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てのひらに熱情を 2-1



 「こら、いい加減に起きないか、ハヤト」
 「……うん、まだ寝る」
 「いったいどれだけ寝れば気が済むんだ、我が息子よ。さすがに父は心配だぞ?」
 「……うん」
 リュウジの朝コールというか、朝絶叫で起き出せないオレのふとんをはがしに来たのは親父だった。
 窓の外では、リュウジの何度目かの声がオレの名前を呼んでいる。

 「というよりも、近所迷惑を止めてもらえるように言ってくれると助かるんだがな、お宅の隊長殿に。斜向かいの家の赤ん坊が泣き出すと、新米ママさんがかわいそうだ」
 「悪い。それ、今日は親父が言っといて。オレ、今日は調子悪いから学校休むからって」
 「おや、放蕩息子の異名は伊達ではないということか」
 親父の軽口にも答える気になれなかったオレは、寝返りを打って親父に背中を向けた。
 「やれやれ」
 なんて言いながら、親父はオレの部屋を出た。階段を下りていく気配。続いて店先のシャッターを開ける音。さらに続いて、リュウジと話している声。
 オレの家に面した路地は、そうして朝の静寂を取り戻したんだ。
 
 ふとしたリュウジの言葉で、こんなに気分が下降気味になるなんて思ってもみなかった。
 リュウジはべつに、オレを馬鹿にするとか、傷つけるとか、そういう意志なんてなかったことはとっくに承知。
 だけどオレは――『ハヤトの喧嘩には全然期待していない』って言われたことにこだわっている。言われて半日経った今でも、気分がまったく晴れていないのが我ながら不思議だったりするけれど。

 そのまましばらくふとんの中で天井を睨んでた。
 またちょっと、うとうとしたんだと思う。
 さすがに腹減ったな、と思って部屋を出ることにした。時計を見たら、もうすぐ10時になる頃合い。
 「おや、やっとお目覚めかね」
 階段を下りたところで、開店準備をしていた親父に声をかけられる。
 「うん。よく寝た」
 「それはそうだろう。若いのに、よくそんなに寝られるもんだと感心したぞ、息子よ」
 「でも、そのわりに頭痛いかも」
 「それは世間一般では『寝過ぎ』と言うんだぞ。覚えておいたほうがいいな」
 「あ、そうなんだ。うん、ひとつ賢くなったよ」
 親父とオレとは、いつもこんな調子。
 親子ではあるけれど、どことなく頼れる先輩とでもいったような感覚だったりもする。
 
 「お袋は?」
 「出かけた。飯は台所にあると言ってたぞ」
 「あ、了解」
 親父に応えて、台所へ。と、その前に通りかかった洗面所の鏡を覗いてみる。
 あらら、まぶたが腫れぼったいね。これも寝過ぎのせいかも。
 乱れ放題の髪の毛を掻き上げて、自嘲気味に鏡の中の寝ぼけ眼を睨みつけた。

 遅い朝食を摂った。
 そもそも低血圧っていうか、気合いが足りないだけっていうリュウジの説もあるんだけど、時間がないのでいつも朝食はパスのオレ。
 それでも今朝の台所の食卓には、お袋があれこれ並べてくれていた。
 ああ、そうか。オレ、夕飯も食べていないからだ。
 きっとこのすき焼きの残りらしいものは、昨日のだな。夕飯、すき焼きだったんだ。残念なことをした。
 ほかにも、焼いた魚とか。親父の好きな甘い卵焼きだとか。野菜たくさんの、これだけでもおかずになるほどのみそ汁もあって。
 片っ端から平らげたら、かなり満腹。
 オレ、こんなに食べる人だったっけ? いくら夕飯抜いたからって、こんなに食べられるんだっけ?



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【鬼浜魂疾走編・登場人物紹介】

☆ハヤト:このおはなしの語り手
鬼浜爆走愚連隊・特攻隊長
単車勝負が得意 実家はバイク店
一般評=クールなモキャラ リュウジ評=とぼけた奴 趣味は昼寝

☆リュウジ
鬼浜爆走愚連隊・初代総隊長
喧嘩も単車も最強 実家はラーメン店「昇龍軒」
人情派で人望篤い 女子にめっぽう弱い 実は寂しがり屋の一面も

☆ダイゴ
鬼浜爆走愚連隊・親衛隊長
喧嘩勝負が得意 実家は鬼浜寺
寡黙で頼りになる存在 柔道の使い手 精神世界にも精通

☆ノブオ
鬼浜爆走愚連隊・若手
喧嘩も単車も修行中
総隊長リュウジを誰よりも慕う 打たれ強さは比類なし

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☆コウヘイ:暗黒一家・初代総帥
☆ハンゾウ:暗黒一家・特攻隊長
☆ゴンタ :暗黒一家・親衛隊長
☆タカシ :暗黒一家・若手

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テーマ : ゲームの小説 - ジャンル : 小説・文学

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