目次

過去の記事をまとめて表示できるようにしてみました。 【 】がついている項目をクリックすると、それぞれのタイトルの記事を一括でお読みいただけます。 【 】内の数字が若い順に古い記事となっております。 【 】内の冒頭数字が同じものはそれぞれ対になるおはなしです。

これまでのおはなし

全タイトルを表示

御来訪感謝

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

てのひらに熱情を 2-2



 食後のコーヒーを入れたところで、親父が台所に顔を出した。ついでに盆の上に伏せてあったカップに注いで、親父にすすめる。
 「お、どうもな。食欲はあるようじゃないか、眠れる放蕩息子よ」
 「うん。さすがにもう食べられないけどね」
 「……おや? ハヤト。わからなかったのか?」
 「何が?」
 「この皿に盛られていたのは、俺の昼飯だったはずなんだが」
 「あれ。そうだったんだ。あはは」
 「あはは、って……なあ」
 「ごめんごめん」
 「いいんだ、ハヤト。親は子の成長を望む者として存在するのだから。それに俺には、秘蔵のカップラーメンという強い味方がいるからな……」
 親父はせつない表情をして、コーヒーカップを手にしたまま店に戻っていった。
 悪いことしちゃったな。
 お袋も、まさかオレがそこまで食べるとは思っていなかったんだろうけど。

 さて、満腹したし。もう眠くもないし。ひとまずシャワーを浴びることにした。
 昼間に浴びるシャワーって、なんでこんなに贅沢な気分になるんだろう。
 窓から差し込んでくる太陽の光を受けて、防湿鏡がきらきらしてる。
 熱めに設定した湯を頭からかぶって、全身をあっためた。
 水滴に濡れて顔を覆う髪の毛。あ、ちょっと伸びてきたな。
 
 風呂場から出て髪の毛も乾かして。
 寝間着は洗濯機に放り込んで、学ランではない服を着て。
 久し振りに学校をサボったオレは――やっぱりちょっと頭が痛いな。
 寝過ぎのせいかもしれない。そうじゃなかったら、リュウジのせいかもしれない。
 ……なんでオレはこんなにも引きずっているんだろう。
 そんな頭をわざと左右に振ってみる。
 うん。こんなときには要・気分転換だよな?
 オレは単車のキーをとりに部屋へと戻っていったんだ。

 単車のキーをつけてあるキーホルダーは、銀細工の鈴みたいな形のやつ。
 正確には鈴ではないみたい。下側にスリットはあるけれど、丸い形の内側はまるっきりの空洞で、何も入っていないから音は鳴らない。
 どこでどうやって手に入れたんだかぜんぜん覚えていないんだけど、それでもオレはこれをとても気に入っていた。
 鳴らないとはわかっている鈴もどき。それをときどき耳許で振ってみるのは、いつからかオレの癖になっているみたいだ。
 今も試しに振ってみたけれど、やっぱり何の音もしなかった。

 服の上から革ジャケットを羽織る。親父のお下がりの年代物だ。
 いろんなところに擦れた傷がついているあたり、歴戦の名残なのかもしれない。
 さて――行こうか。
 階段を下りて店を通り過ぎる。親父は作業中だった。
 「おや、お出かけか? 半病人の息子よ」
 「うん。ちょっと外の風に当たってくる」
 「それもいいかも知れんな」
 なんて、訳知り顔に頷いて、親父はオレの背中をぽんぽん、と叩いて送り出してくれた。
 
 ガレージのシャッターを開けて、エンジンスタート。
 鼓膜と鼓動を刺激するエグゾーストノイズ。それに思いのすべてを預けてみようと決めて、オレは愛車に体を預けた。
 いつもだったら学校で午後の居眠りをはじめたくらいの時間。
 罪悪感と優越感を味わいながら、オレはオレの道をゆく。
 今日くらいはいいよな? みんな甘やかしてくれるよな? 
 だって、オレって半病人らしいし。
 親父の皮肉っぽい笑顔を思い出して、軽く苦笑いしながら路地を抜けた。




にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
にほんブログ村 スロットブログへ


===============================

【鬼浜魂疾走編・登場人物紹介】

☆ハヤト:このおはなしの語り手
鬼浜爆走愚連隊・特攻隊長
単車勝負が得意 実家はバイク店
一般評=クールなモキャラ リュウジ評=とぼけた奴 趣味は昼寝

☆リュウジ
鬼浜爆走愚連隊・初代総隊長
喧嘩も単車も最強 実家はラーメン店「昇龍軒」
人情派で人望篤い 女子にめっぽう弱い 実は寂しがり屋の一面も

☆ダイゴ
鬼浜爆走愚連隊・親衛隊長
喧嘩勝負が得意 実家は鬼浜寺
寡黙で頼りになる存在 柔道の使い手 精神世界にも精通

☆ノブオ
鬼浜爆走愚連隊・若手
喧嘩も単車も修行中
総隊長リュウジを誰よりも慕う 打たれ強さは比類なし

===============================

☆コウヘイ:暗黒一家・初代総帥
☆ハンゾウ:暗黒一家・特攻隊長
☆ゴンタ :暗黒一家・親衛隊長
☆タカシ :暗黒一家・若手

===============================

テーマ : ゲームの小説 - ジャンル : 小説・文学

<< てのひらに熱情を 3-1 | ホーム | てのひらに熱情を 2-1 >>


コメント

初めまして!

華丸様、初めまして☆
鬼浜を求めて放浪中の、鬼ムチコと申します。^^

実は大分前からお邪魔していたにも関わらず、カキコでする勇気がなく…。
今回、勇気をもってカキコしてみました(^^;)

それぞれ、キャラのイメージにピッタリな口調での飽きさせないストーリーの展開…
どうやったら、こんなに読みやすい小説になるんだろう…。といつも思っています。(*´∀`*)
更新の方、楽しみにしていますので頑張ってくださいvv
あ、「愛羅武勇☆華丸の回胴妄想録」の方も、更新楽しみにしてまーす☆

ではでは、この辺で失礼します。

>鬼ムチコさま

はじめまして☆
コメントありがとうございました(*^ー^)ノ

前からいらしてくれていたなんて……感激至極でございます!!!
過去1年にわたって放置しておりましたものでf(^ー^;
でも、そうおっしゃってくださる方がいらして。
復活してよかったな~、って思います。

なんか、いろいろ褒めていただいちゃって。
ほんとに恐縮ですo(_ _*)o
もうね、病気なだけなんですよ。
「作ってる」ってか「見たままを書いた」みたいな妄想ですねw

【回胴妄想録】のほうもご覧くださったんですね!!!
重ね重ねありがとうございます☆
また遊びにいらしてくださ~い♪

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

 BLOG TOP 


  1. 無料アクセス解析
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。