた。
 昨日、体育の授業に遅刻したことに端を発する罰当番――道場の掃除を赤ジャージに言いつけられていたからだ。
 実際に掃除の義務があるのはリュウジとオレ、それから千晶ちゃん。
 道場なら自分も使うので、というダイゴが手伝ってくれると言い出して、兄貴のためならオレも手伝うっス、っていうのがノブオの宣言。
 そんなこんなで、オレたちは5人して、箒やらぞうきんやらを手に、道場へ集まっている。

 だらだら気分のオレだったけど、いざ作業が始まってみたら一生懸命働いていた。
 本来は手伝いだっていうダイゴとノブオがオレたちよりも真剣だったからだ。それに釣られてオレたちもがんばった。
 ぞうきんがけの合間に、オレたちはここまでの『鬼工七不思議』探訪の成果なんかについて話し合っていた。

 「ってか、なんだかんだどれも当たってるっぽいな。桜のことも、プールのことも」
 「そうだね。全校的に有名じゃないにせよ、近しい人たちはそれなりのことを知ってたんだし」
 「ってことは、ハヤトさんはやっぱり兄貴と一生縁があるんっスかねえ。うらやましいっス」
 「ノブオ。そのような出会いでなかったら縁が切れると限ったことではあるまい」
 「あ、そうっスね、ダイゴさん。オレ、生きる希望が湧いてきました~!!!」
 「……大袈裟だな、ノブオ」
 なんて言ったらノブオに睨まれた。ハヤトさんは気楽でいいっスね、だって。

 「っていうか、昨日の保健室の話。あれ、ハヤトがニアミスだったのにはちょっと笑ったなあ」
 千晶ちゃんがくすくす笑っている。
 「そうだな。やっぱ寝坊で台無しにしてるし、しかもまるっきり覚えてねえとこがハヤトらしいぜ。しっかりキーワード聞いてたんだろ? 雨の木曜日云々、っての」
 「――うん。思い出したってことは聞いてたんだろうな」
 「しかし、ハヤトは実際にその告白を受けたら、その先輩とは付き合っていたと思うか?」
 「え? ああ……どうかな」
 
 ダイゴにしては意外なことを言うな、なんて思ってちょっと考えてみる。
 「うん。お断りしたかもしれない。オレ、そのときあんまり、そういうのに興味なかったもんな。単車の腕磨くので忙しかったし」
 「わはははは!!! 今だって大差ねえくせに」
 「……そうとも言う」
 オレの答えを待って、訊いた本人ダイゴは満足そうにこう言った。
 「では、言い伝えは正解だな」
 「どうして? ダイゴ。だって実らなかったんでしょ? その先輩の恋は」
 「ああ、千晶さん。実らなかったが、拒否されることもなかったということ。それで先輩はその恋を、妙な言い方かも知れないが美しい想い出のまま打ち切った、と。おそらく満足したのではなかろうか」
 「なるほどね。そういう見方もあるってことなのね」
 「それはそれで『吉』って読み解けるかも、ってことっスね、ダイゴさん」
 「曲解かもしれんがな」
 ほおお、なんてオレたちは口々に感嘆を漏らした。ダイゴが言うと、なんか説得力あるよな。

 「お前たち、怠けておらんか?」
 そんな時、赤ジャージが様子見と称して道場へ入ってきた。
 「なんだ、ダイゴとノブオも手伝わされているのか? リュウジは人使いが荒いな。反省しているのか?」
 「違うっての!!! ふたりは自分の意志で手伝ってくれてるんだぜ? なあ?」
 「押忍」
 「は~い!! 兄貴の言うとおりっス~」
 「……ならよいが、な。おお、でもさすがに人数が多いだけある。綺麗になったな」
 「だろ? 俺たち働き者だからな。いい教え子を持ってしあわせだろう、赤ジャージ!!!」
 「調子に乗りおって。でも、まああながちはずれでもないので善しとしよう。お茶でも入れるか? 振る舞ってやろう」
 なんだか今日は機嫌のいい赤ジャージに連れられて、オレたちは道場脇の控え室へと入っていったんだ。


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