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てのひらに熱情を 9-1



 オレが勝手に引き起こした暗黒一家との喧嘩騒ぎは、リュウジのお咎めはなしで済んだ。
 そればかりか、リュウジはオレに済まなそうな顔をしてみせたんだ。
 「ハヤト。俺はな」
 「ん?」
 「ハヤトが、ほら。喧嘩っ早いのどうの、って言ってたときにな」
 「ああ、うん」
 「俺、ハヤトの気持ちも考えねえで、とんでもないこと言っちまったみたいだな」
 「……リュウジ?」
 リュウジはいまだうつむき加減でオレに言った。
 「だから、俺。ハヤトに謝ろうと思ってよ」

 「あはは」
 いつもと違うリュウジの雰囲気を、オレは元に戻したかったんだと思う。
 だから、いろんなところに傷をこさえていて、本当はそれどころじゃなかったけれども大きく笑ってみることにした。
 この際、自分の中のわだかまりもそっちのけだ。そもそも、そのわだかまりが引き起こした一件だってことはわかっていたけれど、いつにない表情のリュウジを見るとそれすらも些事に思えてくる。
 「やだな、リュウジ。そんなふうに言うの、リュウジの柄じゃないよ。ほら、いつもみみたく言えばいいじゃん。『オイ!!! ハヤト、やっぱお前にゃ喧嘩は似合わねえな』って」
 「――ハヤト?」
 「それで『そういうのは俺に任せとけや!!!』って。だってさ、オレ、結局は向いてないっぽいからね、喧嘩は。だって、いまひとつ格好つかないから。オレが殴られるのって」
 
 「うん。そうかもねー」
 リュウジが一瞬、どう返そうかって迷ったみたいな雰囲気が見えたところでテツが言う。
 「たしかにハヤトは、そういう役ってタイプじゃないよねー。喧嘩とかの泥臭いのって、やっぱリュウジのが似合うかも。おれ、わかるなー」
 「オイ、テツ!!! 結構な言い分じゃねえか?」
 「うはははは。だってさー、リュウジ。ハヤトって、無頓着みたいに見えて、これでもけっこうかっこつけてるだろー? だから、そういうヨゴレの役目は、ほんとはリュウジにおまかせなんだよ、きっと」
 「何だと――ハヤト?」
 「いや――ってか、テツ、そんな身も蓋もないことを」
 「身も蓋も、って、やっぱり心の中ではそう思ってやがるな? ハヤト!!!」
 「え――あはははは」

 リュウジの、笑い混じりの軽い拳がオレの頬を触らずに空を切った。
 今日は何から何までテツに助けてもらったんだな、オレは。
 雰囲気を作ったり、がらりと変えたりするのが得意なんだ、テツって。
 そういうのも絶対に必要なんだよな――とオレは考えながらリュウジを見る。
 そうだ。このまっすぐな漢の右腕として、ときには戦略的に場を和らげることも必要なんだろう、って。
 テツを見てて思った。
 うん。何事も勉強だよね。もちろん、喧嘩のテクニックも。
 
 考えて、何か言おうと思ったところで鼻がむずむずした。
 「――ックシュ……」
 「あ、寒いっスか? ハヤトさん」
 「ああ、うん。ちょっとそこまで買い物のつもりだったからね。薄着で出てきたから」
 「確かに夜になって冷えてきたようだな」
 だね、とダイゴに向かって頷いてみる。
 そうだ。オレ、みんなを巻き込んでいるんだ。ほんとに悪いな、と思った。
 「オウ、ハヤトは病気だったんだもんな!!! もうここには用はねえんだろ? そろそろ帰るか」
 「うん、了解」
 そしてオレが頷くのを確認して、リュウジはにこりと笑って見せた。
 ……リュウジ、何だかんだ言ってオレが仮病だっていう認識はないんだな。

 歩きでここまで来ていたオレと、それからウチのお客のテツは、それぞれリュウジとタケルの単車のリアに乗せられて我が家まで送ってもらった。
 本日、珍しくも単車のリアに乗るのは二度目のオレ。
 昼間はテツの運転でけっこうおっかない目に遭ったんだった。
 オレの愛車よりも排気量の大きいリュウジのマシン。奏でるノイズが体にここちよい。
 いろんなところにこさえた傷に響くけれども、なぜだか気持ちが落ち着く感じ。
 赤ん坊がゆりかごに揺られている……そんな感じなんだろうか。
 いや、それにしては喧しすぎるか。




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【鬼浜魂疾走編 登場人物紹介】

☆ハヤト:このおはなしの語り手
鬼浜爆走愚連隊・特攻隊長
単車勝負が得意 実家はバイク店
一般評=クールなモテキャラ リュウジ評=とぼけた奴 趣味は昼寝

☆リュウジ
鬼浜爆走愚連隊・初代総隊長
喧嘩も単車も最強 実家はラーメン店「昇龍軒」
人情派で人望篤い 女子にめっぽう弱い 実は寂しがり屋の一面も

☆ダイゴ
鬼浜爆走愚連隊・親衛隊長
喧嘩勝負が得意 実家は鬼浜寺
寡黙で頼りになる存在 柔道の使い手 精神世界にも精通

☆ノブオ
鬼浜爆走愚連隊・若手
喧嘩も単車も修行中
総隊長リュウジを誰よりも慕う 打たれ強さは比類なし

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★コウヘイ:暗黒一家・初代総帥
★ハンゾウ:暗黒一家・特攻隊長
★ゴンタ :暗黒一家・親衛隊長
★タカシ :暗黒一家・若手

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◇テツ
美山瀬烈風隊・特攻隊長
海辺の鬼浜町から40kmの距離を地元とする隊の一員
隊での立場が似ているため、ハヤトとは気の合う仲間

◇タケル
美山瀬烈風隊・隊長

 テツとタケルの登場するおはなし
 → 湖畔に吹く烈風 ←
 → 烈風、南へ ←
 → 贈り物を心より ←

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コメント

ハヤトは頑張った!(^∀^)

どもども、こんにちは☆

おりょ?
リュウジ、悪い事を言ったのには気づいてるみたいだけど、
ハヤトが仮病だってのは気づいてないみたいですね…(^^;)
もしくは、気づいていないふりとか…?
まあ、それがリュウジの良い所であるんですが^^

>前レスのスロ実機の事

そのオカルト、私も同感です!
メーターが爆発しようが、チャンス目が出ろうが…
とことん、深い所まで一直線。
黙々と消化中、のんびりと歩いているリュウジに殺意が沸いてきます…(`Д´#)イライラ
頼むから、気合入れてくれよ…!みたいな感じで(笑)

>鬼ムチコさま

ども~(*^ー^)ノ

ハヤトをほめてくれてありがとです♪
うれしいのは親心。なんちて^^

リュウジは――「気づいてないふり」はできないかも
しれないですよね~。
きっと大根役者ですなw
ノブオくらいはだませるかもしれませんけどね^^

>スロ実機の件

リュウジが散歩ばっかりだと、やっぱり深いとこ行きますよね・°・(ノД`)・°・

わたし、【妄想録】のほうで、みんなに手伝ってもらって
検証企画をやったことあるんですけど。

 ・128Gまでに一度もカッ飛ばないと深いRTが選択されていることが多い
 ・ハヤトが勝つとREG確率高い

……どうですか?

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