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地元から20km 1-2



 参加者の最後のひとり、というか一組が姿を現したのは、定刻から5分後だった。
 特別に点してもらったというナイター照明用の水銀灯が安定してきたころのこと。
「ごめん、遅れた!! 森園、すべり込みセーフ判定よろしく!!」
 はあはあ言いながら校庭を走ってきた長身ふたり組。片方はさっきリュウジが言っていた遅刻魔氏であろう。
 そしてもう片方、遅刻魔氏の友達と思われる連れは――
「あ……れ? もしかしてタクミ?」
「はい? さいですけど……って、もしやハヤト? なんでここにハヤトがいるのよ!!」
 立ち上がったオレ。乱れた息のまま立ちつくす見覚えのある顔。
 友達の友達は何とやら。森園主将は正しかった。
 鬼浜中学の同窓会に飛び入り参加のオレは、期せずして中学時代の悪友と久し振りの再会を果たしていたんだ。

 幹事の森園主将による開宴の挨拶をもって、鬼浜中学同窓会は始まった。
 あちこちで懐かしい話が花を咲かせたり、近況報告が飛び交ったりしている。
 途中で校舎から幾人か先生が出てきて混ざると、そこでまた話の種が出てきたり。
 宴会の主要メニューは鬼工野球部仕切りのバーベキューと、リュウジ作のおでんだ。
 手伝い担当の野球部と、オレとノブオは火の周りであれこれ焼いたり盛ったりしながらその光景を見てる。
 隣にいた野球部の玉城に声をかける。玉城もつい最近自分の中学の同窓会に出てたから。
「やっぱりいいもんだね、同窓会って。玉城のとこもこんな感じだった?」
「うん。懐かしい話ってのは盛り上がるよね。どんな小さいことでもさ。けど、今日のはそれだけじゃないね。主役の連れの人たちに昔自分たちの中で起きたことを話して聞かせる楽しみもあるみたいだから、より一層なんじゃない?」
「なるほど。森園主将はさすがに演出上手だな」
 視線をやると、森園主将は女の子たちに囲まれていた。やっぱりモテるんだ。

「おい、ハヤト!!! ちょっと来いや」
 鉄板からソーセージを1本もらったところでリュウジに呼ばれた。リュウジは森園主将とは対照的に男どもに囲ま……いや、何でもない。
「なに? リュウジ」
「今な。ハヤトのことが話題になってたんだぜ。なあ? ええと、アキの友達の……」
「タクミ、でいいっすわ。リュウジ隊長」
 にかっ、とオレの旧友はリュウジの横で笑ってる。その隣にいるのがタクミをここへ連れてきた秋山くん、だったかな。
「オウ。タクミがな、中学の遠足んときにハヤトとふたりで迷子になった話を、な?」
「そうね。あん時ゃ大変だったもんな、ハヤト。バスに置いていかれる寸前、っていう」
「ああ。そんなこともあったっけ。タクミと一緒に水族館でクラゲの水槽見てたんだよね。そしたら時間の感覚が麻痺しちゃって。館内広くて、出口がわかんなくなって」
 タクミと顔を見合わせて頷き合った。なぜか自分も追憶トークしてるんだな。
 ……まあ、懐かしいからいいんだけど、聞いてた連中にはうけるわけで。
「ハヤトらしい話だぜ」
「タクミらしくて笑える」
 同時にリュウジと秋山くんがこう言った。

「なんだ。俺らの仲間はどっちも似たもの同士か、アキ」
「それっぽい。さすが俺たち趣味が合ってただけあるな」
「趣味? じゃ秋山くんも漫画好きで喧嘩が得意だったり?」
「それじゃあれか。リュウジ隊長も女の子に弱いとかだったら笑えるわ」
 タクミとオレがこれまた同時に言ったら、リュウジと秋山くんは一瞬絶句。
 一拍の間をおいて、オレたち同時に怒鳴られてるし。
「ハヤト!!! 喧嘩は趣味ってわけじゃねえだろうが!!!」
「女の子に弱いのが趣味ってどういう解釈するよ、タクミ!!」
「リュウジ隊長もアキもそんな全力で抗議したらなおさら怪しいすわ。な、ハヤト」
 昔と同じくけらけらと高い声で笑うタクミにつられてオレも笑ってる。




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コメント

おお!ハヤトの悪友登場ですか^^

くらげを見てて、時間の感覚が麻痺って…(´Д`)
ハヤトと、ダクミ似たもの同士なんですねぇ^^
あ、でもあのゆったりとした動きを見てると、麻痺してくるのも分かる気が(笑)

>鬼ムチコさま

ども~(*^ー^)ノ

>ハヤトと、ダクミ似たもの同士なんですねぇ^^
タイプは違うけど、どっか似てる同士かな、って。
そんな相手とだらだらするのが居心地いい中学生だったハヤトを想像しました。

わたしの地元近くの水族館は、くらげ水槽が充実してるんですよ:*:・( ̄∀ ̄)・:*:
たまにふらっと、ひとりで出かけるんですけどね。
ほんとに一日中その前にいられる自信が個人的にあります!!!

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