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てのひらに熱情を 5-1

 
 
 じっと座っていると、川からの風はそれなりに冷たかった。
 それでもオレは――千載一遇の好機とばかりにテツにすがることにした。
 どうやらオレって、落ち込んだ気分を自分で消化できるタイプではないらしいと初めて気がついた。そもそもあんまり落ち込んだりしないほうだから知らなかったんだ。

 オレの落ち込んでいる原因、リュウジの放ったひとことをテツに話したところ。
 「なるほどなー。『ハヤトの喧嘩にゃ期待してねえ』ってか」
 「うん。まあ、しかたないんだけどね。事実ではあるし」
 「そうか。ハヤトって喧嘩しないんだったっけ」
 「しない、っていうか。リュウジにも言われたけど、必要とされることがなかったから」
 「なるほど。ハヤトにやらせるぐらいだったら自分が出てったほうが早いってんだな、リュウジも」
 「そうだね。それに、うちには腕っ節の強いダイゴもいるし、ノブオだって逆上するとすごいから。オレだけがゆるいんだよな」
 「まあまあ。そんなに自分をいじめることないって。その分、ハヤトは違う能力で貢献してるんだろ?」
 ぽんぽん、とオレの背中をテツが叩いた。
 「なんて、こんな言葉でハヤトが納得するんだったら、そもそもおかしなことになってないのは承知してるけどさ」
 テツはちゃんと察してくれている。このへん、すごく楽だ。
 
 「あ~あ。オレ、ほんと格好悪いよね」
 「うん。ほんとー」
 「だよな。テツが素直で救われるよ、オレ」
 「ってゆーか、誰だってそんなかっこいいもんじゃないだろ? 人間だし。おれなんて、かっこいいなんて言われたことないしねー。ハヤトは言われなれてるかも知れないけど」
 「……え、オレ? オレは基本的に『とぼけた奴』ってのが最大の褒め言葉だけど」
 「うはははは。それ、リュウジだろー? だから言ってるんだってば。リュウジがハヤトにべったりだから、ハヤトにはそれしか聞こえないんだ」
 「あはは。そんな独特な解釈、初めて聞いたよ」
 オレは曖昧に笑ってる。そんなもんなんだろうか。

 「まあねー。リュウジは悪気ないんだろうね」
 「そうだね。それはわかる。オレにだって。っていうか、それにこだわってる自分が嫌いなんだ、オレ」
 あ、そうか。
 深く考えないで言った自分の言葉に気づかされた。
 そうか――オレ、そこが納得いかなかったんだ。

 「なんかすっきりしたっぽいな、ハヤト」
 オレの様子を見て、テツがにまりと笑って見せた。オレは納得して頷いてみた。
 「オレ、自己嫌悪をリュウジになすりつけてたのかも」
 「わはは。自己嫌悪って、ハヤト。そんな深刻なキャラじゃないだろ? 似合わないからやめといたほうがいいよー。それこそリュウジが期待してないと思うしさ。おれ」
 テツは笑い飛ばす勢いだった。
 それは決してオレを馬鹿にするとか、そういうことじゃなくて。
 なんだかあったかい感じが伝わってきた。
 普段から顔を合わせているわけじゃないのに、不思議とテツに理解してもらえてる。
 「テツ、ありがとう」
 どう言ったらいいんだかわからなくてたったそれだけ返してみたんだけど、テツは大きく首を縦に振ってくれた。




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【鬼浜魂疾走編 登場人物紹介】

☆ハヤト:このおはなしの語り手
鬼浜爆走愚連隊・特攻隊長
単車勝負が得意 実家はバイク店
一般評=クールなモテキャラ リュウジ評=とぼけた奴 趣味は昼寝

☆リュウジ
鬼浜爆走愚連隊・初代総隊長
喧嘩も単車も最強 実家はラーメン店「昇龍軒」
人情派で人望篤い 女子にめっぽう弱い 実は寂しがり屋の一面も

☆ダイゴ
鬼浜爆走愚連隊・親衛隊長
喧嘩勝負が得意 実家は鬼浜寺
寡黙で頼りになる存在 柔道の使い手 精神世界にも精通

☆ノブオ
鬼浜爆走愚連隊・若手
喧嘩も単車も修行中
総隊長リュウジを誰よりも慕う 打たれ強さは比類なし

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★コウヘイ:暗黒一家・初代総帥
★ハンゾウ:暗黒一家・特攻隊長
★ゴンタ :暗黒一家・親衛隊長
★タカシ :暗黒一家・若手

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◇テツ
美山瀬烈風隊・特攻隊長
海辺の鬼浜町から40kmの距離を地元とする隊の一員
隊での立場が似ているため、ハヤトとは気の合う仲間
 登場するおはなし
 → 湖畔に吹く烈風 ←
 → 烈風、南へ ←
 → 贈り物を心より ←

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コメント

どもども、こんにちは!
おおー!
ハヤト、どうやら解決したっぽくて良かったです^^

>>リュウジがハヤトにべったりだから、ハヤトにはそれしか聞こえないんだ

この部分、何だかよく分かる気がします…!
さすが同じクラスなだけはある…と思いますよw

では…
ささやかながら、応援ポチ☆( ・∀・)ノ凸

>鬼ムチコさま

ども~(*^ー^)ノ

ハヤト、あんまり苦悩キャラじゃないはずですもんね~。
ほんとはこういう子じゃないです。なんちて^^

>>リュウジがハヤトにべったりだから、ハヤトにはそれしか聞こえないんだ
>この部分、何だかよく分かる気がします…!

うわ~、わかってもらえてうれしいです:*:・( ̄∀ ̄)・:*:
うん。
ここ、すごい言いたいことだったかもしれません。
と、いま読み返して思ってみましたw
なんか、自然ですもんね。ふたりいっしょにいるのが。

【ぽちっとな】どうもありがとで~す(=^▽^=)

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