目次

過去の記事をまとめて表示できるようにしてみました。 【 】がついている項目をクリックすると、それぞれのタイトルの記事を一括でお読みいただけます。 【 】内の数字が若い順に古い記事となっております。 【 】内の冒頭数字が同じものはそれぞれ対になるおはなしです。

これまでのおはなし

全タイトルを表示

御来訪感謝

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

夏祭夜話 4

 
 「お~、ノブオ、すげえな」
 「やったね、ノブオ兄ちゃん!!!」
 夏祭りの射的の屋台の前で、ノブオは胸を張っている。手には屋台のおっちゃんから渡された、ミニカーとクマの形の貯金箱。
 それらをちいさな友達ふたり──ケイタとカズマくんにプレゼントしながら、ノブオは顎に手を当ててポーズをとる。クールに決めたつもりらしい。

 「えへへ、言ったでしょう? 兄貴。オレは将来スナイパーを目指してるって」
 「あはは、ノブオ、もしかしてゴルゴに憧れてるんだ?」
 「ええ、そうっすよ。笑っちゃいやですよ、ハヤトさん」
 「あはははは、ごめんごめん。ちっとも知らなかったもんだから」
 「でも、あんまり似合わなねえよなあ、ノブオのスナイパー」
 「も~~~、兄貴まで。ひどいや」
 なんて殊勲者なのに、ノブオはむくれてしまっている。

 「ね~、ハヤト、すないぱーってなに?」
 ケイタとカズマくんがオレの両脇で訊ねてくる。
 「ん? そうだなあ、何て言ったらいいんだ?」
 子供向けにこんなことを説明するなんて、とオレは困ってダイゴに目をむけた。
 「正体を内緒にして、絶対に失敗できない仕事を請け負う男のこと、とでも」
 ダイゴも難しい顔をしながらこんなふうに言った。

 「ふうん? なんかよくわかんないな、ケイタ」
 「うん……わかんないね、カズマ。でも、ノブオ兄ちゃんって、内緒とかニガテそう」
 「わはははは、ケイタ、お前面白いこと言うな!!!」
 「んも~~~~、兄貴もケイタくんも、ほっといてくださいよう」
 そんなノブオに、オレたちは思いっきり笑わせてもらったのだ。

 「さて、気を取り直してこんどは金魚すくい行くぜ!!! 用意はいいか? ダイゴ」
 「押忍! 気合い充分」
 リュウジの号令で、オレたちはふたたび人混みの中を移動した。
 「おい、ノブオ。そんなにふくれてないで。はぐれるぞ?」
 「……は~い、ハヤトさん」
 「コラ、ノブオ!!! お前、はぐれたら泣きそうだからちゃんとしろよ!!!」
 「ええっ、泣きませんよぅ、兄貴~」
 とか言いながら、慌ててノブオは歩調を早めたのがおかしかった。

 金魚すくいの屋台では、今度はダイゴがヒーローとなる番だった。
 「さすが集中力自慢なだけあるな、ダイゴ!!」
 リュウジがしゃがんだダイゴの背中を叩いて祝福していた。
 「押忍!! 自己新記録達成、ごっつあんです」
 「やるねえ、あんちゃん。こっちは商売あがったりだわ」
 「はは、すまんです」
 ねじりはちまきのおっちゃんに、頭を掻きながらダイゴが応えていた。
 すくいもすくったり──ビニール袋4つに入った赤い金魚は、あわせて36匹を数えた。

 「わ~、ダイゴ兄ちゃんもすごいなあ!! ね、ぼくにも金魚ちょうだい!!」
 「ああ。好きなだけあげよう。カズマくんも欲しいか?」
 「うん、欲しいです」
 「それでは仲良く半分こするんだぞ」
 チビふたりに2袋ずつを手渡してやり、ダイゴは尊敬のまなざしを向けられている。

 「ダイゴ兄ちゃんもノブオ兄ちゃんも、すごいなあ。ね、カズマ」
 「うん! おれ、今日ケイタとはぐれて得しちゃったな」
 「わはははは、そうかそうか。カズマは前向きで感心だな」
 リュウジに言われて、カズマくんはすこしはにかんでいた。

 「ね~、ハヤトは何か得意なの、ないの?」
 「え? オレ?」
 オレは唐突にケイタに話題を振られる。
 「え~、そうだな、ん~……」
 「ケイタよ。ハヤトが得意なのはな、落書きせんべいが関の山だ」
 「っ!! リュウジ……」
 わはははは、とリュウジは思い出し笑いなんかしている。

 「あのな、去年の祭りのときにな、ハヤトときたら、もう……くくく」
 「ええと……リュウジ、もういいから」
 「ハヤトの描いた絵ってのが、もう……わはははは!!!」
 「リュウジ、オレにも触れられたくない過去ってのがあるわけで」
 リュウジが思い出しているのは、去年のオレの作品──イルカを描いたつもりだったのに、リュウジに『虹色のツチノコ』と称されたアレだ。

 「え~、ハヤト、ぼくも見たいよう。ね、カズマ?」
 「ハヤトさん!! オレも見たいっス!!」
 「何だよ、ノブオまで……」
 
 結局、オレは今年も恥をかく羽目に。去年と同じ落書きせんべいで……。
 去年と同じ、イルカ(のつもりのもの)を絵心満載で描いて……。
 ノブオやダイゴだけじゃなく、小学生にまで腹をかかえて笑われたよ、オレ。

 オレ以外のみんなは笑いながら、すこし喧噪から離れた、神社の裏門へ向けて歩いた。
 「そう悄げるなって。な? ハヤト?」
 「誰がそうさせてるんだよ、リュウジ!!!」
 ホントは悪いのはオレのセンスなんだけど。一応怒ってみたりする。

 「まあまあ。なあ、ケイタにカズマ」
 と、リュウジはチビたちに向けて話し始めたんだ。
 「なに? リュウジ」
 「人には向き、不向きってもんがあるんだ。ハヤトはな、絵はちょっとアレかもしれねえけど、単車の腕は誰にも負けねえから、それでいいんだ。な?」
 「そうだね!!! ハヤトはバイク乗ったら誰よりカッコイイもん!!!」
 「ははは、どうも」
 なんて適当に返事してみるけど──実はけっこう落ち込んでるよ、オレ。

 「でもさ、おれの兄ちゃん、ハヤト兄ちゃんに負けないと思う」
 唐突に、しかも自信ありげにカズマくんがこう言った。
 「カズマの兄貴か?」
 「うん、リュウジ兄ちゃん。おれの兄ちゃんも、バイクすごい速いから。誰にも負けない、っていつも言ってる」
 「ふう……ん」
 曖昧に応えたオレの目を、カズマくんは強い視線で見つめた。
 まるで──そう、まるであの男のような目で。
 

テーマ : パチスロ - ジャンル : ギャンブル

<< 夏祭夜話 5 | ホーム | 夏祭夜話 3 >>


コメント

久々w

ハヤトにお礼を言いに来ましたw
今日はありがとぉw
久々鬼浜やったんですよ♪
雷神やら特攻やらで勝たせていただきましたw
詳細はウチでUpしてますが
ホントありがとぉぉぉwww
本日はハヤトがいちばんつよかったw

勝ち!!

>>Tohkoさま
お~~~、ハヤトがやりましたか!!!
ハヤトってば、一度勝つと調子が上がりますよね (*^-^)b
お、今、胸張ってますよ。ウチのハヤトww
次も余裕で最速の予定だそうです!!



コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

 BLOG TOP 


  1. 無料アクセス解析
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。