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ジグソーパズルの1ピース 8-1



 リュウジの声は、暗黒一家の負傷兵を除いた連中をこぞって振り向かせた。
「ちっ。貴様――相変わらず理解力に乏しい奴だなあ」
 低く、先程手持ちの木刀を唸らせた打撃音よりもさらに低い周波数でコウヘイは言う。 「貴様、聞こえていたんじゃねえのか? 俺は俺の後釜を捜している最中でなあ。ということは考えるまでもなく貴様の出番はねえだろうが!!!」
「そんなこと俺が知るわけねぇっての!!! 俺はお前を倒せると思ったから名乗りを挙げただけじゃねえか――何か文句あるのかよ!!!」
 互いに腹の底からの咆吼を闇に放った両雄――リュウジとコウヘイの二者である。
 奴を取り巻いていた暗黒一家の人垣は割れて、コウヘイをオレたち4人の前に晒した。
 ひとときの静寂の中の対峙。リュウジが願ったコウヘイと真っ向の対峙であった。
 
 暗がりでの無言の視線の応酬を破ったのはリュウジだった。
「コウヘイ、お前、俺に何か言うことあるだろう?」
「別に何ひとつ貴様に言い残すことなぞ思いつかねえがなあ」
「何だと――? お前、俺に挨拶もなく逃げようって気なのか? それが隊の頭を張る者が取るべき態度だとでも思ってやがるのか? 見損なったぜ、コウヘイ!!!」
「くだらぬ戯れ言を持って来ただけならさっさと去りやがれ、貴様等。何度言えばわかるのだ。俺は貴様に構って時間を潰すほど暇ではないと言っているのだゴラァァァ!!!」
「そっちの予定を俺が慮る義理がどこにあるってんだよ!!! ともかく筋を通しやがれ、コウヘイ!!! 手前が張った頭を手前の都合で辞するのは勝手だが、俺とお前との間にある因縁を他の誰かに尻拭いさせようってのが俺には納得できねえんだよ!!!」
「ふん、抜かしやがる」
 誰かの単車の前照灯がコウヘイを白々と照らしている。発する笑みは不気味ですらある。
「どっちがだ!!! つべこべ言ってる暇はねぇんだろ?」
 オレの眼前を塞ぐように立ちはだかるリュウジの背。特攻服の内側の筋肉が小刻みに震えているらしいのは怒りのせいか、それとも武者震いというやつなのか。
「ああ、貴様と遊んでいる暇なぞ皆無だがな。引き揚げさせるには殺るしかねえか?」
「上等!!! 勝負だコウヘイ!!!」

 リュウジの宣言とともに、場の空気が一変する。
 居並んだ暗黒一家の連中は闘いの巷を奴らの総帥と我等が総隊長に譲るがために、立ち位置をそれぞれ数歩ずつ後ろへ移す。オレたちも少数ながらそれに倣った。
 
「うォりゃァァァァ――!!!」
「ウラァァァァァァァッ!!!」
 互いに最初の一撃ずつを繰り出す。
 リュウジは身を低く構えてコウヘイの下腹あたりに狙いを定めて拳を振るった。
 対するコウヘイは鋭いさばきで手持ちの木刀をリュウジの背めがけて振り下ろす。
 空気を切る乾いた音。続けて生身に攻撃が命中する湿った音。
 河川敷を吹き抜ける夏の夜風に、それらは流されずに見守る者どもの鼓膜へ届く。
 どちらも体勢を崩してはいなかった。どちらの口からも、呻き声は出てこない。

 ただ、両者とも倒れてはいなかったが次の攻撃を仕掛ける体勢へと先に入ることを得たのはリュウジの方だった。目を瞠る瞬発力があった。
「――ッの野郎……!!!」
 素早く振りかぶり、手刀を作ってコウヘイの手元へ強く叩きつける。
「……ぐッ」
 コウヘイの右手に握られていた木刀が転がる。リュウジはそれを輪の外へ蹴り出した。
 砂利が乱れる音が続けざまに聞こえてくる。
「素手で来やがれ、コウヘイ!!!」
「貴様、いい覚悟じゃねえか。その上によく吼えやがる」
「お前こそ黙れっての!!!」
 
 互いに握った拳が震えている音が聞こえるような錯覚。
 続いて錯覚などではなく、確かに相手の肉を捉える拳のめり込む音。
 数度にわたる応酬の末――両者ともに頬を打ち合い……

 そしてリュウジは最後まで両足を地面にしっかりつけて立っていた。


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コメント

わあww
ハヤトの絵が横にww(*´∀`*)
飾ってくださってありがとうございます^^

おおう、リアルファイト…!!(゜Д゜;)
なにやら、普段とはまた違った威圧感。
筋を通さないと気がすまないやり方とはいえ。
やはり、喧嘩してる彼らを見るのは辛いですな(´・ω・`)

>鬼ムチコさま

このたびはステキ☆ハヤトをありがとうございました!!!
これからずっと左側に置かせていただきたく思います。
わたくし絵は不得手なので、なかなか彩りに欠けておりまして……。
そういった意味でもほんとに嬉しいのです(〃∇〃)

>やはり、喧嘩してる彼らを見るのは辛いですな(´・ω・`)
あれま、そうですか?
でもスロ打ちとしては奴らに勝負してもらわないと……みたいな(*♉ ≦)テヘ☆
……とか言って負け一方のオレorz

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