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ジグソーパズルの1ピース 4-1



 朝、体を起こしたら案の定。全身が筋肉痛にさいなまれていた。
 というか、朝起きたこと自体が案の定――リュウジの肉声朝コールにたたき起こされて補習に付き合わされるためだったんだけど。
 午前2時間のリュウジの補習が終わるのを待って――オレは同じ教室にいたんだけど――召集されたダイゴとノブオに学校で合流して、4人で浜へ行くことになった。
「ちょ、ゆっくり歩いてほしいんだけど。オレ、体中痛いんだってば」
「わはははは!!! ハヤトだらしねぇぞ!!! ほら、甘やかすとよくねぇからな。さっさと行こうぜ、ダイゴ、ノブオ」
「は~い、兄貴!! 急ぎましょう。ハヤトさんのために」
「って、ノブオ。お前ね……」
「ハヤト。案外動いたほうが筋肉痛は早く解消するかもしれぬゆえ。頑張れ」
「ダイゴまでそう言う?」
「押忍。荷物くらいは持ってやろう」
「……ありがと、ダイゴ。って、ああ、だから待ってくれってば」
 やれやれ。自業自得ってことなのか。オレも何か運動、しようかな……。

 さんさんと降り注ぐ夏の太陽。昼前なのでまぶしいほどの陽射しだ。
 それに包まれるオレたち4人――有り体に言って柄のよろしくない一団は、やっぱり周囲から浮いてるような気がするんだけど、それでも海は笑って許してくれる気がする。
 うん、夏だね。肌がちりちりする。
 砂浜の適当なところに陣取ってレジャーシートを広げて、荷物を置いて。服――リュウジとオレは学ラン――の下にそれぞれ水着着用だったので、至って身軽に準備完了となる。
「よっしゃ、泳ぐぜ!!!」
「は~い、兄貴!! 行きましょ~」
「リュウジ、ノブオ。準備運動はした方がよいぞ」
「あ、そうっスね、ダイゴさん。兄貴~!! 一旦戻ってくださ~い」
「オウ、そうだな。ってか、ハヤトは何してんだ?」
「え。浮き輪膨らましてるだけだけど、それが何か?」
「うはは、ハヤトさん、泳げないんっスか?」
「いや、そんなことないけど。ただ、のんびりしたいじゃん?」
「……まあな。ハヤト、似合いそうだもんな、浮き輪」
 なにやら諦め口調のリュウジであった。まあいいか。

 さっそくひと泳ぎ、とそれぞれ散っていった。
 リュウジとノブオはものすごい勢いで、ブイのところまで競争の様相。
 オレは持参の浮き輪でのんびりを決め込んでおり、ちょっと泳いでから何か考えた末に一度砂浜へ戻ったダイゴは、海の家からタイヤチューブの大きい浮き輪を借りてきてた。
「なんだ、ダイゴもやっぱりのんびりしたいんだ」
「押忍。というか、実はあまり泳ぎは得手ではないのだ。この年齢で浮き袋もどうかと躊躇していたのだが、ハヤトがいれば照れもないゆえ、甘えてみた」
「あれ、そう? ダイゴって運動なんでも得意だと思ってたんだけど。意外だな」
「筋肉の比率が大きいらしいので、あまり浮かないのだ」
「あ、そうか。柔道家のそんな話、聞いたことあるな。鍛えてる成果なんだ。すごいな」
「そう言ってもらえると助かるな、ハヤト」
 ダイゴがめずらしくはにかんだように言った。

 しばらくして一旦水から上がって小休止していたとき、浜の上の国道から声が呼んだ。
「お前たち、今日は海水浴か?」
 声の主はマウンテンバイクに跨って、道からオレたちを見下ろしている。
「オウ、赤ジャージ!!! 仕事あがったのか。お疲れだったな」
「まあな。リュウジのような生徒がいなければ非番なんだが。仕方ないことだ」
「何言ってるんだよ。それが仕事なんじゃねぇか」
 なんてリュウジがぶつぶつ言ってる。小声なのは済まない気持ちなのかも。
「おお、いいことを思いついた。リュウジ、ハヤト。来週のお前たちの補習のとき遠泳をしよう。それに参加したら補習2日分とするのはどうだ?」
「オウ、それ賛成だぜ赤ジャージ!!! 俺、何時間でも泳げるからな」
「ええと……オレは普通にプールのがいいんだけどな。ダイゴもそう思うよね?」
「いや、俺は補習ではないのでな。悪いが」
「あ、赤ジャージ先生、オレもいいこと考えたっス!! ビーチバレーどうっスか? それだったらオレ、ハヤトさんにコーチできるっス」
「って、ノブオ。いい加減なこと言うんじゃないよ、まったく」
「それも悪くないかもしれん。よし、よく考えてみるか」
 じゃあ来週を楽しみに、と赤ジャージは颯爽と国道を走り去った。なんか不安だ。


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