目次

過去の記事をまとめて表示できるようにしてみました。 【 】がついている項目をクリックすると、それぞれのタイトルの記事を一括でお読みいただけます。 【 】内の数字が若い順に古い記事となっております。 【 】内の冒頭数字が同じものはそれぞれ対になるおはなしです。

これまでのおはなし

全タイトルを表示

御来訪感謝

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

てのひらに熱情を 7-1



 「よし。お前が行け」
 「心得ましたです、総帥」
 いつもの鬼川河川敷に勃発した、我が鬼浜爆走愚連隊と宿敵・暗黒一家の間の闘い。
 それはいつもとは異なる色を掃いていたことを知っている者は極端に少ないけれど。

 桜並木から場所を移した、河川敷の土手の下。闘いの巷にいるのはオレ。
 オレの相棒たる愛すべき単車は、今日は一緒じゃない。
 それでも闘いに挑むオレ――種目は喧嘩勝負ときたもんだ。
 ちょっとした珍しい光景を見守ってくれているオレの仲間は、今日はたったひとりだけ。
 隊の仲間ではないけれど、オレの同胞と親父が評したテツがオレの背中を見つめている。
 心配してくれているテツの呼吸を痛いほどに感じながら、オレは正面を見据えた。

 オレの勝負の相手にとコウヘイが選んだのはタカシだった。
 なるほど、適任かもしれない。相手が強すぎると、オレ、生命が危ういかもしれないし。
 辛うじて釣り合う可能性のあるハンゾウは、いまノブオを追うのに忙しいみたいだし。
 
 せめて気魄だけは負けぬよう、そう自分を奮い立たせる。
 単車勝負のときとはまた違った緊張感がオレの背中を走り抜けていく。
 対面に立ったタカシの不気味なほどの余裕をたたえた薄笑いがオレを見た。
 オレはごくりと息を呑む。
 そしてすこしの間合いのあと、薄笑いを高笑いに変えたタカシがオレに殺到してきた。

 「ケケケケケ!!」
 「ぐ……ッ」
 タカシが繰り出す一撃目をオレは試しに受けてみた。
 頬にタカシの拳が当たった瞬間、ああ、オレは意外と冷静なんだと感じた。
 避けきれないというわけでもなかった。
 ただ、一度受けてみないとタカシの拳の威力が体感できないと踏んでのことだった。
 
 「なるほどね」
 攻撃を受けた左頬に無意識に手をやりながらオレは言う。目はタカシを見据えている。
 「わかったよ、タカシ」
 タカシの表情は先程までとなんら変わらぬ薄笑い。見ているうちにそれはこちらにも伝播したかのような気持ちで、おそらくオレもそのときにはうっすら笑っていたんだろう。
 瞬時にオレの闘う脳が理解したこと。
 タカシの拳の威力は一撃でオレを倒すほどではない。スピードも速すぎるということもない。長期戦になったらわからないけれど、あっという間にやられるとも思えない。
 だったら――オレの攻撃はどうなんだろう。どの程度タカシにダメージを与えられるんだろう。
 物思いがそこまで辿り着いたところで、オレは口に出して言う。
 「そればっかりはやってみないとわからない、か」

 「ケケケ、なにをぶつぶつ言ってるんだ、特攻隊長」
 「いや、別に。なんでもないけど」
 言いざま、オレから攻撃を仕掛ける体勢に入った。
 視線は対戦者から逸らさぬまま、体を大きく数歩退く。
 勢いをつけて身を低くして、そしてオレはタカシの胸めがけて体当たりを試みる。
 狙いは肩をぶつけることだった。
 避けようとしたタカシの足の動きも見逃さないように追い縋ったオレの肩は、狙いどおりに敵の薄い胸にぶち当たったらしい。
 「ウアァ……っ!!」
 タカシが甲高い声を上げたのを聞いた。それなりに効果はあったようだ。

 さすがにオレも一撃で相手を倒すわけにはいかなかった。タカシはオレの肩が当たった胸に手をやって、息を整えながら言った。
 「や、やるじゃないか、特攻隊長め」
 「褒めてもらって悪いね」
 「そんなつもりはないゼ――喰らえっ!!」
 言いざまタカシが飛び上がったのをオレの両目は捉える。



にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
にほんブログ村 スロットブログへ



===============================

【鬼浜魂疾走編 登場人物紹介】

☆ハヤト:このおはなしの語り手
鬼浜爆走愚連隊・特攻隊長
単車勝負が得意 実家はバイク店
一般評=クールなモテキャラ リュウジ評=とぼけた奴 趣味は昼寝

☆リュウジ
鬼浜爆走愚連隊・初代総隊長
喧嘩も単車も最強 実家はラーメン店「昇龍軒」
人情派で人望篤い 女子にめっぽう弱い 実は寂しがり屋の一面も

☆ダイゴ
鬼浜爆走愚連隊・親衛隊長
喧嘩勝負が得意 実家は鬼浜寺
寡黙で頼りになる存在 柔道の使い手 精神世界にも精通

☆ノブオ
鬼浜爆走愚連隊・若手
喧嘩も単車も修行中
総隊長リュウジを誰よりも慕う 打たれ強さは比類なし

===============================

★コウヘイ:暗黒一家・初代総帥
★ハンゾウ:暗黒一家・特攻隊長
★ゴンタ :暗黒一家・親衛隊長
★タカシ :暗黒一家・若手

===============================

◇テツ
美山瀬烈風隊・特攻隊長
海辺の鬼浜町から40kmの距離を地元とする隊の一員
隊での立場が似ているため、ハヤトとは気の合う仲間
 登場するおはなし
 → 湖畔に吹く烈風 ←
 → 烈風、南へ ←
 → 贈り物を心より ←

===============================

<< てのひらに熱情を 7-2 | ホーム | てのひらに熱情を 6-2 >>


コメント

(;´Д`)=3 ホッ・・・

どもども!こんにちは☆

いやぁ、私てっきりゴンタかコウヘイ自らが出るかと思ってたんですが。
予想外の展開に、どこかホッとしました。(´∀`;)
何だかんだ言っても、コウヘイもちゃんと考えてるんでしょうね。
ハヤトが、袋叩き確定かと思っていた自分に涙…。
ゴメンよハヤト…。(ノД`)ハウ…

>鬼ムチコさま

ども~(*^ー^)ノ

ほんとはコウヘイが「やっちまうぞ」って言い出しそう
だったんですけどね~f(^ー^;
甘く見られてるんですよ。たぶんw
それか、タカシに勝たせてやりたかった、とか^^

袋叩きって――壮絶な図だなあ((((;゜Д゜)))
ああ、でも、それもちっともおかしな光景じゃないですもんね……。
ほんと河川敷って物騒ですな(´∀`)

ちなみにこのへん、CR鬼浜を打つよりずっと前に書いてます。
実機打ったあとだったら、ちょっと違ったかも……とかばらしてみたりw

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

 BLOG TOP 


  1. 無料アクセス解析
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。