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勇者的夏休みへの入り方 1-1



 言葉の響きを聞くだけでなんとなく童心に返る、とでもいうか。
 甘やかな響きを内包した『夏休み』を満喫しはじめて数日が経ったオレたちは、リュウジもノブオも非番だという日を狙って4人でおもちゃ屋に来ている。
 先導はもちろんダイゴだ。
 走り慣れた国道をしばらく行って、交差する県道に折れて。さらに走ったところにダイゴのよく来るという店があった。

 敷地面積が広くて、天井が高い造りの店。単車を停めて、オレたちは意気揚々と店内へ。
 「うわ、なんか空気が懐かしいっスね~。子供のころを思い出しますね~」
 久方ぶりに制服でもなく、昇龍軒のお仕着せでもない姿を見せたノブオがにっこり笑ってそんなふうに言っているもんだから、オレもついついちょっかい出したくなったりして。
 「っていうか、ノブオはついこないだまで子供だったんじゃないの?」
 「そんなことないっスよ!! オレ、精神的にはハヤトさんより年上かなって思ってるっスもん」
 「……そうなんだ」
 うん。もう慣れてるんだけどさ。ノブオの奴ってオレをそういうふうに扱うんだよね。
 なんでなんだろな。

 しかも、それについては誰も意義を唱えないのは――なんでなんだろな?
 「わはははは!!! まあ、いいじゃねえか、ハヤト。な?」
 「ちぇ。そうだよな。リュウジは自分とこの店員を庇うよな、普通」 
 ちょこっと肩をすくめてリュウジに言ったら、ダイゴがこれまたにこやかに言う。
 「そういう問題ではなかろう、ハヤト。というよりも、ある意味ではこの中で一番精神年齢の低いのは俺ゆえ」
 「うん? どういう意味だ、ダイゴ」
 「皆が懐かしむ店の、いまだ常連なのだしな。俺は」
 ごく当たり前のようにリュウジの問いにダイゴが答えた。それを聞いたオレはひたすら感心だったんだ。
 「そういう達観した言葉言えるって。ダイゴさすがだね」
 「ホントっスね。ハヤトさんとはひと味違う」
 「ってノブオ、ちょっと待てよっ!!」
 うん。やっぱりオレはオレで精神年齢が高いとは言えないよね。
 言い捨てて店の中に向かって逃げるノブオを、思いっきり走って追っかけてるんだから。

 そんなこんなのレクリエーションを終えて、リュウジとオレはダイゴのあとについて店内を練り歩く。
 「うわ、懐かしいね。このミニカーのシリーズ、まだあるんだ」
 「そうだな。このシリーズはずっと昔から途切れることはないな。実車に沿った新しい型がリリースされるのもさることながら、旧型車両の復刻版も出ているし」 
 ディスプレイされているミニカーの棚に貼り付くようにしていたらダイゴが説明してくれたり。
 ひとつ隣の棚を見ていたリュウジが昔のアニメに出てくる戦闘機のプラモデルの箱を持って来たと思えば、テンション高めに話しかけていたり。
 「ダイゴ!!! これ、同じやつ。昔作ってくれたよな?」
 「ああ――そんなこともあったな。これはパーツが多いので俺も組み立て甲斐があったのを覚えているな、リュウジ」
 「だよな? ダイゴにしちゃ珍しく、自分ちに持って帰ったもんな。落ち着いて作りたいって言って」
 「過去の汚点を覚えているのだな、リュウジ」
 「わはははは!!! 汚点なんかじゃねえってば!!! だってな、ハヤト。ダイゴって大概、組み立て図なんて見ねえで作ってたんだぜ? プラモデル」
 「ああ、うん。それわかる。こないだ一緒に作った時もそうだったしね」
 「そのあたりは、まあ、慣れと勘が勝負なのでな」
 ダイゴが照れ笑いしてるのが、なんだかおかしい。




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