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ジグソーパズルの1ピース 7-1



 オレだったらどうだろう。やっぱりリュウジと同じように考え込むんだろうか。
 仮にオレの最大の強敵が決着のつかないままどこかへ去る――勝負を降りるのと同じ意味をもつ方向へ進もうとしたら、やっぱり複雑なんだろうか。
 確かにそうだろう。
 奴さえいなければオレの敵などいないも同然。けれども奴が『いる』からこそ、オレがオレとして在るような――仲間とは違った意味でやはり『いる』ことに意義がある存在っていうのは重要に思える。

 たとえて言うならジグソーパズル。
 『オレ』というタイトルのついたジグソーパズルがあったとして、1ピースずつ、それがどんな色や形のものでもすべてのかけらが意味を持っているはずだ。
 何かのはずみに1ピースだけ無くしてしまったら、『オレ』のジグソーパズルは本来のものとは違ってしまうんじゃないか。
 うまいこと代用品をこしらえたとしても、元々が一枚絵なんだからいくら似せたところでそっくり元通りにはならないだろう。
 無理に不在を埋めようとして四囲のピースを近づけたとして、そこは埋まるものではないし、確実に全体に歪みが生じてしまう。
 その不安定さ、不格好さはどれほど落ち着かないことだろう。
 おそらく昼間のリュウジの胸の内はこんな感じだったんじゃないだろうか。
 『リュウジ』という名前のジグソーパズルから《コウヘイ》のピースがこぼれ落ちたらどんな絵が完成するんだろう、とか、そういった具合の頼りなさ。
 ピースの欠落による己の無敵なんて、リュウジは望んじゃいないだろうから。

 夕方親父が戻ってきたのと、今度はリュウジが入れ替わりに帰っていった。
 じゃあ夜、あらためて集合な、の語尾に感嘆符をつけてオレに言ったリュウジを見て、親父は『よしよし』と頷いていた。よほど昼に見たリュウジの感じがおかしかったんだろう。そして、夕方には普通に戻っていた、っていうことなんだろう。

 夜の集合には、ダイゴにも召集がかかっていた。集合場所が昇龍軒だったので、いつの間にか居着いてしまったらしいアルバイト店員のノブオはそのまま居残りという格好。
 閉店後の掃除を終えた昇龍軒に集まったオレたちは、薄暗い店内の奥のテーブルで話すことになる。
 まずリュウジが昼間に玉城から聞いた情報をダイゴたちに話した。その後を承けてオレが土曜の夜に見た光景を聞いてもらう。
「というわけなんだが、俺はとにかく納得がいかねえんだ。奴が行くなら行くで俺がどうこうできることじゃねえのは解ってるんだが、一度決着をつけないことにはと収まらねぇ、って言うかな」
「リュウジの思いは理解した。挨拶のひとつもなしに、というのが筋ではないのだな」
「ですよね。兄貴は筋が通ってないことは大嫌いですもんね」
 リュウジが言い終えると、ダイゴもノブオも理解したようだった。
「うん。もしかしてこれから挨拶に来る予定とかはしてるのかもしれないけど、玉城に聞かされてからも悠長にそれを待ってるリュウジじゃないよな」
「押忍。玉城に話したということは、こちらの耳に届いていると考えるだろうしな」
「奴の出方はわからねえが、俺は俺の思うようにすることに決めたぜ!!!」
「兄貴、そしたら……?」
「俺から動くぜ、ノブオ。何が何でも奴を捜して話をつけてやる。話の後にどうなるかはその時次第だけどな!!!」
 リュウジが言うのに、オレたち3人はそれぞれ頷いた。
「OK。それじゃ行こうか、リュウジ。早いほうがいいだろ?」
「オウ、ハヤト。そうだな。けど、こんな時間から外へ出て、明日お前起きられるのか?」
「あはは……うん、まあ、大丈夫じゃない? いつもみたく起こしてもらえれば」
「あ、そうっすね。ハヤトさんも明日補習っスもんね。オレも心配っス」
「ハヤト。プールで居眠りはまさに危険ゆえ、考えた方がよいのではないか?」
「……ええと、心配かけて悪いね、みんな」
「本当だよな。ハヤトが単車以外の時でもしゃきっとしてたらな、ってよく思うぜ」
 もっともらしくため息をつくリュウジに向かってダイゴとノブオは頷いた。悪かったよ。
 
 さて、善は急げとばかりに夜の鬼浜町へ乗り出したオレたち4人であった。
 目標は暗黒一家の捕捉。いつもだったら適当に走ってるだけで会いたくなくても遭遇してしまうといった間柄なのに、この日に限ってどこをどう走っても奴ら一団を見つけることはできなかった。


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コメント

今回の話を読んで、今更ながらタイトルの意味が理解できました(笑)

でも本当に、ジグソーパズルって不思議ですよね。
一つでもピースをなくすと、絵は完成しない。
代用品で補ったとしても、完成はするけど本当の完成品じゃない。
そんな好敵手な彼らを、上手く表現されてて…
私、何か感動しましたww(*´∀`*)

>鬼ムチコさま

どもどもでっす!!

>今回の話を読んで、今更ながらタイトルの意味が理解できました
ですよね~www
ある意味タイトルの説明といった回でした。まわりりくどくてすみませんです。

いまのお話のタイトル、実はなかなかつけられなくて。
5話目くらいのときにようやくつけられたんです。
というか、最初タイトル決められなくてうpできなかったんですf(^ー^;
下手すると今作のプロット立てるより時間かかったかも……。
実はタイトルってすごい苦手だったりして。だはは。

読んでくださって、しっくり来ました?
だったらこちらもうれしいです。

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