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6月20日 1-1

 

 「そしたらハヤト。今日は22時集合な。忘れんなや!!!」
 「OK。しっかり覚えとく。じゃあまたあとで」
 
 学校帰りのこと。リュウジの家まで一緒に歩いて、別れ際にリュウジは声を張った。
 6月の時期柄、湿っぽい天気が続くようになっているけれど、今日は案外さわやかな天気。リュウジの顔もつられるように晴れ晴れとしていて。
 うん、あの日と同じだな――なんて思うとなんだかほほえましい。
 
 リュウジは覚えているんだろうか。今日が『今日』だってことを。
 ひとりで歩きながら、オレはあのころのオレたちに思いを馳せているところ。
 
 ――あのころのオレは、今よりも髪の毛が短かった。
 今よりも頬がふっくらしていて、もしかしたら多少は早起きだったかもしれない。
  
 オレたちが1年のころのこと。ちょうどテレビの天気予報で梅雨入りしたって言っていた日のことだったと思う。
 雨は降っては止む、といった天気の日。またいつ降り出してもおかしくない厚い雲のかかった空を眺めながら、リュウジとダイゴとオレと、3人で河川敷の土手を歩いていた。
 
 リュウジとダイゴは小学生からの長い付き合いで、オレはふたりとは鬼工に入ってから知り合った。
 入学式の朝に校門の前でリュウジと激突――喧嘩っていう意味じゃなくて、単に思いっきりぶつかったってことだけど――してからなんとなく仲良くなって、ごく自然に一緒に行動するようになってた。
 知り合ってから2ヶ月で、オレはリュウジがどんな人物だか理解していた。
 何に対しても真剣で、一生懸命で、熱くて、それでもって人情派で。
 そんなリュウジはオレのどこを気に入ったんだか知らないけれど、何かにつけて『なあ、ハヤト』って呼びかけられるようになったのは、初対面のたしか翌日だったと思う。
 
 ――あのころのオレは、今よりも不良だったような気がする。
 親父の晩酌に割り込んでみたりとか、たばこをくすねてみたりとか。
 まあ、今でも時々は似たようなことをするけれど。

 大人ぶって見せることがちょっとかっこいいかな、なんて思っているガキだったオレ。
 多分、そのころのリュウジはオレがそんな奴だって想像しなかったんだろう。
 知っていたら、リュウジのことだから声の限りにオレを怒鳴ったんだろうな。
 もっとも――今となってはうすうすバレてるもんで、たまには怒られたりするけど。

 梅雨入りの日のオレたちは、なぜだか知らないけれど他校生と睨みあっていた。
 リュウジとダイゴとオレは、他愛のない話をしながら土手を歩いて、そのままなんとなく河川敷に降りてみたんだった。
 そこで他校生と遭遇した。制服を見てそれと知れる暗黒水産の生徒――そのときは名前なんて知らなかったけれど、コウヘイ、ハンゾウ、ゴンタの3人組だった。
 ああ、名前は知らなかったとはいえ、そういえば見覚えのある顔はあったんだった。オレはそれまでに、ハンゾウの顔を見たことがあった。

 素性も知らない3人組の中の一目でわかるリーダー格の奴――コウヘイが、顔を合わせるなりリュウジの正面に立ちはだかって低く声を放った。
 「やっと会えたな」
 「うん――?」
 「俺はなあ、貴様と再び会うのを楽しみにしていたのだ。もう何年も、な」
 突然こんなことを言われて、そのときのリュウジは訝しむようにコウヘイを見ていた。

 「何だって? 俺、あんたとは会ったことねえと思うけどな。人違いじゃねえのか?」
 「ふん。貴様になくとも、こちらに覚えがあればそれで充分だろうが。それだけで、充分に勝負するに値するということだ」
 「何言ってやがる? あんた、俺に喧嘩売ろうってのか?」
 「随分と物分かりがいいじゃねえか。解ってるんなら話が早いなあ?」
 「何――だって?」
 リュウジは意味もわからないまま売られた喧嘩でも買わずに退ける男じゃないんだ、と、オレははじめて気づかされた。もっとも付き合いの長いダイゴには、この展開のなれの果ては見えていたみたいだったけれど。



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【鬼浜魂疾走編 登場人物紹介】

☆ハヤト:このおはなしの語り手
鬼浜爆走愚連隊・特攻隊長
単車勝負が得意 実家はバイク店「魔速商会」
一般評=クールなモテキャラ リュウジ評=とぼけた奴 趣味は昼寝

☆リュウジ
鬼浜爆走愚連隊・初代総隊長
喧嘩も単車も最強 実家はラーメン店「昇龍軒」
人情派で人望篤い 女子にめっぽう弱い 実は寂しがり屋の一面も

☆ダイゴ
鬼浜爆走愚連隊・親衛隊長
喧嘩勝負が得意 実家は鬼浜寺
寡黙で頼りになる存在 柔道の使い手 精神世界にも精通

☆ノブオ
鬼浜爆走愚連隊・若手
喧嘩も単車も修行中
総隊長リュウジを誰よりも慕う 打たれ強さは比類なし

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★コウヘイ:暗黒一家・初代総帥
★ハンゾウ:暗黒一家・特攻隊長
★ゴンタ :暗黒一家・親衛隊長
★タカシ :暗黒一家・若手

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◆関連するおはなし
 リュウジとコウヘイが初めて対決したときの件
  → 本編/自転車狂詩曲 ←
  → 承前/新米教官の自尊心 ←

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コメント

うん

なんかね、、情景が浮かんでくるのよ。
みんなの笑顔とか、じゃれ合ってる感じとか。
いいわ~(人´д`*)

これってアニメ化して欲しい。。

( ・∀・)ノ コンチャー♪

ハヤトって。
リュウジと出会って、少し丸くなったんでしょうかねぇ^^
もし出会わなかったら、ツンツンした感じのままかも。

あ、そうそう。
boboさんの言う通り、私もアニメ化希望!
もしくは、OVA辺り?

>boboさま

ども~(*^ー^)ノ
こちらまで来てくれて、どうもありがとう☆

>なんかね、、情景が浮かんでくるのよ。
わああ、すごくうれしい(=^▽^=)
そう感じてもらえて感無量だわ♪
奴ら、ごく普通にそのへんにいるように感じてたりしてw

アニメ化――゜゜(д )!!!
いや、まさか。だはは。
でも、挿絵とか描けたらよかったな、って。それは思う。残念。

よかったらまた遊びに来てね~(〃∇〃)

>鬼ムチコさま

ども~(*^ー^)ノ

>ハヤトって。
>リュウジと出会って、少し丸くなったんでしょうかねぇ^^
そうそう!!! そんな感じかもしれません!!!
伝わってよかったわぁ(〃∇〃)
ごく普通のちょっと不良な感じだったんだろな、って思うのw
リュウジがハヤトを気に入ってよかったわ。なんちて^^

アニメ化――OVA((((;゜Д゜)))!!!
いや、まさか。だはは。
でも、もしも描ける人だったら、漫画でリリースしてたと思うんですよ。
そのほうが伝わりやすいんでしょうね~。文字よりも^^

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