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鬼工七不思議 8-2


 鬼工北校舎の地下の、忘れ去られた通路はいったいどこへオレたちを連れていくのか。
 懐中電灯で照らしてみると、壁にはどういうわけかそれなりにコンクリートをうってあるらしい。オレの身長だとちょっと屈まないと頭が当たりそうなくらいの低い天井。リュウジやダイゴは歩くのがもっと大変なはずだ。

 ゆっくりと、しばらく行ったところでかかったリュウジの声がやたらと反響している。
 「なあ、もうどれくらい歩いたと思う?」
 「え――さあ。けっこう遠くまで来たんじゃない?」
 「そうっスかね? まだそんなでもないような気もしますけど」
 「時間にして15分というところだな」
 腕時計を見て、ダイゴが答えた。
 「この歩調で15分では、1kmは進んでおらんな」
 「そうか。もっと来たかと思ったけどな」
 振り返ったリュウジの頬は、落ちてきたと思われる埃で煤けていた。

 思ったよりも疲れたから、ちょっと小休止といった雰囲気になった。
 ちょうど、ほんのすこしだけ通路の幅の広くなったところがあったから。
 「なあ。この通路ってあとどれくらい続いてるんだろうな?」
 「さあ。でも、どこかへ通じてるんだろ?」
 「とは言うがな。しかし単なる言い伝えということは、その保証があるかどうかは疑問といったところか」
 「ええ~、そんな脅かさないでくださいよ、ダイゴさん」
 「っていうか、でもダイゴが言うとおりだろ?」
 「ハヤトさんまでそんな……」
 「わはは!!! ノブオ、そんなに焦るなって!!! 何てことねえだろ? ちょっと暗くて狭いだけじゃねえか。そんでもってもしこの先何もなかったら、引き返せばいいだけじゃねえか!!!」
 「でも、兄貴。もし――もしも、ですよ? さっきオレたちが入ってきた扉が、また外から南京錠かけられちゃったら、オレたち生き埋め……ってことに」
 ノブオが心配そうに言う。
 なるほど。オレ、そんなこと考えもしなかったな。オレって無謀な生き方をしてるよな……。
 
 ノブオの不安げな顔と、オレにも芽生え始めた恐怖心を払拭してくれたのはダイゴだった。
 「その心配はあるまい。南京錠は、ほら。ここだ、ノブオ」
 「お、ダイゴ。それ持ってきてたんだな!!!」
 「押忍。これさえ掛かっておらねば、扉自体なら何かあっても俺ならどうにかなるゆえ」
 「はは……は。ダイゴって頼もしいよね。こういう言葉にできない畏れみたいなのがあるときってさ。ほんとに心強いな。なあ、リュウジ?」
 「ああ、そうだな。もっとも俺はべつに怖いことなんかねえけどな、今は」
 ……まあね。リュウジの怖がるような幽霊とか、そういうのはいないってダイゴが言ってたし。
 「けど、ダイゴが頼りになるってのはその通りだぜ!!!」
 心持ち大きな声でリュウジが言った。

 「とにかく、先へ行くにしてもここが半分ってとこだな」
 すこし考えたあとに聞こえてきたリュウジの言がこれだった。
 「逆戻りの可能性を考えると、この倍以上だとキツいだろ?」
 「ああ、そうかも。って、意外だね」
 「何がだ? ハヤト」
 「いや、リュウジだったらとにかくどこかへ辿り着くまでっていうか、何が何でも出口を見つけないと納得しないかと思ってたな、オレ」
 「わはははは!!! ハヤト、俺だっていろいろ考えてるんだぜ?」
 「え……」
 「攻めどころと退きどころってのは、勝負にだってあるだろ? 今の俺らのこの状況だって勝負って言や勝負だからな。根拠がねえ分、大きな博打だし」
 笑い混じりに言われて気がついた。
 そうか。何が何でも前しか見ない漢だと思っていたリュウジが、そんなことを言うとは。
 時として見せるガキ大将みたいなリュウジの表情に、ある意味で騙されていたのかもしれない、オレは。
 退くところは潔く――リュウジは質実ともに立派な統率者なんだな。なんて。


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