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夏祭夜話 2


 「おっ、ケイタじゃねえか。オス!!」
 ノブオと連れだって焼きイカの屋台にいたリュウジが、オレたちを見つけた。
 と、ケイタの姿を認めて声を掛けざま、ぐりぐりと頭を撫でた。
 「あ……リュウジだ」
 オレの家にしょっちゅう遊びに来るリュウジは、当然のようにケイタとも顔見知りだった。
 
 「ん? どうした、何泣いてるんだ?」
 「友達と一緒にきたんだけど、はぐれちゃったんだって」
 なんとかダイゴと一緒になってなだめて、聞き出したケイタの涙の理由がこれだった。
 「ほう、そうか。この人出だもんな。チビはちゃんと手、つないで歩かねえとな」
 「だって……」
 「まあいいや。ほれ、ダイゴ。肩車してやれや。そしたら見つかるんじゃねえの? 友達」
 「押忍」

 ダイゴの肩に担がれて、ケイタはどうやら元気を取り戻したようだ。
 「すご~い、高いね、大きい兄ちゃん」
 「そうか?」
 「遠くまで見えるよ!!」
 「それならよかったね、ケイタくん。ほら、イカ食べるかい?」
 「うん! ありがとう、小さい兄ちゃん」
 ノブオに差し出されたイカを、ケイタはうれしそうに受け取る。

 「あ~~~、ケイタ!! タレこぼすなよ!」
 「わはははは、ダイゴ、頭についたぞ、タレ」
 「あ……ごめんね、大きい兄ちゃん」
 「──まあ、仕方あるまい」
 なんて言って、ダイゴは頭を手拭いでぬぐった。

 「ま、ダイゴさんは髪の毛短いから、洗ったらすぐ乾きますよね!!」
 「おい、ノブオ……。ダイゴ、済まない。オレの友達が」
 「ははは、気にしないで平気だ、ハヤト。ハヤトの友達なら俺にも友達だろう? なあ、ケイタよ?」
 「うん!! ありがと、大きい兄ちゃん」

 「お~、ケイタ、よかったな。友達増えたな!!」
 リュウジが言うと、ケイタは満面の笑みを見せた。
 「ぼく、ハヤトとリュウジの友達でよかったなあ」
 「お~、カワイイこと言うな」
 そして、リュウジはもう一度、ケイタの頭をぐりぐり撫でた。

 さて、真剣にケイタの友達を捜してやらなければ。
 「ケイタ、友達って男の子だろ?」
 「うん、そうだよ。ハヤト」
 「どこではぐれたんだ?」
 「ええとね、神社に入ってすぐのとこ」
 「ああ、入り口のあたりは一番混雑してますからね、ハヤトさん」
 一同はノブオに向かって頷いた。

 「どこ行っちゃったんだろ、アイツ」
 「そうだなあ。友達も今ごろケイタのこと探してるだろうしな」
 リュウジが心配そうに言う。

 「ケイタみたいに泣いてなきゃいいけどな」
 「もう、それアイツには内緒にしてよ、ハヤト」
 「ははは、悪かった」
 「でもね、アイツはきっと泣いたりしないよ。泣いてるのなんて見たことないもん」
 「ほう。強い男なのか?」
 「うん、リュウジ。アイツ、強いんだ~」
 いかにも自慢そうに友達のことをケイタは話す。いいよね、男の友情は。

 「それで、ケイタくん。友達はどんな恰好してるんだい?」
 ノブオが見上げるようにケイタに訊ねる。
 「えっとね、Tシャツと半ズボンで、帽子かぶってる」
 「う~ん……いっぱいいるなあ、そういう男の子は」
 この人出だもんな、なかなか厄介だ。

 「ダイゴ、ちょっとあっちの方、見てみようぜ」
 「社殿の裏手か?」
 「おう。俺もチビの頃こういう経験あってな。はぐれると決まって裏手に行ったもんだ。本能的に」
 思い出したようにリュウジが言った。

 「ああ、確かに裏のほうなら多少は空いてるからな」
 「なるほど。さすが兄貴!! ナイス本能っス!!」
 「よし、じゃあ行ってみようぜ、ダイゴ」
 「押忍」
 そしてケイタを肩車するダイゴを真ん中に、オレたちは社殿の裏手に回ってみた。

 確かに、参道や表側よりも人出は落ち着いている。
 射的やくじ引き、ハッカパイプなんかの屋台が並んでいる辺りに来ると──

 「あ……いた!!!」
 輪投げの屋台の前を指さして、ケイタは大きな声を出した。
 「おう、再会か!!! よかったな」
 「うん!!」
 ダイゴの肩から下ろしてもらいながら、ケイタはうれしそうにリュウジに返す。
 「みんな、ありがと」
 ぺこりとケイタはお辞儀した。やれやれ、これで一安心か。

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