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ジグソーパズルの1ピース 3-1



 そのまま引き続き、午後の野球部の練習に参加しているリュウジとオレ。
 遊びで参加したら邪魔にならないのかな、と思ったけれども――
「いつもと違う練習ができるのは悪い経験ではないのだよ。よかったら相棒さん、ノックされてみてくれないか? 打球がどこに飛ぶか予想がつかないので、案外いい守備練習になるかもしれない。リュウジも全開で打ったらかなり飛びそうだし」
 なんて森園主将が言ったもんだから、張り切ってた。とくにリュウジが。
 夕方近くに町内をランニングして、本日の練習は切り上げになるようだ。
 運動不足だったらしいオレは、そのころにはすっかりへとへとだったから遠慮しようと思ったんだけど、リュウジが許してくれるわけもなく――町内一周してグランドに戻ってきたころには、朝セットしてきた髪の毛もすっかりへこたれていた。
「では本日終了、また明日」
「おつかれっした~!!!」
 なんて挨拶のあと、全員で道具の片付けやグランド整備なんかをして、すっかり片付いたころには空にオレンジ色が降りてくる頃合いだった。

 グランドの隅で、リュウジはまだ投げ足りないという1年生くんに付き合ってキャッチボールを始めた。もしかしてリュウジが付き合ってもらってるほうかもしれないけど。
 それをなんとなく眺めながら、玉城とオレは藤棚の下のベンチで体を休めている。
「昼の話の続きなんだけどさ」
 スポーツドリンクのペットボトルを弄びながら玉城が言った。
「コウちゃんの言ってた『俺が一番であることを思い知らせるべき相手』っていうのは、今にして思えばリュウジのことだったのかもね。何かの拍子に、リュウジが鬼工を志望してるって知ったとか、そんな理由だったんじゃないかと思ったんだ」
「リュウジが?」
「そう。リュウジが鬼工なら自分はそのライバル校へ行こう、とかね。ほら、ここらじゃリュウジって中学の頃からけっこう有名人だったから。僕の中学でも、『鬼浜中の強いやつ』とか聞こえてきてたし。ハヤトも知ってたろ?」
「いや、オレは知らない」
「え? ほんとに? それってもしかして、リュウジがよく言ってる『ハヤトらしい』っていうやつ?」
「いや、そうじゃなくて」
 玉城は憎めない表情でオレの顔をのぞき込む。さすがにオレも苦笑せざるを得ない。
「うち、オレが高校に入るときにこの町に引っ越してきたから、行ってた中学はちょっと遠いんだ」
「ああ、そうか。じゃあしょうがないか。よかった、なんか安心した」
 ここらじゃ中学のときから有名だった我らが総隊長どのは、捕球ミスしたボールを追っかけてオレたちのいるベンチ付近まで走ってきた。
「ハヤト、待たせて悪いな。何だったら先に帰ってもいいぜ?」
「いや、平気。ゆっくり遊んでもらっておいで」
「そうか? じゃあもうちょっとな!!! 玉城、1年借りてて悪いな」
 リュウジは至極楽しそうだ。濃くなってきた夕焼け色に赤い髪がよく映える。

「しかしリュウジって体力あるね。僕ら毎日やってるから慣れてるけど、それでもさすがに疲れてるのに、全然元気そう」
「多分、もともと恵まれてるんだろうね。オレもうらやましいと思った。オレなんか明日起きられるかどうか」
「それが普通じゃない? それにハヤトは明日は朝、ゆっくりできるから平気だろ。ほんとは補習じゃないんだし」
「……いや、多分リュウジに連れ回される運命だな、明日のオレも。もうあきらめた」
 ふたりして笑った。オレは極めて力なく、だけど。
「リュウジがもともと恵まれてるなら、コウちゃんは頑張り屋かな。何かと一番にこだわる男でさ、ストイックな努力家タイプ」
「へえ。それも意外だね」
「一番になるために、頭で効率的な作戦を練るとか、そういう感じだったかな」
「対するリュウジは本能の漢、か。真逆なのかもね」
「うん。努力して一番になる、ってのは、ほら、僕なんかも試合のために練習してるんだからわかるけど、リュウジの強さとか人望とかは、やっぱりナチュラルっぽいよね。ああ、でも喧嘩の練習とかはしてるのかな? わかんないけどさ」
「ん――それはどうなんだろ。少なくともその練習台にはなりたくないな、オレ」


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コメント

>ストイックな努力家
>本能の漢

これ、いい表現ですねww(* ̄∀ ̄*)
確かに、リュウジとコウヘイってそんな感じがしますもん。
ただ闇雲に、嗾けてるわけじゃないんですね^^

て言うか、リュウジの喧嘩の練習相手になったら、一発KOですよww
並の人じゃ、絶対無理ですww

>鬼ムチコさま

どもども(*^ー^)ノ

>いい表現ですねww(* ̄∀ ̄*)
お褒めいただいて……うれしいです(〃∇〃)
コウヘイは「遊びの延長」に見せてても実はあれこれ
考えてるんじゃないかな~、とか思ってたり。

……だって、「紅蓮隊」のコウヘイボーナス、もうちょっと
ひけてもいいんじゃないかと!!!
何も考えずにこっち向かって来いやコウヘイ!!! とか思ったりw

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