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てのひらに熱情を 9-2



 仲間たちに家の近くのコンビニまで送ってもらった。さすがに家の真ん前まで来ると音が近所迷惑だから。
 そして、ようやく夜の散歩の当初の予定、お菓子と飲み物の仕入れを果たしてからテツとふたりでオレの部屋に戻ったんだ。
 それぞれシャワーを浴びてから――オレは体中泥だらけだったし、さすがに湯が傷に滲みたし、鏡には痣が写ってた――、テツとしゃべっている。
 
 テツが教えてくれたのは、オレが喧嘩勝負のあとに気を失っていた間に起きたこと。
 この間の続き、と言ってリュウジとコウヘイの間にリベンジ戦が起きたんだそうだ。
 リュウジが勝ったらしい。それは、オレが正気づいたときに暗黒一家の姿がなかったのでわかってはいたけれど。
 リュウジとコウヘイの闘いが終わったあとにダイゴが到着して、さらにしばらく遅れてノブオも辿り着いたんだそうだ。
 ノブオが来たときにはすでに暗黒一家は引き上げたあとで、ノブオに絡んで追いかけ回していたハンゾウも一緒だったけれど、事態を察知してか早々にその場を去ったんだとか。

 それにしても、どうしてみんなバラバラだったんだろう、とオレが言ったのを承けてのテツの言葉がこれだった。
 「捜してたんだって。みんなで。ハヤトを」
 「え? オレを?」
 コンビニで買ってきたポテトチップスの袋を開けながらテツが首を縦に振る。
 「リュウジがさ。ダイゴとノブオに怒られたんだって言ってた」
 「怒られたって? リュウジが?」
 「そうそう。ほら、ハヤトがさっき土手で言ってたことあるだろ? リュウジに『喧嘩は期待してない』って言われたってやつ」
 「ああ、そのことね」
 「うん。どうもリュウジが、それをダイゴたちに話したらしいんだよねー。昨日からハヤトが変だったから、よっぽど具合が悪いんだろ、って引き合いに出すために」
 ああ、なるほど。リュウジはオレがへそを曲げていたのを、そう理解していたんだな。
 
 「で、ふたりが――とくにノブオが強く言ったらしいよ。『兄貴、そんなこと言っちゃったんですか? それはいくら何でもハヤトさん傷つきますってば!! 内容がなんであれ、期待していないなんて兄貴に言われたら、オレだったら立ち直れないっス』とか」
 「ノブオがそんなふうに? 驚いたな。ノブオがリュウジに楯突くなんて。リュウジが間違っていることなんて何一つないって思ってるほど心酔してるんだよね、ノブオって」

 テツがペットボトルのコーラを飲みつつ頷いた。
 「そうらしいね。んで、ダイゴも『ノブオの言うのはもっともだ、ハヤトとの間に溝が入る前に話をしたほうがよいのでは』なんて後押ししたんだって。それでみんなで一度ここに来たんだけど、ボスが酔っぱらって店先に出てきて『まだ接客中だ』って追い返されたらしくて。それで手分けして町ん中捜して、その結果だったみたい」
 「なるほど。そういうわけだったんだ。ノブオが単身でハンゾウに絡まれてたのもそのせいか。オレ、ノブオには世話かけちゃったんだな……」
 「まあ、そんなこともあるってば」
 人なつこい笑みを浮かべてテツが言った。
 「そんなの、全部ひっくるめて仲間だろー?」
 うん、そうだね――オレもかすかに笑って頷いてみる。
 
 それにしたって、もうひとつ疑問があった。
 「ところで、タケルは? なんでリュウジと一緒だったんだ?」
 「ああ――うん」
 てへへ、と、テツは頭を掻いている。
 「実はリュウジたちがその話をしてた時にね。ちょうどリュウジん家に頼み事しに行ったんだって」
 「タケルが? リュウジに頼み事……?」
 「そう。内容はねー。おれの捜索願」
 「捜索願って、テツ?」

 テツは言いにくそうに言葉を継いだ。
 「ほら、さっき川原で言いかけただろ? それの続きなんだけどさ」
 「ああ、邪魔が入って中断されたんだっけ」
 「うん。おれ、今朝学校行く途中でタケルと揉めちゃってさ。それで頭にきちゃってねー。途中で耐えられなくて早退して、そのままここへ来たって話」
 「あ、なるほど。そうだったんだ。なんだ、オレと一緒じゃん」
 「なー。ほんと、似たもの同士だよな、おれたち」
 わはは、なんて笑いあう特攻隊長ふたりの間の空気はやわらかかった。

 「でもさ、揉めた原因はハヤトとまったく逆なんだよな」
 「逆って?」
 「うん。おれ、出会い頭にぶつかってきた敵校のやつに喧嘩売っちゃったんだよねー。そこタケルに見つかって。んで、『どうして自分から手出ししたがるんだ、そんな乱暴な調子だからお前の単車も傷だらけになるんだ』なんてタケルに言われてさ」
 「ああ、そうだったんだ。でも、タケルも悪気があったわけじゃないだろうし」
 「そうそう。その通り。冷静に考えればねー」
 「あはは。このへんも似たもの同士だな」
 「ん~、言えてるかも」
 
 やけに気の合う仲間同士、それからも飽きることなくいろいろ話して、たくさん笑って。
 ふとんに入ったのはずいぶん夜も深い時間、どちらかというと夜明け近くになったころだった。

 暗くした部屋の中、天井を眺めながら一瞬だけ考えた。
 今度、テツに効果的な喧嘩のしかたを教えてもらおう。いまさらリュウジに教わるのもなんだか気恥ずかしいし。
 先に隣のふとんから寝息が聞こえ始めた。
 オレも目を閉じて――うん、今夜はよく眠れそうだ。
 
 

  * てのひらに熱情を 完 *




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【鬼浜魂疾走編 登場人物紹介】

☆ハヤト:このおはなしの語り手
鬼浜爆走愚連隊・特攻隊長
単車勝負が得意 実家はバイク店
一般評=クールなモテキャラ リュウジ評=とぼけた奴 趣味は昼寝

☆リュウジ
鬼浜爆走愚連隊・初代総隊長
喧嘩も単車も最強 実家はラーメン店「昇龍軒」
人情派で人望篤い 女子にめっぽう弱い 実は寂しがり屋の一面も

☆ダイゴ
鬼浜爆走愚連隊・親衛隊長
喧嘩勝負が得意 実家は鬼浜寺
寡黙で頼りになる存在 柔道の使い手 精神世界にも精通

☆ノブオ
鬼浜爆走愚連隊・若手
喧嘩も単車も修行中
総隊長リュウジを誰よりも慕う 打たれ強さは比類なし

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★コウヘイ:暗黒一家・初代総帥
★ハンゾウ:暗黒一家・特攻隊長
★ゴンタ :暗黒一家・親衛隊長
★タカシ :暗黒一家・若手

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◇テツ
美山瀬烈風隊・特攻隊長
海辺の鬼浜町から40kmの距離を地元とする隊の一員
隊での立場が似ているため、ハヤトとは気の合う仲間

◇タケル
美山瀬烈風隊・隊長

 テツとタケルの登場するおはなし
 → 湖畔に吹く烈風 ←
 → 烈風、南へ ←
 → 贈り物を心より ←

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コメント

どもども!こんにちは☆

おおう!Σ(゜Д゜;)
リュウジったら、最後まで勘違いしてたんだ…!
うん。でもやっぱり仲間っていいですね^^

それにしても。
ハヤトとの間に溝が開く前に、無事解決して良かった良かった☆
これで溝が開いてしまったら、それはそれは大変な事に…。


>>・128Gまでに一度もカッ飛ばないと深いRTが選択されていることが多い
・ハヤトが勝つとREG確率高い

私の場合はですね…
確かに、128Gまで一度もカッ飛ばないと、深いRTが選択される事は多いんですが。
その後のチャンスゾーンで、一度でもカッ飛べば少々浅いRTが選択されている場合が多いです。

で、ハヤトが勝利すると、なぜかBIG確率が高いんです!(゜Д゜;)
って言うか、ハヤト勝利でREGを見たことがありません…!

>鬼ムチコさま

ども~(*^ー^)ノ

リュウジは、ほんと信じやすいからw
でも、だからこそ「いいキャラ」に成り得る気がしますね~。
たまには仲間内、揉めたりするんでしょうしね。

……でも、暗黒一家が内輪揉めしたら、大変そう。
無事じゃ済まない予感がします。だはは。


実機の件。

え。
ハヤトでREG、ないんですか!!!
うわ~、いいなあ。
そちらのハヤトは頼れる子だわ・°・(ノД`)・°・

……ウチの子、そんなふうに育ちませんでしたw

ってか、今日すごいやられたんですけどね。
ハヤト、出てこようともしませんでしたよ……。

あと、今日は128までと、その次のゾーンでカッ飛んだけど
――すごいとこまで連れていかれました・°・(ノД`)・°・

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