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トラブルメーカー女史 7

 オレとハンゾウの自尊心を賭けた単車勝負の結果は、体感的にはほぼ同着だった。
 どちらが勝利を得たのかは、行方を見ていた3人に委ねられるのだが──

 単車を停めたオレとハンゾウが見たものは、両手を祈るように合わせたままの亜由姉さんの顔、ガッツポーズのリュウジ、そして──
 「ハンゾウよ、次は負けるんじゃねえぞ」
 いかなる勝負の時でも判定は公正にするのが掟──コウヘイのこの一言で、オレがわずかに先行してゴールしたという結果を知った。

 「ハヤト! やったな」
 「もう、どきどきさせるんだから。ハヤトは」
 リュウジと亜由姉さんの祝福を受けて、オレは喜びというよりは、ほっとした思いに満たされた。
 「やれやれ、どうにか体面を保てたかな? オレ」
 
 単車のエンジンを止め、オレはハンゾウに視線をやる。
 相変わらずの無言を保った敵方の特攻隊長は、オレを強い視線で睨み返していた。
 その眼が語っている──次こそは負けるものか、と。

 「総帥──今日のところはもう」
 ハンゾウが潔く撤退の意志をコウヘイに告げた。が。
 「まあ待て、ハンゾウ。お前の敵は俺がとってやるよ」
 好戦的な笑みを湛えたコウヘイがそう言ったのは──もはや必然の感があった。

 「コウヘイ、それは話が違うんじゃねえか? ウチのハヤトが勝ったんだ。それで終了だろう? 生憎、今日の俺には闘う気は一切ないぜ」
 「貴様、世の中ってもんがそんなに甘くないってことぐれえ知ってやがるだろ?」
 コウヘイのいつも通りの物騒な物言いが、リュウジに絡みつく。
 「俺は、やりたい時にはやると決めている。漢ならばまさか逃げたりしねえよな、リュウジ? さあ、かかって来いや!!!」
 コウヘイは木刀を強くコンクリートに叩きつけた。

 「おい、コウヘイ、リュウジは──」
 「だから俺は──」
 オレとリュウジがほぼ同時に言った、その時だった。

 亜由姉さんが突如、リュウジの背後からオレの単車の前にひらりと身を現し、あろうことかコウヘイの目前に胸を張ったのだ。
 「え? 何?」
 「お……い、亜由姉ちゃん!!!」
 オレとリュウジもさることながら、当のコウヘイも呆気にとられた顔で亜由姉さんを見る。

 そして、亜由姉さんは腰に手を当てて、コウヘイに強い口調で言い放った。
 「あんた、さっきから黙って聞いてれば、全然スジが通ってないじゃないの!!! ハヤトが先にゴールしたんだから、これ以上リュウジに因縁つけるのは笑止千万。とっとと帰んなさいよ!!! いい? あんた仮にも『総帥』って呼ばれてるんでしょ? 人の上に立つ者がそれじゃ、そっちの特攻隊長氏がかわいそうじゃないの!!!」
 「亜由姉……」
 「リュウジは黙ってなさい! これはあたしの気持ちの問題。あたしこういうのって納得できない」
 
 「チッ。つまらねえこと言いやがる姉さんだな」
 低く、極めて物騒にコウヘイが呟く。
 
 「そもそもあんたが見てえ、って言ったんじゃなかったのか? 俺とリュウジの闘いを」
 「もう、そんなことどうだっていいわよ!! あんた、あんまり大人を舐めんじゃないわよ!!!」
 夜のアスファルトに声を響かせたかと思うと、亜由姉さんは──

 「あたしにだって武術の心得くらい少しはあるのよ。あたしが相手してあげる」
 叫びざま、ひらりと躍り出て、あろうことかコウヘイの体に組み付いたのだ!!!
 「な、何──?」
 オレを含めた4人が4人とも意表をつかれ、当のコウヘイは突然の体当たりにバランスをくずしかけていた。

 そこからは、入り乱れての混戦だった。
 コウヘイの腕の中で暴れる亜由姉さんを引き剥がそうとオレは苦心し、リュウジはコウヘイの背中を羽交い締めにしようとし、ひとりハンゾウは腕組みをしたまま輪の外で戦況を見守っており──

 どんなにスジが通っていないと亜由姉さんに言わせしめたとは言え、コウヘイだって漢は漢だ。
 もちろん、亜由姉さんを殴ったり投げたりするようなつもりはなかったらしい。
 亜由姉さんを軽く突きとばし、背中を固めたリュウジの手を振り払うと、コウヘイはうすら笑いを浮かべて亜由姉さんにこう言った。
 「ふん、世の中にこんなに漢気あふれる女がいたとは天晴れだ」

 まだ興奮しているらしい亜由姉さんが、語気荒く応える。
 「あら、お褒めいただいてどうも」
 それを見て、コウヘイは珍しく気分良さそうに笑っていた。
 
 「姉さん、俺の負けだ」
 そう一言残して、コウヘイは無言のハンゾウを促し、オレたちの前から立ち去っていった。

 見送りながら、海風に乱された髪をかき上げた亜由姉さんは、なんだかやたらと凛々しかった。

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コメント

ねえさん・・・

かっこいぃ・・・参りました。。。
亜由ねえには・・・かてませぬw

本日久々鬼浜町に遊びにいってきたんですが。。。見事惨敗w
ハヤトにもハンゾウにもあえずw
単車対決だったら、「コケロ~」っていうつもりだったんですがねぇ・・・(笑)


次こそ!

>>Tohkoさま
きっと次に鬼浜町に行ったときはハンゾウがコケますので!!
期待しつつ応援しましょう♪

わたし最近、ハヤトがすこし強くなりましたよ。これ書いてから。
ハンゾウ先行→ハヤト先行→判定勝利とかやってくれるようになりました('-^*)/
ちょっと前からダイゴもなかなかやってくれてます。

裏山C~♪

最近ハヤトにはおめにかかれず。。。
ダイゴは何故かバイクにのりたがり・・・
町でコウヘイには出会わず(笑)
華丸さんのとこにもっとカキコしたらハヤトバイクにのってくれるかな?!

夏休みだから?

>>Tohkoさま
あらら~、ハヤト行方不明ですか?
そのうちひょっこり戻ってきますよ!!!
ちなみにウチの鬼浜町では、リュウジが単車勝負を避けてます……。

ハヤト召喚カキコ、どうぞ夜露死苦ぅ!!

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