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鬼工七不思議 9-2


 それからしばらくオレたちは、その広場の様子をあれこれ見て回った。
 調べてみてわかったことは何もなかった。
 「なんかこう、手がかりになるようなものとか置いてあってもよさそうなもんっスけどね」
 「本当だな、ノブオ。ここまで綺麗に何もないというのが却って不自然というか」
 「わざわざ掘って作ったんだろうからね、道も広場も。前は何かに使われていたんだろうけど」
 
 そんなオレたちのやりとりを聞いていたリュウジがぽつりと言う。
 「なあ――なんか聞こえねえ?」
 「え――?」
 リュウジの声にオレたちは話しを収めて耳をすませた。けれどもオレには何も聞こえてこない。
 「何も聞こえないけど? どこらへんで聞こえたんだ? リュウジ」
 「このあたりから」
 リュウジが示すのは立ち位置の背後、オレたちが入ってきた通路の正面にあたる壁だった。
 「なんだかな。この向こう側のあたりから動物か何かの鳴き声がしたように感じたぜ」
 言って、リュウジが壁に耳をつけた。オレたちもそれに倣う。

 しばらくそのまま壁の向こうの様子を窺う。
 因縁のある場所へ通じるという地下通路の導く先の広場。果たしてここが因縁ある場所そのものなのか、この先があるのか――
 なんて考えながらひんやりとした壁に張り付いていたオレたちの耳に聞こえてきた。
 そう、リュウジが言ったみたいに動物――おそらく小動物の鳴く声と、それに続いて誰かの絶叫が!!!

 何だ?――とオレたちは顔を見合わせた。
 「聞こえたっスよ、兄貴!!!」
 「だろ? ノブオ」
 「って、この壁の向こうに何かあるってこと? 誰かいる?」
 「そのようだな、ハヤト」
 そしてオレたちは、ふたたびその壁のあたりを探索した。
 暗いから手探りで壁を検めるんだけれども、何のとっかかりも見あたらない。
 壁の向こうからはまだ声がとぎれとぎれに聞こえてくるようにも思える。
 言いしれぬ興奮とすこしばかりの恐怖みたいなのに支配されていたオレを我に返らせたのは、ダイゴの落ち着いた声だった。
 「リュウジ。風の流れがある。ほら、ここだ」
 
 ダイゴが気づいた風の流れてくるところ。丸い広場の壁づたいの、言われてよく見てみればほかの部分より壁のコンクリートの色が少々濃いように思えるところだった。
 「ここだな? ダイゴ」
 「押忍、リュウジ」
 「もしかしてここ、隠し扉かもしれねえよな。よっしゃ、ダイゴ。一緒に押してくれや!!!」
 「あわわ、兄貴、大丈夫っスか? 向こう側に何がいるか、わかったもんじゃないっスよ?」
 「わはははは!!! 怖いのか? ノブオ。大丈夫だろ。声がするんだし」
 「声ってか、叫んでるようだったけど……ほんとに人かどうかも」
 なんて言いかけたんだけど、そんなオレやノブオにはリュウジはお構いなし。
 「いくぜ、ダイゴ!!! せ~の……」
 かけ声もろとも、狙ったところに体当たりを喰らわすリュウジとダイゴ。オレもノブオもはらはらしながら見守っている。
 
 そして――――
 ふたりが押し開けた、地下通路の行き止まりの広場のその先は、どういうわけか『外』だった。
 陽の当たる、すっかり春めいた風景が突然目の前に現れたんだ。
 
 「あ……れ? 外?」
 あまりに突然、予期しなかった光景が広がっていることと、暗いところから急に明るいところへ出たことによる混乱がオレに襲いかかった。
 これはオレだけではなくて、ほかの3人にも同じみたいだった。それぞれ何かつぶやいてからぼんやりした顔を見合わせていたから。


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