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麗しき白薔薇の素顔 6-1

 
 
 言うなれば容姿端麗かつ流麗な立ち居振る舞い。2度も重ねた「麗」の漢字が似つかわしい美青年・白鳥先生は、オレたちの想像が及ばないような弱々しい目の色をしていた。
 「恋する、って、オイ。白鳥先生?」
 「ふふふ。おかしいのなら笑ってよいのだよ、リュウジ君」
 「いや、全然おかしくなんかねえけどよ」
 初対面のときからそうだと思っていた白鳥先生は、やっぱり今もリュウジのペースを混乱させているようだ。
 けれども――今の場合は、白鳥先生当人のほうがより一層、リュウジにペースを変えられているんだろうとは思う。

 「もう包み隠しても仕方がないのだね、諸君。そうさ、私はずっとひとりの女性を想い続けているのだ。遠く離れたところに暮らしている今も、密かに」
 「ずっと、って?」
 「私が鬼工の生徒だった時代からずっと、という意味さ、ハヤト君」
 「あおい姉ちゃんを、ってことだよな?」
 「ああ――その通りだ」
 リュウジが『あおい姉ちゃん』の名前を出したとき、白鳥先生の背中がぴくっと動いたのが見てとれた。

 ひとめぼれだったのだ、と白鳥先生は言った。
 当時、学校帰りにたまたま通りかかったこの商店街で、セーラー服姿のあおいさんを花屋の前で見たんだそうだ。花束用の小さい花のひまわりを両手に抱えていたんだという。
 小さなひまわりがやけにあおいさんの雰囲気にぴったりで印象的だった、と。
 「だから私は鬼工生だったころ、毎日この商店街を歩いていたのだよ。一目でよい、彼女の姿を見たい、という衝動からね。よって、実を言えばこの店にも寄らせていただいたこともあるのだよ、リュウジ君」
 「お、そうなのか? ぜんぜん知らなかったぜ」
 「私もすっかり忘れていたよ。この店の息子さんがやんちゃな少年だったことをね」
 なんだか遠い目をして、白鳥先生は正面のリュウジを見た。小学生から中学生の頃のリュウジを思い出しているんだろうか。
 
 「でも、見てただけなんだ? 花屋のあおいさんを」
 「無論そうさ、ハヤト君。私は可憐な彼女を見ているだけで幸せだった」
 「なんでっスか? 告白しちゃえばよかったのに。ねえ、ハヤトさん?」
 そうだね、とノブオに頷き返したところで白鳥先生は大きな声で慌てたように言った。
 「――まさか!! どうしてそのようなことができるというのだ!!」
 ふたたび白鳥先生は、椅子を蹴飛ばす勢いで立ち上がった――今度は逃げようとしたわけではなさそうで、単に驚いただけといったふうだった。

 「先生。落ち着いて欲しいのだが」
 「ああ、済まなかったね。ダイゴ君」
 ダイゴに宥められて、先生はおとなしく席に着いた。
 ノブオが冷水器から水をくんでテーブルに置く。それを飲んで一息ついて先生は続けた。
 「私ごときが花に触れてはいけないのだ、と当時の私は自分に言い聞かせていた。それも強がりでしかなかったことくらい、解ってはいるのだけれど」
 「つまり、失恋するのが怖かった、ってこと?」
 オレが訊くのに、白鳥先生はこくりと首を縦に振る。
 「そう――かもしれない。というよりも、すでに彼女にはいつも仲良さそうにしていた男子がいたというのが私を前に進ませなかったという話だね」
 「そんなの関係ないっスよ!!! 男なら当たって砕けろ、ですよね、兄貴? って、あれ?」
 
 ノブオが同意を求めた先はリュウジだった。
 うん、きっとノブオに加勢するんだろう――とオレもダイゴも思ったけれども、実際のリュウジの反応は予想外だった。
 リュウジは、らしくない声音で静かに、感慨深そうにこう口にした。
 「白鳥先生……俺、すげえわかるぜ。そのころの白鳥先生の気持ち。見てるだけで幸せだ、とかっての」
 もしかしたら初めてリュウジと白鳥先生の波長が合った瞬間だったのかもしれない。




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【鬼浜魂疾走編 登場人物紹介】

☆ハヤト:このおはなしの語り手
鬼浜爆走愚連隊・特攻隊長
単車勝負が得意 実家はバイク店「魔速商会」
一般評=クールなモテキャラ リュウジ評=とぼけた奴 趣味は昼寝

☆リュウジ
鬼浜爆走愚連隊・初代総隊長
喧嘩も単車も最強 実家はラーメン店「昇龍軒」
人情派で人望篤い 女子にめっぽう弱い 実は寂しがり屋の一面も

☆ダイゴ
鬼浜爆走愚連隊・親衛隊長
喧嘩勝負が得意 実家は鬼浜寺
寡黙で頼りになる存在 柔道の使い手 精神世界にも精通

☆ノブオ
鬼浜爆走愚連隊・若手
喧嘩も単車も修行中
総隊長リュウジを誰よりも慕う 打たれ強さは比類なし

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★コウヘイ:暗黒一家・初代総帥
★ハンゾウ:暗黒一家・特攻隊長
★ゴンタ :暗黒一家・親衛隊長
★タカシ :暗黒一家・若手

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コメント

どもども!こんにちは☆

好きだけれど、失恋するのは怖い。
悔しいけれど、肝心の一歩が進めない。
……切ないですね、白鳥先生…(ノД`)゜。
あおいさんと仲が良さそうにしていた男子…
一体、誰なんでしょうかねぇ…

>「白鳥先生……俺、すげえわかるぜ。そのころの白鳥先生の気持ち。

リュウジにも、想い人がいるんでしょうか…。
公式では、アイちゃんになってますが。

>鬼ムチコさま

ども~(*^ー^)ノ

白鳥先生も普通の青年だったみたいです(*´Д`)=з
って……あんま普通じゃないかw
ストーカーまがいの行為を……だはは。

リュウジの想い人は、どんな娘なんでしょうね~。
やっぱアイちゃんなのかな。
ハヤトは教えてもらえないみたいなんで、なかなか登場しないんですw
ってか、リュウジは恥ずかしがり屋さんみたいだし。
エロ本買ってるのもハヤトには内緒のようです(〃∇〃)

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