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てのひらに熱情を 3-1

 

 学校サボった日の、気分転換走行の真っ最中。
 鬼浜町の裏通りを抜けて、鬼川方面へ。そのまま川沿いに下っていったところの交差点から国道に入る。
 天気のいい平日の午後早く、という時間の海沿いの国道は、さすがにオレたちの得意な時間とは違った雰囲気。寒くもなくて暑くもない、おだやかな春がオレを包んでくれた。
 潮風が髪を揺さぶってくるのが心地よい。
 夜に比べて車の数は多いけれど、混雑しているほどではなくて、そこそこの速度を出せたのもよかった。
 
 とはいえ、今日は運悪く信号につかまりまくる日だった。
 赤信号で単車を停めると、それまでの流れが一旦遮断されるような気がするわけで。
 青になるのを待つ最中って、やっぱり現実に引き戻されるわけで。
 ……ああ、やっぱりオレ、ひきずってるんだ、って改めて思い知らされる。
 リュウジに『喧嘩のほうは全然期待していない』って言われたことを。

 結局のところは堂々巡り。
 なんだろう、オレのこの異様なほどのこだわりって。
 走れば走るほど、っていうよりも信号に足止めを食った回数と同じだけ、ここに意識が行ってしまう自分にため息をついて、早々にひとり走りを切り上げることにした。
 あ~あ。なんだろ。オレ。単車に乗っててもこんななのか。
 自嘲まじりに呟いたのは、通り過ぎた町の空気に流されていった。

 ノらないまま走るのも楽しくないし、そんなときほど危ない運転をしてしまいがちなオレだし。
 こんな状況で何かやらかしちゃったら、それこそ自嘲じゃ済まないからね。
 その程度の自覚のあるうちに我に返れてよかったかも――とか思いつつ、早々に帰還。
 店にいる親父に声をかけて部屋に戻ろうとした。
 「ただいま」
 「おや、お帰り。早かったな、暴走息子」
 つと右手を挙げてオレに答える親父。なんか楽しそうな顔をしてた。
 「ハヤト。ちょっと手伝っていかないか?」
 「え――オレ?」
 「ああ。そうしてあげたら、この単車も喜ぶかもしれんからな」
 親父が指さしたお客さんからの預かりものとおぼしき単車は、オレンジ色のメタリック塗装の派手なやつだった。
 あれ。これってどこかで……?

 そのとき、店の奥のテーブルにいたお客さんが立ち上がって、オレに手を振ったんだ。
 「おっす、ハヤト!!」
 「うわ、テツじゃん!! びっくりしたなあ」
 トップを逆立てた長めの金髪、えへへ、と笑う気安い笑顔。鬼浜町からは北の方角、山のほうに住んでる彼は、地元のオレたちみたいな隊の、オレと似たような立場の男。
 わりと最近の付き合いだけど、すごく気の合う仲間になってる。
 「元気にしてたー?」
 「うん。まあまあ、かな」
 「そりゃ安心したよー。だってさ、ボスがさ。ハヤトは病気かもって脅かすんだもん」
 「え。ボスって……ああ、親父のこと?」
 「うん。そうそう」
 「あはは。真に受けちゃダメだよ、テツ」
 なんか、いいな。笑うって――いいな。
 昨日からのオレはそれを忘れていたかもしれないな、って今さら気づいてみる。




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【鬼浜魂疾走編 登場人物紹介】

☆ハヤト:このおはなしの語り手
鬼浜爆走愚連隊・特攻隊長
単車勝負が得意 実家はバイク店
一般評=クールなモキャラ リュウジ評=とぼけた奴 趣味は昼寝

☆リュウジ
鬼浜爆走愚連隊・初代総隊長
喧嘩も単車も最強 実家はラーメン店「昇龍軒」
人情派で人望篤い 女子にめっぽう弱い 実は寂しがり屋の一面も

☆ダイゴ
鬼浜爆走愚連隊・親衛隊長
喧嘩勝負が得意 実家は鬼浜寺
寡黙で頼りになる存在 柔道の使い手 精神世界にも精通

☆ノブオ
鬼浜爆走愚連隊・若手
喧嘩も単車も修行中
総隊長リュウジを誰よりも慕う 打たれ強さは比類なし

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★コウヘイ:暗黒一家・初代総帥
★ハンゾウ:暗黒一家・特攻隊長
★ゴンタ :暗黒一家・親衛隊長
★タカシ :暗黒一家・若手

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◇テツ
美山瀬烈風隊・特攻隊長
海辺の鬼浜町から40kmの距離を地元とする隊の一員
隊での立場が似ているため、ハヤトとは気の合う仲間
 登場するおはなし
 → 湖畔に吹く烈風 ←
 → 烈風、南へ ←
 → 贈り物を心より ←

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テーマ : ゲームの小説 - ジャンル : 小説・文学

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コメント

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こんばんは!(^▽^)

マイ単車が、リュウジの単車に似てきました…。
どうも!鬼ムチコです☆
昨日は、当ブログにコメントありがとうございました。m(_ _)m

おおっと?!
美山瀬烈風隊、特攻隊長のテツ!
そのキャラが出るのは久々ですね^^
けど、ますます物語の先が読めませーん!(>_<)
一体この先、どうなるのか凄く楽しみです…!
果たしてリュウジとハヤトは、仲直りできるんでしょうか…?(ドキドキ

>物書きネット御中

はじめまして。
このたびはご丁寧にお誘いいただいて恐縮です。

さっそく貴サイトを拝見いたしました。
規約を読ませていただきましたところ、残念ながら、当方記事は二次創作のカテゴリのため登録できそうにありません。

今後オリジナル作品を書ける段になったら、あらためてお世話になりますので、そのときにはよろしくお願いいたします。

>鬼ムチコさま

ども~(*^ー^)ノ
コメントありがとうございます^^

鬼ムチコさん、単車乗りなんですか!!!
いいな~。あこがれます☆
わたしスピード出るの苦手なので……原付も乗れませんorz

テツのこと、ご存知でしたか^^
彼、けっこうかわいがってたんですよね~。個人的にw
久々に書いて、自分でも楽しかったりして。

今後の展開は――おたのしみに(´∀`)

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