目次

過去の記事をまとめて表示できるようにしてみました。 【 】がついている項目をクリックすると、それぞれのタイトルの記事を一括でお読みいただけます。 【 】内の数字が若い順に古い記事となっております。 【 】内の冒頭数字が同じものはそれぞれ対になるおはなしです。

これまでのおはなし

全タイトルを表示

御来訪感謝

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

鬼工七不思議 8-1


 手をつけてみれば難なく開かれた、『鬼工七不思議』の6つめに繋がるであろう扉。
 錆びたドアノブを手にとって、リュウジはすこし硬くした表情でオレたちを振り返る。
 「よし。そしたら中、入るぞ」
 「うん。行こうか」
 「押忍」
 「兄貴、これどうぞ」
 「懐中電灯か。気が利くな、ノブオ」

 そんなこんなで入ってみた北校舎のの地下室は、かび臭くて埃っぽい場所だった。
 古い電動工具や使わなくなった机なんかが置いてある倉庫という感じだけど、さっきの赤ジャージの口ぶりからして、今となっては先生方の間でもここの存在は忘れ去られているのかも。
 「狭いな、ここは。ほらノブオ、足許気をつけろ」
 「了解っス、兄貴」
 「しかしこの部屋って、物が多いなあ。よく地震なんかで崩れなかったね」
 「そうだな。もっとも崩れようがないほど物が多いとも言えるような」
 「ほんとだな、ダイゴ。扉以外の3面は埋まってるもんな。つーか、これより先なんかねえよな? ただの地下室じゃねえ?」
 「ああ、そういえば。この先がどっかに通じてるって話だもんね」
 「押忍。因縁ある場所へ続く、だったな」
 そう言いながらオレたちは、物だらけの壁をひとつひとつ調べてみる。懐中電灯だけが頼りなのでちょっと心許ないけど。

 「ああ、そういえばこういう部屋って、隠し扉みたいなのがあるってのが定石じゃないっスか?」
 「隠し扉? 掛け軸の向こう側とか、そういう話か?」
 「そうっスね、兄貴」
 「そんな、漫画じゃないんだから、ノブオ」
 「そうは言いますけどね、ハヤトさん。たとえば、ですよ? この棚そのものがもしかして、えいっと押したら奥へ動いたり――」
 とノブオが示した棚を、冗談半分にダイゴが押してみている。
 すると――

 「お? 動いたな」
 「ダイゴ、本当か!!!」
 「ほら~、ハヤトさん。やっぱりじゃないっスか~~~!!!」
 「ええっと……悪かった、ノブオ。って、そんなの普通想像できないよな」
 「そうか? でもセオリー通りだろ?」
 リュウジまでそんなこと言ってるよ……。しょっちゅう漫画読んでるとそう思えるのかな。

 とにかく目の前に道は開けたってこと。その先を覗いてみたらさらに狭そうだけど、言い伝えどおりに通路になっているみたいだ。
 かなり暗いのでそこでいったん地下室を出て、こっそり実習室へ忍び込んで人数分の懐中電灯を手に入れてきた。
 「よし。そしたら準備はいいな?」
 リュウジのいつもより数段トーンの低い声にオレたちは黙って頷きだけを返す。
 そうしてオレたちの6つめの不思議探求が始まったんだ。

 誰が何のために掘ったのかは想像すらできない。
 どこへ通じているんだかもさっぱりわからない。
 ただ理解できるのは、ここがもう何年も――もしかしたら桁違いの年数で誰も通る者がいなかったのかもしれないってことだけ。
 外はすっかり春めいた陽気だっていうのに、この地下通路ときたら寒いし、埃っぽいし。
 ちょっと音をたてるとびくっとするほど響くし。
 
 正直言って、オレはけっこう参っていた。オレ、あんまり暗いところとか狭いところが得意じゃないのかもしれない――ここへ来て初めて気がついたんだけど。
 とにかく泣き言いうのは性に合わないし、後戻りできる感じでもないから前へ前へとずんずん進むリュウジの背中を頼りに歩を進めている。
 言いたくないけど……もし今、地震とか起きたらとんでもないことになるよな、なんて思いつつ。


テーマ : パチスロ - ジャンル : ギャンブル

<< 鬼工七不思議 8-2 | ホーム | 鬼工七不思議 7-2 >>


コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

 BLOG TOP 


  1. 無料アクセス解析
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。