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未だ熱りの冷めない拳 2-1

 
 
 ちょっと休憩するから、と親父が言うので、オレはリュウジを連れて店に出た。
 ちょうどテツとタケルも手を止めたところらしかった。
 何を話していたのかはわからないけれど、ふたりは笑いあっている。ってことは、揉めたっていう件はもう解決したんだろう。

 オレたちの気配にふたりは振り返る。
 「タケル、いらっしゃい」
 「ハヤト。昨日、今日とテツが突然お世話になった。こいつは暴走しはじめると止まらないから」
 「ひどいなー、タケル。暴走ってほどじゃないのになあ。な、ハヤト?」
 「あはは。ウチは世話なんて何もしてないよ。逆に御客様だからね、店にとっては」
 「だろー? ハヤトはわかってるな」
 「でも、まあ、単車で暴走って意味だったらその通りかもしれないけどね。テツのリアって勇気いるね。絶叫マシン級だった」
 「あ、またそーゆうことを言う、ハヤト」
 「お――ハヤトがそこまで言うってことは、テツの腕前はよっぽどだな!!! こいつ、ダメなんだぜ、絶叫マシン」
 「ちょ、リュウジ。余計なことを……」
 今度は4人して笑いあう。うん、なんかすっかりいい雰囲気だ。

 そんな中、親父がオレを呼んだんだ。
 「おや? 楽しそうだな、若者たちよ」
 「オウ、親父さん。休憩は終わったのか?」
 「いや、まだ休憩真っ最中だ。よってハヤト、お使いを頼む。たばこを買ってきてくれ」
 「え――いいけど、自分で行けばいいじゃん。すぐそこに自販機あるし」
 「まさか。お客様を放り出して俺が店を空けられると思うのか?」
 「…………親父、ほんとオレを使うのが巧いよね」
 有無を言わさないといった体で、親父はオレではなくてリュウジに小銭を渡している。
 はいはい、行ってきますよ、オレがね。

 「ハヤト。どうせだったらコンビニ行こうぜ」
 リュウジがオレと親父を交互に見て、ちょっと笑ってこう言った。
 「あ、うん。そうしようか。テツ、何かいる?」
 「えっとねー、じゃあコーラ買ってきて」
 「OK。コーラね。タケルは?」
 「俺はいちご牛乳があったら、それで」
 「オウ!!! 心得たぜ!!!」
 ……タケルもか。タケルもいちご牛乳なのか。リュウジと趣味が合うんだな。

 外に出ると午後の陽射し。今日はすこし暑いくらいだ。
 ちょっぴり汗ばむ陽気に、額を何度か拭いながらリュウジとふたりで歩いた。
 午前中、リュウジはタケルと連れ走りをしたんだって話を聞かせてくれた。

 コンビニについて、親父に頼まれたたばこと、飲み物とスナック菓子を買って。
 用事を済ませての帰り道。
 あれ。さっきよりまた気温が上がったかな――?
 「リュウジ。今日、暑いね」
 「うん? そうか? そんなでもねえと思うけどな」
 「え。そう?」
 「お? 珍しいな。こんな時期に汗かいてねえか? ハヤトは寒がりのくせに」
 「だって、暑いから……」
 オレは握っていた手を開いて、手の甲で顎を拭っている。ああ、そういえば掌も汗で湿っているみたいだ。
 そんなオレを見て、リュウジが大きな声で言った。
 「ってか、オイ、ハヤト!!! 顔が真っ赤じゃねえか?」
 「え――?」
 
 一瞬ぐらりとリュウジの姿がゆらいだのを感じた。
 あれ? リュウジ、どうかしたのか――その問いを用意していたんだけれども、オレの声帯がそう発するのを拒んでいる。
 おかしいな、と思ったのも束の間で、一瞬あとには視界が極端に狭くなっていくのを自覚した。
 そして訪れたのは――暗転だった。
 目の前が真っ暗になって、失墜感が訪れた。
 「ハヤト!!! どうした、大丈夫か!!!」
 ――やけに遠くに感じるリュウジの声。
 「……わ、熱あるんじゃねえかよ」
 ――やけにひんやりと感じる額にあてられたてのひらの感触。
 「オイ、ハヤト!!! しっかりしろ!!!」
 
 その先のことはもう思い出せない。
 ただ、なんとなく、ぼんやりと考えたような気がする。
 オレ、絶叫マシンはダメなんだって言ってるのに……って。



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【鬼浜魂疾走編 登場人物紹介】

☆ハヤト:このおはなしの語り手
鬼浜爆走愚連隊・特攻隊長
単車勝負が得意 実家はバイク店
一般評=クールなモテキャラ リュウジ評=とぼけた奴 趣味は昼寝

☆リュウジ
鬼浜爆走愚連隊・初代総隊長
喧嘩も単車も最強 実家はラーメン店「昇龍軒」
人情派で人望篤い 女子にめっぽう弱い 実は寂しがり屋の一面も

☆ダイゴ
鬼浜爆走愚連隊・親衛隊長
喧嘩勝負が得意 実家は鬼浜寺
寡黙で頼りになる存在 柔道の使い手 精神世界にも精通

☆ノブオ
鬼浜爆走愚連隊・若手
喧嘩も単車も修行中
総隊長リュウジを誰よりも慕う 打たれ強さは比類なし

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★コウヘイ:暗黒一家・初代総帥
★ハンゾウ:暗黒一家・特攻隊長
★ゴンタ :暗黒一家・親衛隊長
★タカシ :暗黒一家・若手

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◇テツ
美山瀬烈風隊・特攻隊長
海辺の鬼浜町から40kmの距離を地元とする隊の一員
隊での立場が似ているため、ハヤトとは気の合う仲間

◇タケル
美山瀬烈風隊・隊長

 テツとタケルの登場するおはなし
 → 湖畔に吹く烈風 ←
 → 烈風、南へ ←
 → 贈り物を心より ←

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コメント

どもども!こんにちは☆

おおお…
仮病を使ってた筈なのに、本当に病気になっちゃうとは…!
ハヤト、やっぱり疲れが溜まってるんでしょうね(^^;)
喧嘩なんて、普段慣れない事…(あ、これは禁句か?!

>鬼ムチコさま

ども~(*^ー^)ノ

ハヤトは……うん。
おとぼけ病をわずらっているようです(`・ω・´)ゞ
多少疲れていても、寝れば治るだろうからご心配なく♪


喧嘩もね~。
そろそろ慣れてもらわないと困りますよねw
ちゃんと勝ってくれないと、収支に影響……だはは。

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