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御来訪感謝

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夏祭夜話 6

 「とにかく本当に弟が世話になった。感謝する」
 別れ際にハンゾウは、オレたちにふたたびそう言った。
 
 「だがハヤト、今日は感謝しても次は容赦ないから、そのつもりで」
 「おう、当然!! それとこれとは別だからな。こっちも手抜きなしだ」
 さすがに握手とまではいかないまでも、オレはハンゾウと視線を合わせて挨拶した。こんな会話を交わすことは、奴と出会ってから初めてのことかもしれない。
 もしかしたら、違う出会いだったらオレはハンゾウとよきライバルで、なおかつよき友になれたのかな──なんて考えた。
 
 それでは、と会釈してハンゾウがカズマくんを連れて帰路につく。
 帰る方向の違うダイゴとノブオにも、参道を抜けたところで別れを告げると、オレとリュウジ、それからケイタの3人は町に向けて歩き出した。

 「やれやれ。妙な偶然もあるもんだな」
 「そうだな。まさかケイタの友達がハンゾウの弟なんて、思いも寄らなかったよ」
 なんて話しながら、ケイタを真ん中に置いてのんびりと3人で道をゆく。 

 「あのね、カズマってね、すごく兄ちゃんのこと自慢なんだって」
 オレたちの感慨の間に、ケイタが入ってくる。
 「うん、そんな感じだったね、さっき」
 オレはケイタに相づちを打った。

 「それでさあ、ぼくもハヤトのこと自慢にしていい?」
 「え? オレ?」
 「うん!!! ぼく、ほんとの弟じゃないけど、せったいハヤトの弟子になるから」
 「ケイタ──!!」
 えへへ、と鼻の下をこすりながら言うケイタが、無性にかわいく思えた。

 そんなオレたちを見ているリュウジも、なんだかうれしそうな顔をしている。
 「ハヤト、よかったじゃねえか。はりきり甲斐があるな!!!」
 「ああ、リュウジ。ほんとに」
 「こんな弟分がいたら、ハヤトにゃもう負けは許されねえな」
 「もちろん承知!!」
 「どうだ、ケイタ。ハヤトは頼もしいだろ?」
 「うん!! ぼく、ハヤトにはやく認めてもらえるようになるんだ」
 そうかそうか、と頷きながら、リュウジはケイタの肩に手を置いた。

 「なあ、ケイタよ」
 「なあに? リュウジ」
 「とにかく今は、大きくなるのが先決だぜ。いっぱい食って、しっかり体を作らねえとな。ニンジンもピーマンも、残すんじゃねえぞ?」
 「え~、ぼくピーマンは……」
 「ははは、嫌いなんだ。ケイタ」
 「コラ、ハヤト!! 甘やかすんじゃねえぞ!! 子供のうちにちゃんと食っておかねえとダメだからな、わかったか?」
 「は~い、がんばるよ、リュウジ」
 すこし元気なく、ケイタは答えた。よっぽど苦手なんだろうな。

 「それから、自分の為に泣くんじゃねえぞ。男とはそういうもんだからな」
 「うん、ぼく努力するね。もう泣かないよ」
 「よし、ケイタがんばれ」
 すこしはにかんだように笑いながら、ケイタはガッツポーズを見せた。

 「あとは、友達を大事にな。仲良く、でも互いに磨きあっていける友達ってのは大切だぞ」
 「わかった、リュウジ。ぼく、ケンカするのやめるよ」
 ケイタの言葉に一瞬リュウジはたじろいだ。
 「あ──いや、まあ、その、喧嘩はたまには仕方ねえだろうけどな」
 「ふうん?」
 「ははは、ケイタ、まあ大きくなったらわかるよ。いろんな場合があるってことだ」
 
 「とにかく、まっすぐに大きくなれよ、ケイタ。そしたら俺がお前のことを最強の漢にしてやるぜ!!」
 リュウジ、いいこと言うな。今さらながらにオレのココロにも、リュウジの言葉は突き刺さる。オレはなんだか感動していた。

 が──
 「え、あ、リュウジ……ありがと」
 リュウジにそう答えたケイタは、すこし複雑な表情をした。

 「でもさ、ぼく……」
 「なんだ?」
 「最強よりか、最速のがいいな、やっぱり」
 「な、何だとぅ?」
 
 かわいそうにリュウジは──立ち止まってがっくり肩を落としていた。
 「俺、立場ねえな……」
 そう言ったリュウジの目には、きらりと光るものが浮かんでいたようにも見えた。
 「あ~あ、最強の漢を泣かせたな、ケイタ。お前、もう充分強いよ」
 「え? ぼくが? リュウジ泣いてるの? どうして!!」
 「ふん、誰が泣いたりするもんか!! この野郎、ハヤト、適当なこと言いやがって!!」
 「お──いてっ!!」
 もちろん本気ではないリュウジの拳固が、俺の頬をほんのちょっと掠めた。

 「うわあ、リュウジ!!! ハヤトをぶっちゃいやだよ! ケンカしちゃダメなんでしょ?」
 「ああ、そうか……そうだな、ケイタ。俺が悪かったよ。おい、ハヤト。お前んとこの弟子は厳しいな」
 「ははは、なかなか出来がよくてオレも満足だよ」
  
 商店街の灯りが見えてきた。
 今年の夏祭りもこれでおしまい、そう思うと名残惜しくもある感じ。
 でも、きっと来年の夏祭りの頃には、体も心もひとまわり大きくなったケイタがいるんだろうな。
 さて、オレもケイタと一緒に精進しようか。だって、もうハンゾウには負けられないから。
 
 見上げれば、澄んだ空に輝く満月をちょっとだけ過ぎた月。
 さっき売ってたかるめ焼きにどことなく似ていた。
 

   * 夏祭夜話 完 *

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コメント

弟w

かわいぃ・・・ケイタもカズマも・・・

うちにも弟なるものがいますが・・・
全くかわいくなくなりました・・・orz
小さい頃が一番よかった(笑)

TシャツINはホント個性ですねぇ~

あ!でもわたしってば・・・
ガクランに萌え~ですwww
詰め襟さいこーーーーーーーーーー☆

いいな~

>>Tohkoさま
弟さんがいらっしゃる!!! うらやましいです。
男子兄弟って、憧れましたよ。
ウチは妹x2でございます。
カワイイ弟、欲しかったなあ。
その反動で、会社でバイトくん達をいじってます。だはは。

>ガクランに萌え~ですwww
お~、同志!! たまりませんな!!!
でも、特攻服にも興味津々。
……とか言ってたら、「誕生日に買ってあげようか?」なんてセンパイに言われました。
ウチの地元は特攻服で有名なお店があるもので。
ホントにもらったら──もちろん着ます!!!
一緒にいかがですかwww

又もやこんばんわ

夏祭り終わってしまいましたね。
現実にもいよいよ8月も終わり…寂しい気も致します。
いつも読んでいて感じるのですが実機のリュウジもこれ位頼もしいとバトルも安心して見ていられるのですが、どうも決め台詞が「ぬぅはぁ~」ばかりで…(;;
ハヤトは勝率8割位でとても頼りになります!

浴衣姿の愚連隊君達見てみたいですね~
それではまたお邪魔致します。

若獅子は谷底へ

>>単savaさま
こんばんわ~☆
リュウジは、鍛えれば強くなります。きっと!!
最近、ようやく実機のリュウジが鬼神技出してくれるようになりました、ウチではwww
まあ、リュウジを鍛えるのにかかった額はアレですけど。だはは(貢ぎすぎ)。

>浴衣姿の愚連隊君達見てみたいですね~
そうですね。きっと彼ら、和テイストもステキでしょうね。
わたしも見てみたいです!!!
画才のあるお友達がほしいなあ(華丸にはムリ)。

ちっちゃいときだけ・・・

弟なんてつまらんですよぉ~
うちは少し離れてるので小さい頃は
「おねぇたーーーーん」と私の後ばかりくっついていたのですが・・・
思春期なんて殴り合いのケンカもたびたび・・・
ひとまず最近は弟が彼女なんぞ連れて来たときだけあいました。。。つまらないものです(笑)
妹さんいいじゃないですかぁ!!
華丸サマのように素敵なお姉さまの妹に・・・なりたい(笑)

>一緒にいかがですかwww
はい!!きまーーーーーーすw
文字は何入れます???w


ホントに作りますか?

>>Tohkoさま
だはははは。では姉妹の盃を交わしましょう。なんちって。

で、特攻服──本気で作りますか?
ヤバい、わくわくしてきたあああヽ(゜▽、゜)ノ

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