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地元から20km 2-1



 参加者を数えてみたら50人を超えてたらしい、鬼浜中の同窓会。主役たちはそのうちおよそ半数だったとのこと。
 校庭での大所帯の夕飯を終えて――用意した食材はきれいになくなったようだ――、みんなで片付けをして。
 その頃になると同窓生たちとその友達もかなり打ち解け合っていて、初対面ながらもなかよくなったと思われる人々もいた様子。

 そのあとは校舎の裏手の土手から河川敷に降りて、みんなで花火をやった。これはさすがに校庭では許可が下りなかったんだそうだ。
 これまた大量に買い込んであった花火が次々と夜に咲く。
 火薬の匂いで鼻の奥がくすぐったい感じ。それそのものが夏の感覚だ。
 ダイゴが連発の打ち上げ花火に点火するのを見守っていたら、肩を叩かれた。
「ハヤト。ちょっと見てみ」
 振り向くと、タクミが口許に手を当ててくすくす笑いながら、あっち、と指で示す。
 見れば輪の隅の方、土手の真下でリュウジと、気の合う同士の秋山くんがふたり並んでしゃがみこんで、線香花火を持っている。
「ああ、線香花火。リュウジは長持ちさせるの巧いからな。秋山くんもそうなんだ?」
「違う違う。よく見てみ、って。ふたりとも花火に目が行ってなくね?」
「え――? あ、本当。火、消えてるみたいだ。じゃ何見てるんだ?」
 ふたりの視線を辿ってみる。と、行き当たったところにあったのは、ツインテールに髪を結った背のちいさな女の子。はしゃいだ笑い声を飛ばす元気そうな姿を追ってるようだ。
「あ、もしかして、あの子……?」
「な? それっぽいよな、ふたりして」
「うん。ふたりはライバル同士だったのかな、中学の頃」
 なんだか中学生時代のリュウジが想像できて微笑ましい。たぶんタクミも、秋山くんを見て似たようなことを考えているんだろう。

 花火が終わると自由行動となった。
「このあとは我々有志が企画を考えているので参加してくれてもよし、眠いなら寝るもよし、話したいなら話すもよし、恋を告白するならそれもよし、だ」
 森園主将がそう結ぶと、誰か『きゃ』ってな声を出した女の子がいた。さすが主将だ。
 鬼工野球部が用意した企画というのは、肝試しだそうだ。ほかにもトランプやボードゲームの用意があるとか。女の子向けにはタロット占いのサービス――これをできる部員がいたのには驚いた――も可能らしい。
「お望みならばダイゴも怖い話くらいは用意してくれるかもしれないが」
「いや、森園。それはやめておこう。洒落では済まんので」
 ……ダイゴの声がそう言うと、それだけでちょっと怖いよな。
 さて、オレはどうするんだろう。ひとまずリュウジの出方を窺うか、と思った矢先。
「あはは、やっぱりね。男子ってそういうの、意外と怖がるよね」
「べ、別に怖いわけじゃねえって!!! なあ、アキ?」
「と、当然!! リュウジの言う通り」
「じゃあふたりとも肝試し参加ね。リュウジもアッキーも」
 あらら、リュウジたちをけしかけてるのはさっきの、リュウジと秋山くんが目で追ってたツインテールの女の子じゃん。
 やれやれ、そこまで言われたら引けないよな、リュウジも。立ち位置がすこし離れているのを幸いに、オレはくすっと笑ってみた。
 鬼工野球部プレゼンツ・肝試し大会は、鬼浜中学の特別教室棟で開催されるらしい。
 かり出されたノブオはお化け役で参戦、ダイゴは『洒落で済まされない何か妙なこと』に備える係としてスタンバイ。リュウジは行きがかり上参加者となったようだ。
 ふたり一組で参加らしくて、場の雰囲気でリュウジは秋山くんと組むようだ。受付を見るに男女ペアもいるみたいなのに、ここに来てまで色気のないリュウジである。



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